異世界召喚された地味子、王宮から追い出されたので特殊固有スキルでエロと共に暴れ回る。

駄犬X

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海洋王国編

包帯グルグル、ミイラさん。

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 美裸とコニーが出た後、エリスは再びベッドに潜り込んだ。しばらくして部屋の外に複数の気配を感じたエリスは枕元のタガーを抜いた。

 足音、気配から3人程だろうと予測する。部屋は広いと言っても3人も入ってくれば闘いにくい。エリスは静かに身体を起こすとタガーを納める。

 ベッドの下で寝ていたぺろすも気配を感じて起き上がった。だいふくも人の気配を感じたのかぴょんとベッドの上に乗って来た。

 すぐにだいふくとぺろすに静かに指示を出すと、エリスはそっと窓を開けて外に出た。宿屋の屋根に上ってそこを伝い隣の家屋の上で身を伏せて宿屋の出入り口を注視した。

 部屋の中ではだいふくとぺろすが身を伏せて隠れていた。部屋のドアが開く。そっと入って来たヤツの足を、ベッドの下に隠れていたぺろすの3頭がそれぞれの足に咬み付いた。

「ギャーッ!!な、何だッ!?何かいるぞッ!?」
「クソッ!!ベッドの下だッ!!早く殺っちまえッ!!」

 その瞬間、天井からだいふくが男の首筋にベチャッと落ちて来た。

「ひいィィィッ!!なッ、何だッ!?何かが首にッ…!!」

 慌ててだいふくを引き剥がそうとした男は再びぺろすに噛みつかれてパニックを起こした。

「ギャアッ!?また噛みつきやがった!!クソッ…」

 パニックを起こした男が、やたらめったらにベッドの下に剣を突き刺す。しかしその剣はぺろすの皮膚を貫通出来なかった。逆にぺろすは剣を口で咥えると渾身の力で圧し折った。

 破壊された剣先を見た男が更にパニックに陥る。

「…た、ただの犬じゃねぇッ!!俺達まで喰われちまうぞッ!!」

 慌てて部屋から逃げていく男。もう一人、だいふくに首をベチャッとされた男は背中にいるだいふくを必死に剥がそうとして転げ回っていた。

「肝心のお宝持ったヤツがいないぞッ!?」
「くっ、クソッ…ここには従魔だけかッ!!オンナ二人とガキがいねぇ…と、とにかく一旦退くぞッ!!」

 先に出た一人を追うように残りの二人も慌てて部屋を出る。

 部屋の騒ぎが聞こえたエリスはすぐに弓に矢を3本つがえて弦を引く。待っていると一人目が宿屋のドアから転げるように出て来た。

 その瞬間、闇夜を切り裂くように一本の矢が男の膝を貫通する。男はそのまま倒れて動けなくなった。更に二人、ドアから飛び出した所でエリスは2の矢、3の矢を放った。

 その2本の矢も男達の膝を正確に貫通し行動不能にさせた。急いで二階から飛び降りるとすぐに縄で縛り上げる。こういう事もあるだろうと予測して事前に縄と猿轡を美裸から借りていたのだ。

 騒ぎを聞いて宿屋の主人が出てきた。

「…どうした!?何があった…!?」
「いえ、何でもないですよ(笑)?ちょっと睡眠の邪魔されたもので…見せしめに少し痛めつけてやったんですよ(笑)」

 続けて客数人が驚いて出てくる。

「…コイツらは…?」
「悪いヤツです(笑)。人の寝こみを襲って来たから返り討ちにしたんですよ(笑)」

 男達をキツく縛り上げると、唖然とする宿屋の主人と客数人の前でエリスが男3人を引き摺って部屋に戻って行った。

 レベル64は伊達ではないのだ。以前ならいざ知らず今のエリスには暗闇の中を正確に膝を狙って射貫き、2階から華麗に飛び降りて男3人を縛り上げて一気に引き摺って行く事など造作もなかった。

 部屋に戻ると男達をクローゼットに放り込むエリス。

「ぺろすもだいふくもよくやったね!!」

 エリスは部屋で待っていたぺろすとだいふくの頭を撫でつつ、おやつを出して食べさせた。

 その後再び、ぺろすはだいふくを背に乗せてベッドの下で寝そべり、エリスはベッドに潜り込んだ。



 屋根を伝い窓から戻ってきた二人に気付いたエリスがベッドから起きる。ぺろすとだいふくも起き上がった。

「…で、どうだった?お宝はあったの…?」

 眠そうに目を擦りながら二人に尋ねるエリス。

「…あぁ、あれはお宝じゃないね~。作っちゃいけないモノ作ってたよ~(笑)」
「…いけないモノ…それって何よ(笑)?」
「しろいこな作ってたぞ(笑)?」

 そうコニーに聞いたエリスは白い粉…としばらく考えた後、納得した。

「あぁ…白い粉ね。確かにそれはダメなヤツだねー(笑)」

 そう言いつつ笑うエリス。

「ところでエリスさんや~何かありましたか~(笑)」

 荒れている部屋の中を見た美裸が聞くと、エリスがチラッとクローゼットを見て言う。

「…お宝回収のヤツらが来てたのよ。人が寝てるってのにね…」
「ほほぅ、そいつらはここに放り込んであるんですな(笑)?」

 それを聞いたコニーがクローゼットに近付くと扉を開ける。確かに、縛り上げられて猿轡を掛けられ目隠しをされたた男が3人いた。

「みら、こいつらどうする?」

 そう聞かれた美裸はすぐに男達から金目の物を取ると縮小して再び、クローゼットの中に放り込んだ。

「後はネズミさん達に任せるよ(笑)。しっかり遊んでもらえると思うよ~(笑)」

 そんな美裸に今更ながらドン引きするエリスだった。



 翌日、宿屋の1階で朝食を摂っていた3人と2匹の前に、包帯だらけの女性数人が現れた。

「…えっ(笑)?」

 3人ともそれを見た瞬間、食事の手が止まった。

「…?…えーっと何か御用ですかね(笑)?」

 エリスが問うその目の前にいる全員が顔から全身、包帯をグルグルに巻きだった。美裸もエリスもコニーも一瞬、それが誰だか分らなかった。

「…アンタ達にまた依頼したい事があるんだけど…!!」
「えーっと、おたくさん達はどちらのミイラさんですかね~(笑)?」

 依頼、という言葉で既に誰だか解っていたが美裸は惚けた様子で聞き返した。全員が全身に包帯を巻いているのを見て内心、笑っていた。

 正にミイラ、マミーにしか見えないのだ。

(…ウミウシ入りのパンドラの箱開けちゃったか~(笑)…)

 すっ惚けて笑う美裸にイライラが爆発する王女アナルアン。

「…このッ女ッ!!いい加減、人の名前覚えッ…!!」
「王女!!お待ち下さい!!ここはわたしが代りに話しますので…」

 朝から早くも怒りを見せる王女を、いつものメガネの侍女が止める。後ろから出て来たこのメガネ侍女だけは昨日、別件で王女から離れていた為に難を逃れていたのだ。

「王宮より美裸様一行に再び、依頼をしたい事があるのです」

 メガネの侍女を見たエリスとコニーはようやく王女様ご一行だと気が付いた。

「…あぁ、王女様達でしたか。で、今回の依頼は何ですか?」
「今回は西に在りますマンチラー島に眠る財宝を探して頂きたいのです…」

 メガネの侍女の話によるとマンチラー島の地下深くに伝説の海賊、髭ナシの財宝が眠っているという。

「依頼内容は財宝の確認とその回収になります。受けて頂けますか?」

 3人は特に断わる理由もないので2つ返事で王宮からの依頼を受けた。

「…取り敢えず朝食が終わって準備してから向かいますので…」

 エリスが説明したのだがグルグル包帯ミイラ状態の王女達はそこから動こうとしなかった。いつもなら早く行けと怒鳴り散らす王女だが、今回は朝食をとる3人に無言で圧力を掛ける。

「…あの~、そこでずっと見られてると食べにくいんですが…」

 エリスがそう言っても王女達は無言だった。チラッと美裸を見るエリス。仕方なく美裸はスキルを発動させると王女達だけを指定して時間を停止させた。

「これでゆっくり食べられるよね~(笑)」 
「ん?みら、じかん止めたのか?コニー普通に動けるぞ?」
「スキルに対象を指定できるシステムが付いてたからね。そこのミイラさん達だけ止めたんだよ~」
「…美裸のスキル、どんどんパワーアップしていくよね。羨ましいよ…」

 時間の止まった王女達の前で食べながら話す3人。

「いや、それが色々付いて来るのは良いんだけど多過ぎて忘れちゃってるのがあるんだよね~(笑)」
「…確かに多過ぎるのも問題か(笑)」
「コニー、いっぱいある方がいい(笑)」

 3人はのんびりと朝食を終わらせた。



 王女達について来られても困るので宿屋の1階で時間停止させたまま美裸達は西の海岸に来た。

「さて、そろそろ解除して上げようかな~(笑)」
「…こんな距離でもスキルの効力、切れないんだね…ホント反則だよ(笑)」
「便利能力ではあるよね~」

 そう言いつつ、西の海を見渡す美裸。

「美裸、今回はどうやって渡る?やっぱり海割るの(笑)?」
「う~ん、それだと面白くないからね~某有名マンガのあの人の能力使ってみようか(笑)?」

 そう言うと美裸は海を見て編集を始めた。

 エリス、コニーが見ている前で、海がみるみる凍っていく。それを見たエリスは呆気にとられた。

「…まさか海を凍らせて道作るなんてね…」

 その目の前で早速、氷の上に立つコニー。しかしすぐに滑ってコロンとこけてしまった。

「あははっ、これおもしろい(笑)!!つるつるすべるぞ~(笑)」

 そう言いながら転がったまま滑っていくコニー。後に続く美裸も足を滑らせてこけてしまった。

「…そう言えば滑るの考えてなかったよね~(笑)」

 そう言いながら美裸はポケットから縮小していた宝箱を凍らせた海の上に出して拡大する。

 3人と2匹が乗れる大きさにして皆で乗り込んだ後、美裸が押しながら走るとすぐに乗り込んで西にあるマンチラー島まで滑って向かった。

 丁度その頃、美裸のスキルが切れた王女達が急いで美裸達を探す。

「…一体どうなってるのよ!?何でアイツらが消えてるのよッ!?」

 激昂するアナルアン王女にメガネの侍女が答える。

「…王女、あの人達は並の能力者ではないかと思いますよ。今までの事をよく思い出して下さい。あり得ない事をやっていたのを見ましたよね?」

 侍女の言葉に沈黙する王女。確かにメガネの侍女が言う通り、海を割りバキュウム島まで渡っていたのを見ている。しかも王宮から送り込んだ能力者、ハンターが生死不明で戻っていない。

 王女は最初に美裸達に会った事も思い出した。

 あのインモウゲ大盗賊団300人近くを全滅させているのだ。あのちんちくりんPTがまさか…。

 あの不気味なメガネの女は自分で最強PTだと言っていた。エルフの女もそれは言い過ぎだと否定しながらその後にワイバーン程度なら軽く倒せると言っていた…。

 それが事実ならフリンナ海洋王国の雇っている能力者やハンターではまず勝てないだろう…。

 報告では美裸とか言う不気味なヤツがレベル170程、後はレベル73の幼児と、レベル64のエルフ…。

 さすがにレベル100越えは嘘だとしても相応の力は持っているという事だ。そんな事を考えつつ、西の海岸に着いた王女一行は海の上を宝箱に乗って滑っていく美裸達を見て驚愕した。
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