神に祝福という名の呪いを受けた俺は学園島最強を目指す

丸山新

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一章

義務教育からもう一度

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 さて落ち着いて状況を整理しよう。

 決闘の時にエーテルアーマーをすると、俺の体には傷がつかない。だから神の呪いは発動しない。つまりは、呪いなしで俺はこの島で勝ち上がらなければならないということになる。

 だが、魔法が使えて当たり前のこの御時世、俺以外はもはや義務教育の課程詠唱すれば全属性が使える。

 そして俺は全く使えない。そもそも義務教育受けてないしな。



 ……え? 無理じゃん。勝てないじゃん。



 「あ、終わった」

 「ど、どうしたんですか?」

 項垂れているとクレアが声を掛けてくれた。

 クレアには神の呪いなんていうことはとても出来ない為、独自魔法ということにして効果は自分がダメージを食らうと、相手もダメージを受けるという説明を簡単した。

 「な、なるほど。先程から様子がおかしかったのはそういうことだったのですね……確かに深刻な問題です。魔法は使えないのですか?」

 「田舎育ちで、小学校も行ってなかったから」

 「しょ、小学校もですか!?」

 「う、うん」

 目を丸くするクレアをよそに俺も驚いていた。

 里で読んだ外界の本では、小学校に行ってない人は大勢いるとか書いてたような気がするんだけどなぁ。……あ、本が古かったからか。

 「そう……ですね、今から全属性を扱うのはとても間に合わないと思うので、せめて得意な属性だけでも無詠唱で放てるようにした方がいいと思います。それではまずは得意な属性が何か調べましょう」
 
「そうだな。……ってえ? まさか俺の魔法特訓に付き合うつもりなのか⁉ そこまで面倒掛けるわけには……」
 
 「何故てすか? 友達とは困っている時こそ、手を取り合い助け合うものではないのですか?」
 
「そ、そうだけど。俺に構っていたら他の人にポイントで負けるぞ」

 「いえ、大丈夫です……公式戦は全て出て勝ち抜けば、問題ありません」

 「いや、それでも万が一そこで負けたりしたら……」

 「その時は自分の弱さを呪いましょう」

 どうやら何がなんでも俺の特訓に付き合うつもりらしい。

 「はあ、分かったよ」

「それでは修練場を使いましょう……確か近くにあった筈です」











######











 そして、修練場に着き、魔法の特訓を始めた。

 「まずは、魔力操作ですね。これで大体魔法が得意かそうでないかが分かります。大きく深呼吸して下さい。そして息を止めて、丹田に意識を集中。」

 言われた通りに、深呼吸、息を止め、丹田に集中する。

 「すると、何かが動いた感触ありましたよね」

 確かにある、何かが。ゆっくりと集まってその辺りが暖かくなって来たような感覚が。

 「それが魔力です」

 「では、それをゆっくり手の指先に移動させて見てください。最初は中々難しいので慣れるまで時間はかかってしまうと思いますが、焦らずに……」「こうか?」

 「え? もう出来たんですか? 早いですね。それではそれを反対側の指先に……」「出来た」

 「……え? またもう出来たのですか? 少しそのままで手を貸してください。……本当に出来てますね。ミゼルくんには魔法にかなりの才能があるのかもしれないですね。ではまず私が火属性の初級魔法の詠唱をしますので、私の後に続いて発音してください」



 クレアの詠唱をシャドーイングすると、手のひらから小さい火の玉がぽすっと出てきた。



 「はい、出来ましたね。それでは別の属性の魔法を……。ミゼルくんは何か使ってみたい属性の魔法とかってありますか?」

 ふむ。使ってみたい魔法なぁ。

 「そもそも何があるか分からん。属性とかってなんとなくで聞き流してたし、今まであんまり気にしてなかったしなぁ」

 「そ、そうですよね。小学校に行かれていないのですから、すみません無粋なことを……」

 「いや、全然気にしてないから。それで説明してくれる?」

 本当に気にしていないからただこちらの心が痛くなるだけなので、説明を催促した。

 「それでは説明します。属性には6種類あります。地、火、氷、風、雷、そして無……それぞれには相性などもあります。そして魔法には初級、中級、上級と威力や規模により、段階的に分けられています。

 基本的には小学校卒業時点でほとんどの方はこの六属性の初級魔法を無詠唱で行うことができます。そして中学校卒業……つまりほぼ今の私たちの世代ですね……では六属性の中級魔法を無詠唱で行うことができ、そして自分の得意な属性や無属性に限り、上級魔法を無詠唱で行うことができる方がかなりの数でいらっしゃいますね。

 ...…私も得意なのは火属性で上級は無詠唱で放つことが可能です。
 
 ですが、先ほど言われていたミゼルくんのような独自オリジナル魔法……それは別格と言われています。一般魔法つまりは六属性とは一線を画す威力を持ち、何万人に一人しか発現しない魔法です。人によって能力も様々です……こんなところでしょうか?」

 「ああ、分かりやすい説明をありがとう」

 素直に感謝を述べると、クレアは少し照れた様子で謙遜する。

 「いえいえ……取り合えずは無属性以外の5属性の初級魔法をしらみ潰しにやっていきましょうか」

 「無属性はなんでやらないんだ?」

 「無属性は誰にでも使える魔法であり、苦手も得意もないからです。基本的には誰でも使えて、使用する機会も多いのですぐに上達できますしね」

 「なるほど」

 「……それではまずはさっきは火属性をしましたので、次は雷属性で行きましょうか。それでは手に魔力を集中させて、私の発音の後に続いてください」



 火属性の魔法の時と同じやりとりをすると、手の指先からビリビリっと小さな雷が発生する。その様子をクレアは見て、ほぼ同威力ですねと呟いた。



 次に風属性も同様のやりとりをすると、周りに落ちていた落ち葉をたくさん巻き上げる程の大きなつむじ風が起きた。それはかなりの時間発生し続け、30秒後にようやく終息した。



「他の属性と比べて、かなり強い威力がありましたね……ミゼルくんは風属性が得意なのかもしれませんね。では次に土を」



 土属性魔法の詠唱のドローイングを終えるが、どこにも変化は見当たらない。もしかして失敗……。



 「あ、ありました! この辺りの地面だけが少しだけ盛り上がっています。恐らくこれではないかと……。地面属性は苦手なのかもしれませんね……。さて最後は氷属性ですね。」



 詠唱をクレアに続いて行い、全て言い切った次の瞬間。



 「うっそ……」


 バカでかい氷の玉が目の前にズシーンと落ちてきた。それは俺の方へと転がってくるが、俺を巻き込む前に。


 「……ハッ!」


 クレアが炎の剣で叩き割り、氷はすぐに蒸発して消えた。


 「いやぁ焦ったー。クレアありがとな助かったわ」

 「いえ、これしきであれば大丈夫です……ですが、ミゼルくんの氷魔法はかなりのものですね。初級魔法でここまでの威力を出せる人はなかなかいないと思います。
 ……とはいえ、これで当面の目標は決まりましたね。ひとまずは魔力操作をもっと柔軟に行う鍛錬を毎日し、氷と風と無属性の上級魔法を無詠唱で出来るように頑張りましょう。取り合えずはそれでいいと思います」

 「ああ、分かった。それで頑張ってみるよ」



 ひとまずは言われた通りに頑張ってみよう。俺は今のところ小学生よりも弱いのだから。
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