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海洋王国編
予想外。
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包帯グルグル王女達が西の海岸に着いた時には、美裸達が既に西のマンチラー島に向かっていた。しかも大きい宝箱に乗って海の上を滑って高速で進んでいる。
「…アイツらどうやって海の上を…!?」
砂浜に降りて確認したメガネの侍女が戻ってきた。
「王女、海が凍ってます…」
「…は!?海が…この南海の気候でどうやって…」
「…どうやってそうなったか、そこを考えるのはもう無駄かと…あり得ない事をあの人達はやっているという事です…」
「…ハンターは送り込んでいるわよね…?」
「…はい、王国裏社会が雇っているハンターを事前に送り込んでます…」
「…今度こそ、今度こそお宝を取り戻す!!」
力強い王女の言葉に、メガネの侍女は言いたい言葉をグッと飲み込んだ…。
一方、海の上の美裸達は順調に滑っていた。西に大きな島が見える。凍った海の上をジェットコースターのように滑って、あっという間に島の砂浜に辿り着いた。
宝箱から降りて上陸した瞬間、コニーとエリスが顔をしかめた。辺りに血の匂いが漂っている。
「…美裸、血の匂いがするよ…」
「コニーもにおう、にんげんの血のにおいする…」
「…ふむ。そこのジャングルの中に大きい何かがうじゃうじゃいるね~…」
「シルガモレル帝達に偵察して貰う?」
エリスに問われた美裸はシルガモレル達には別件で調査を頼んでいると答えた。
「…そっか~、今回はすこし慎重に進んだ方がいいかもね…」
いつも真っ先に突撃していくコニーも何かを感じ取っていたのか森の中をじっと見ていた。一行はゆっくりと歩きつつ、ジャングルへと進んで行く。しばらく進むと血の匂いの下に辿り着いた。
そこにはハンターらしき者達が惨殺された痕があった。上半身のない死体、首のない死体、腕と脚だけしかない死体などが数十人分散らばって凄惨極まる状況だ。
噴き出した血で、辺りの地面は赤黒く染まっている。
「…これは酷いね…抵抗する間もなくやられたって感じだね…」
エリスの言葉に、コニーが右手にメリケン、左手に雷轟を装着する。美裸もサーチの範囲を更に広げた。
その瞬間、森の陰から5体の大きな猿が一気に飛び出して来た。瞬間、美裸のスキルで猿達は止まったものの、余りにも速いスピードだった為に範囲の中に少しだけ接近されていた。
「…コイツら…動きが速いね~…自動発動のスキルの反応が少し遅れたからね~…」
そう言いつつ美裸は前を歩く二人に聞く。
「…今回はゆっくり相談させて貰えないかもよ~…どうする?この猿、レベル60だね~…二人がやる?」
「えェッ!?レベル60!?なんでそんな強いのが…」
「コニーがやる!!エリスえんごする、ぺろすとだいふくはみらといっしょにいた方がいい」
コニーの提案に頷く二人、
「わたしも後ろから牽制と攻撃行くからね~」
そう言った美裸の顔にいつもの余裕の笑いはなかった。
まずはエリスが飛び掛かってきた猿の目を弓で射抜いていく。瞬間、美裸はスキルを解除、いきなり目をやられた猿は転げ落ちて悶絶する。その猿をコニーが右手のメリケンで殴り飛ばす。
「おにぱんちっ!!」
その瞬間、本気で殴ったコニーの右拳から黒い呪いのエネルギーが放出する。猿は毛も皮膚も溶かされてドロドロになった。一方エリスは瞬動を使って素早く後ろに周り込み猿の首をタガーで斬り落としていく。
しかし硬すぎる猿の首は半分程度、斬れただけだった。
「エリスっ!!『ベノムスティンガー』使ってっ!!」
美裸の言葉ですぐにタガーを入れ替えるエリス。もう既に後ろから猿の第2陣が襲い掛かっていた。一旦、前転して体勢を立て直したエリスが再び弓を構える。
「コニー!!一旦引いて!!爆発させるよッ!!」
第一陣の猿の最後の一匹を殴り飛ばした所ですぐに、コニーが後転して下がる。今回は美裸が近付いてくる光点を見て事前にスキルを発動したので猿軍団第2陣はかなり離れた所で止まっていた。
コニーが後退した瞬間、エリスが『キャノンエクスプロード』で矢を放つ。中央の一体の猿の眉間に刺さった矢が瞬間、大爆発した。
その爆発で猿軍団第2陣は既に半死状態だったがすぐに突っ込んだコニーがジャンピング雷轟で猿を殴る。一気に電撃が広範囲にスパークして猿第2陣も撃退した。
ここでエリスとコニーのレベルが上がった。エリス、レベル66、タガースキル『瞬斬』が付いた。瞬斬はアサシン系の暗殺に特化したスキルだ。高速接近して一瞬で首を斬り落とす技。
コニーはレベル76、スキル『雷轟拳』を獲得。片手に雷轟を付けていれば両手から電撃が出せるスキル。両足からも電撃が出せる。
美裸もレベルが192まで上がった。範囲と同時に『魔吸尽悪食』を指定範囲して使用した所、スキルの範囲形状変化と指定対象からのドレイン能力が強化された。
◇
レベルアップの喜びに浸る間もなく、続いて森の中からサイの軍団が土埃を上げながら突進して来た。
「ビッグホーンライノ、レベル63…50体、来るよ!!」
象サイズの巨大サイがスキル『爆進』を使って美裸の範囲に突入してくる。瞬間、動きは鈍ったが少しづつ前進していた。
「げッ!!このサイ、美裸の範囲で動いてる!?」
たじろぐエリスの後ろから美裸がだいふくにビームでサイの目を狙って攻撃させる。悶絶するサイ軍団、そこにぺろすに乗ったコニーがぺろすの炎をおにふうじんで勢いを付けて大火炎を喰らわせた。
一瞬、怯んでいたエリスもそれを見てすぐに気持ちを切り替えると、動きの鈍った巨大サイの足元を瞬斬で斬り付けて行く。
更に美裸が範囲の中で魔吸尽悪食を使いサイ軍団前衛の20体から一気に体力を吸って行く。
美裸が範囲を解除すると、足を斬り付けられて腐蝕、更に美裸に体力を吸われたサイ前衛が体重を支え切れず崩れた。そこにサイの後衛軍団が突っ込んで将棋倒しになり大混乱を起こした。大混乱のサイ軍団をコニーが雷轟とメリケンで拳打のラッシュを仕掛ける。
「おにらっしゅっ!!」
一気に呪いと電撃が放出されてサイ軍団は為す術無く戦闘不能になった。動けなくなったサイを、魔吸尽悪食で全て吞み込んでいく美裸。
エリスのレベル68、スキル瞬動が『隠密瞬動』になった。コニーのレベル79、スキル『雷呪』を獲得。雷呪は電撃に呪いを付随させたスキルである。
この雷に撃たれると呪いを刻印される。呪いは全身を蝕み、対象を腐らせる。
だいふくのレベル57、ダークサイクロップスビームの威力と精度が上がった。ぺろすのレベル60、『大火炎放射』スキルを獲得した。
そして美裸はレベル203まで上がった。エディットモードの中の範囲スキルと魔吸尽悪食が合体して『フィックスドレインスペース』を獲得。略してFDスペース。敵対対象の動きを止めてドレインし続ける。ドレインしたものを味方に振り分ける事も可能なスキル。
ここで一旦、森からの襲撃が止まった。美裸が範囲で確認していると猿とサイ軍団が殲滅させられたのを見て突進して出てくるのを止めたようだ。
「…ふうっ、やっと止まったか…猿と言いサイと言いデカい上に強いね~。美裸がいなかったらそこのハンターと同じ即死だよ…」
「たしかにつよい、けどレベルどんどん上がる。コニー、もっとやっつけたい!!」
「そうだね~、けどあちらさんも怯んでるみたいよ(笑)?この間に少し休憩しますか~(笑)」
美裸もようやくいつもの余裕の表情が戻る。
「…でもこの調子だと森の中のヤツらもどんどんレベル上がってくるんじゃない?ヤバい気がするけど…」
エリスはこの先の戦いを懸念しながら美裸が出した水筒の水を飲む。コニーは美裸に出して貰ったジュースとおやつの黒豆せんべいを食べていた。
「…あとどれくらいいるの?」
「…ふむ。そうだねぇ…あと150くらいかな~…」
「うげっ、そんなにいるの?」
「大きいのに加えて小さいのが結構いるね~…小さいって言ってもたぶんさっきのサイの半分くらいかな~…」
「…結構キツそうだね…」
「いっぱいいる、コニーどんどん強くなる!!」
ドリンクを飲んでおやつを食べて休憩する3人と2匹。しかし、森の中からの襲撃は止んだまま、一向に出てくる気配がない。
「…全然出てこないね…」
「うん、警戒されてるかもね~…。さてどうしようかな~…」
そう言いつつ美裸は範囲を島全域に拡大したまま、FDスペースでエネルギーを吸い続けていた。
「みら、コニーが森の中に突っこんできても良いか?」
「コニーッ、待って!!もしかしたらわたし達を誘い込もうとして動いてないのかも…」
エリスの言葉に、コニーは美裸を見上げる。
「みら、どうする?」
「…確かに森の中に入ると向こうが有利なのかもね~…そういうヤツが潜んでる可能性はあるね~…」
そう言いつつ美裸がエリスをチラッと見る。
「…エリスさんや~、向こうが動かないならここで魔法の練習でもしますか~(笑)?」
その提案に一瞬、は?と疑問の顔を浮かべたエリスだったが、昇級試験の時の事を思い出した。
「…あぁ、確かに今なら練習に良いと思うけど…森が燃えたら大変な事になるでしょ?環境破壊だよ(笑)?」
「大丈夫ですがな~、ここは海に囲まれた島だし~(笑)。わたしの能力があれは森は元に戻りますがな~(笑)」
「あぁ、確かにそうだね~。じゃ、ちょっと練習してみようか(笑)?」
「エリス、はやく魔法だす。コニー魔法みたい!!」
エリスは森を前にして炎をイメージする。集中するエリスに魔力エネルギーが集まり始めた。
その瞬間、今まで静かだった森が突然、危険を察知したかのように反応した。無数の奇怪な大きい鳥が森の上に羽ばたいて現れる。
その数、およそ50羽。
奇怪な鳥は強く羽ばたくと、羽根からカマイタチが発生させて飛ばして来た。しかし既に美裸の範囲の中の攻撃はすぐにエネルギーを吸収されて失速して消えた。
エリスは一つの大きな炎の塊をイメージしていたが、森の上の奇怪な鳥を見て急遽、雨の様に降ってくる炎の岩のイメージに切り換えた。
そしてエリスが手をかざした瞬間、上空から砲弾のように炎の岩が降ってくる。バスケットボールサイズの炎の岩が砲弾の雨となって奇怪な鳥に襲い掛かった。
羽根を折られ、頭を炎の岩で潰された巨大な鳥が次々と森の中へと墜ちていく。燃えて落ちた鳥から、森に火が移り燃え上がった。
「…ぎゃーっ!!やり過ぎたッ!?」
森の火災に焦るエリスの目の前で、美裸がスキルですぐに炎を消した。
「エリス、すごい!!でっかい火の玉いっぱい出たぞ(笑)!!」
「エリスさんや~、やりますな~(笑)。しかし自分のレベル考えてやって下され(笑)!!あれじゃ島ごと潰れますがな~(笑)」
「…はい、ごめんなさい。必死だったもんでつい…」
この時、エリスは初めて魔法を使うのでイメージを強くして発動させた。しかしレベル自体が60を超えて、レベルに合わせて知力と思念力が上がっているのを忘れていた。
結果、初級の火炎魔法ファイアボールがメテオキャノンになった…。
森に燃え移った炎は消したものの、黒い煙が上空に流れてミッカイ島の海岸からも、マンチラー島が燃え上がり濛々と煙が上るのが確認された。
エリスのレベル72、火炎魔法『メテオキャノン』獲得。魔法属性習得枠+1増加。美裸のレベル205、サーチに遠隔鑑定が付いて離れた位置から敵情報が見えるようになった。
「…アイツらどうやって海の上を…!?」
砂浜に降りて確認したメガネの侍女が戻ってきた。
「王女、海が凍ってます…」
「…は!?海が…この南海の気候でどうやって…」
「…どうやってそうなったか、そこを考えるのはもう無駄かと…あり得ない事をあの人達はやっているという事です…」
「…ハンターは送り込んでいるわよね…?」
「…はい、王国裏社会が雇っているハンターを事前に送り込んでます…」
「…今度こそ、今度こそお宝を取り戻す!!」
力強い王女の言葉に、メガネの侍女は言いたい言葉をグッと飲み込んだ…。
一方、海の上の美裸達は順調に滑っていた。西に大きな島が見える。凍った海の上をジェットコースターのように滑って、あっという間に島の砂浜に辿り着いた。
宝箱から降りて上陸した瞬間、コニーとエリスが顔をしかめた。辺りに血の匂いが漂っている。
「…美裸、血の匂いがするよ…」
「コニーもにおう、にんげんの血のにおいする…」
「…ふむ。そこのジャングルの中に大きい何かがうじゃうじゃいるね~…」
「シルガモレル帝達に偵察して貰う?」
エリスに問われた美裸はシルガモレル達には別件で調査を頼んでいると答えた。
「…そっか~、今回はすこし慎重に進んだ方がいいかもね…」
いつも真っ先に突撃していくコニーも何かを感じ取っていたのか森の中をじっと見ていた。一行はゆっくりと歩きつつ、ジャングルへと進んで行く。しばらく進むと血の匂いの下に辿り着いた。
そこにはハンターらしき者達が惨殺された痕があった。上半身のない死体、首のない死体、腕と脚だけしかない死体などが数十人分散らばって凄惨極まる状況だ。
噴き出した血で、辺りの地面は赤黒く染まっている。
「…これは酷いね…抵抗する間もなくやられたって感じだね…」
エリスの言葉に、コニーが右手にメリケン、左手に雷轟を装着する。美裸もサーチの範囲を更に広げた。
その瞬間、森の陰から5体の大きな猿が一気に飛び出して来た。瞬間、美裸のスキルで猿達は止まったものの、余りにも速いスピードだった為に範囲の中に少しだけ接近されていた。
「…コイツら…動きが速いね~…自動発動のスキルの反応が少し遅れたからね~…」
そう言いつつ美裸は前を歩く二人に聞く。
「…今回はゆっくり相談させて貰えないかもよ~…どうする?この猿、レベル60だね~…二人がやる?」
「えェッ!?レベル60!?なんでそんな強いのが…」
「コニーがやる!!エリスえんごする、ぺろすとだいふくはみらといっしょにいた方がいい」
コニーの提案に頷く二人、
「わたしも後ろから牽制と攻撃行くからね~」
そう言った美裸の顔にいつもの余裕の笑いはなかった。
まずはエリスが飛び掛かってきた猿の目を弓で射抜いていく。瞬間、美裸はスキルを解除、いきなり目をやられた猿は転げ落ちて悶絶する。その猿をコニーが右手のメリケンで殴り飛ばす。
「おにぱんちっ!!」
その瞬間、本気で殴ったコニーの右拳から黒い呪いのエネルギーが放出する。猿は毛も皮膚も溶かされてドロドロになった。一方エリスは瞬動を使って素早く後ろに周り込み猿の首をタガーで斬り落としていく。
しかし硬すぎる猿の首は半分程度、斬れただけだった。
「エリスっ!!『ベノムスティンガー』使ってっ!!」
美裸の言葉ですぐにタガーを入れ替えるエリス。もう既に後ろから猿の第2陣が襲い掛かっていた。一旦、前転して体勢を立て直したエリスが再び弓を構える。
「コニー!!一旦引いて!!爆発させるよッ!!」
第一陣の猿の最後の一匹を殴り飛ばした所ですぐに、コニーが後転して下がる。今回は美裸が近付いてくる光点を見て事前にスキルを発動したので猿軍団第2陣はかなり離れた所で止まっていた。
コニーが後退した瞬間、エリスが『キャノンエクスプロード』で矢を放つ。中央の一体の猿の眉間に刺さった矢が瞬間、大爆発した。
その爆発で猿軍団第2陣は既に半死状態だったがすぐに突っ込んだコニーがジャンピング雷轟で猿を殴る。一気に電撃が広範囲にスパークして猿第2陣も撃退した。
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「ビッグホーンライノ、レベル63…50体、来るよ!!」
象サイズの巨大サイがスキル『爆進』を使って美裸の範囲に突入してくる。瞬間、動きは鈍ったが少しづつ前進していた。
「げッ!!このサイ、美裸の範囲で動いてる!?」
たじろぐエリスの後ろから美裸がだいふくにビームでサイの目を狙って攻撃させる。悶絶するサイ軍団、そこにぺろすに乗ったコニーがぺろすの炎をおにふうじんで勢いを付けて大火炎を喰らわせた。
一瞬、怯んでいたエリスもそれを見てすぐに気持ちを切り替えると、動きの鈍った巨大サイの足元を瞬斬で斬り付けて行く。
更に美裸が範囲の中で魔吸尽悪食を使いサイ軍団前衛の20体から一気に体力を吸って行く。
美裸が範囲を解除すると、足を斬り付けられて腐蝕、更に美裸に体力を吸われたサイ前衛が体重を支え切れず崩れた。そこにサイの後衛軍団が突っ込んで将棋倒しになり大混乱を起こした。大混乱のサイ軍団をコニーが雷轟とメリケンで拳打のラッシュを仕掛ける。
「おにらっしゅっ!!」
一気に呪いと電撃が放出されてサイ軍団は為す術無く戦闘不能になった。動けなくなったサイを、魔吸尽悪食で全て吞み込んでいく美裸。
エリスのレベル68、スキル瞬動が『隠密瞬動』になった。コニーのレベル79、スキル『雷呪』を獲得。雷呪は電撃に呪いを付随させたスキルである。
この雷に撃たれると呪いを刻印される。呪いは全身を蝕み、対象を腐らせる。
だいふくのレベル57、ダークサイクロップスビームの威力と精度が上がった。ぺろすのレベル60、『大火炎放射』スキルを獲得した。
そして美裸はレベル203まで上がった。エディットモードの中の範囲スキルと魔吸尽悪食が合体して『フィックスドレインスペース』を獲得。略してFDスペース。敵対対象の動きを止めてドレインし続ける。ドレインしたものを味方に振り分ける事も可能なスキル。
ここで一旦、森からの襲撃が止まった。美裸が範囲で確認していると猿とサイ軍団が殲滅させられたのを見て突進して出てくるのを止めたようだ。
「…ふうっ、やっと止まったか…猿と言いサイと言いデカい上に強いね~。美裸がいなかったらそこのハンターと同じ即死だよ…」
「たしかにつよい、けどレベルどんどん上がる。コニー、もっとやっつけたい!!」
「そうだね~、けどあちらさんも怯んでるみたいよ(笑)?この間に少し休憩しますか~(笑)」
美裸もようやくいつもの余裕の表情が戻る。
「…でもこの調子だと森の中のヤツらもどんどんレベル上がってくるんじゃない?ヤバい気がするけど…」
エリスはこの先の戦いを懸念しながら美裸が出した水筒の水を飲む。コニーは美裸に出して貰ったジュースとおやつの黒豆せんべいを食べていた。
「…あとどれくらいいるの?」
「…ふむ。そうだねぇ…あと150くらいかな~…」
「うげっ、そんなにいるの?」
「大きいのに加えて小さいのが結構いるね~…小さいって言ってもたぶんさっきのサイの半分くらいかな~…」
「…結構キツそうだね…」
「いっぱいいる、コニーどんどん強くなる!!」
ドリンクを飲んでおやつを食べて休憩する3人と2匹。しかし、森の中からの襲撃は止んだまま、一向に出てくる気配がない。
「…全然出てこないね…」
「うん、警戒されてるかもね~…。さてどうしようかな~…」
そう言いつつ美裸は範囲を島全域に拡大したまま、FDスペースでエネルギーを吸い続けていた。
「みら、コニーが森の中に突っこんできても良いか?」
「コニーッ、待って!!もしかしたらわたし達を誘い込もうとして動いてないのかも…」
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「…確かに森の中に入ると向こうが有利なのかもね~…そういうヤツが潜んでる可能性はあるね~…」
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その提案に一瞬、は?と疑問の顔を浮かべたエリスだったが、昇級試験の時の事を思い出した。
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「あぁ、確かにそうだね~。じゃ、ちょっと練習してみようか(笑)?」
「エリス、はやく魔法だす。コニー魔法みたい!!」
エリスは森を前にして炎をイメージする。集中するエリスに魔力エネルギーが集まり始めた。
その瞬間、今まで静かだった森が突然、危険を察知したかのように反応した。無数の奇怪な大きい鳥が森の上に羽ばたいて現れる。
その数、およそ50羽。
奇怪な鳥は強く羽ばたくと、羽根からカマイタチが発生させて飛ばして来た。しかし既に美裸の範囲の中の攻撃はすぐにエネルギーを吸収されて失速して消えた。
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そしてエリスが手をかざした瞬間、上空から砲弾のように炎の岩が降ってくる。バスケットボールサイズの炎の岩が砲弾の雨となって奇怪な鳥に襲い掛かった。
羽根を折られ、頭を炎の岩で潰された巨大な鳥が次々と森の中へと墜ちていく。燃えて落ちた鳥から、森に火が移り燃え上がった。
「…ぎゃーっ!!やり過ぎたッ!?」
森の火災に焦るエリスの目の前で、美裸がスキルですぐに炎を消した。
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「エリスさんや~、やりますな~(笑)。しかし自分のレベル考えてやって下され(笑)!!あれじゃ島ごと潰れますがな~(笑)」
「…はい、ごめんなさい。必死だったもんでつい…」
この時、エリスは初めて魔法を使うのでイメージを強くして発動させた。しかしレベル自体が60を超えて、レベルに合わせて知力と思念力が上がっているのを忘れていた。
結果、初級の火炎魔法ファイアボールがメテオキャノンになった…。
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