寸止めなんて聞いてない!同棲トレーナーの愛撫は、今日も甘くてズルい!

寸止めの紫陽花

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番外編1:甘い煙と夜のシーシャバー〜揺らめく大人の色香〜

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【前書き】
今回は、番外編でちょっと大人なシチュエーションでドキドキをお届けします。普段とは違う二人の甘い時間を楽しんでください!
ーーーーー

「あ~……ダメだ、今日も筆が進まない……」

ソファに倒れ込みながら、紫はうんざりとノートパソコンを見つめる。
画面には、開きっぱなしの原稿ファイル。カーソルが瞬いているだけで、文章はひと文字も増えていない。

「もうちょっとで形になるって思ってたのに……なんでこうなるの」

指先でこめかみを揉んでいると、不意にスマホが震えた。
画面に表示されたのは、カイからのメッセージ。

『今夜、シーシャバー行かね?気分転換しようぜ』

「……シーシャバー?」

思わず声に出して呟いてから、紫の表情がぱっと明るくなる。

「うん、行きたい!」

気づけば、立ち上がってクローゼットを開けていた。
いつもならTシャツにデニムで済ませてしまうけど、今日はちょっとだけ、大人っぽい自分で会いたい。
ベージュのロングスカートに、落ち着いたグリーンのトップス。
耳元に揺れる小さなピアスをつけて、髪をゆるく巻いて。
最後に、小さめのバッグにノートパソコンを入れて——たぶん使わないけど、お守り代わりに。

「どうかな……変じゃないよね?」

鏡の前でくるっと一回転して、自然と笑みがこぼれる。

「よし、行ってこよう。……カイに会いに」

待ち合わせの駅前。
人混みの中、ひときわ目を引く大きなシルエットが、紫に気づいて手を振った。

「おーい、紫!」

カイの声が届くと、紫の心臓が跳ねた。
ひさしぶりに見る私服のカイは、黒のシャツに細身のパンツで、いつもより落ち着いた雰囲気。
髪を後ろにまとめていて、どこか大人びて見える。

「ごめん、待った?」

「いや、俺も今来たとこ。……って、お前……」

ふと視線を落としたカイが、言葉を止めた。
視線の先は、紫のコーディネート。スカートの裾が風で揺れ、上品なピアスがきらりと光る。

「めちゃくちゃ、可愛いじゃん……」

不意に照れたように笑うカイの言葉に、紫の頬がじんわり熱くなる。

「え、そ、そう……? ちょっと頑張っただけ……」

「そっか。頑張ってくれて、ありがとな。……じゃあ、行くか」

そう言って、カイが軽く手を差し出してくる。
自然すぎて、戸惑う暇もなくその手を取ると、指が絡まった。

「……初めてだから、色々教えてね」

「任せろ。俺のおすすめ、いっぱいあるから」

そうして2人は、灯りの落ちた静かな路地に佇むシーシャバーへ。
ドアを開けると、甘くてスモーキーな香りがふわりと漂ってきた。

店内は、まるで時間がゆっくりと流れているみたいだった。
照明は落とされて、天井から垂れる間接照明が足元をほんのり照らしている。
ガラスのランプが柔らかい色で揺れていて、スモークのような煙が静かに空中を漂っていた。

「すご……こんなとこ、初めて……」

紫が思わずこぼすと、カイがくすっと笑う。

「だろ?俺のお気に入りなんだ。静かで、居心地いいだろ?」

店員に案内されて、奥の個室に入ると、ふたりきりの空間がそこにあった。
低いテーブル、ふかふかのソファ、そして真ん中にはシーシャがセッティングされていて、まるで異国の部屋みたい。

「ちょ、なんか…すごい密室感…!」

紫がそわそわとソファに腰を下ろすと、すぐ隣にカイも腰を落とした。
距離が近い。さっきまでの外の空気が、嘘みたいに静かだ。

「緊張してる?」
紫は少しだけ身を縮めるようにして、小さく笑った。

「……緊張、っていうより……ドキドキしてる、かも」

「店の雰囲気に?」

「ううん、それもあるけど……カイにも、ね」

一瞬だけ、視線が合う。
それだけで、紫の胸は跳ね上がるように高鳴った。
ゆっくりと肩を抱かれるような空気の中で、まだ何もされてないのに、心だけがずっと触れられている気がする。

カイが唇の端を上げて、ふっと笑った。

「そっか……そりゃ、来てよかったな。紫の“ドキドキ”もらえたから」

紫が小さく笑うと、カイがメニューを開いて「どんな香りが好き?」と優しく聞く。
甘いフルーツ系、ミント、スパイスの効いたもの──ずらっと並ぶ名前に、紫の目が泳いだ。

「んー、どれがいいのか……わかんない……」

「じゃあ、俺が選んでいい?紫が好きそうなの」

「うん、カイのおすすめ……試してみたい」

そのやりとりすら、なんだかいつもよりドキドキする。
まるで大人の世界に迷い込んだみたいで、胸の奥がくすぐったい。

カイが店員に注文を済ませると、静かにふたりきりの時間が始まった。

カイがゆっくりとシーシャのパイプを手渡す。
「まずはゆっくり吸ってみて。焦らなくていいから」
紫は緊張しながらも、カイの指先に触れるパイプをそっと手に取る。

「こうやって…?」
軽く吸い込むと、ふわっと甘い香りが鼻をくすぐり、思わず顔がほころぶ。

「そうそう、その感じ。慣れてきたら、少しずつ深く吸ってみて」
カイの優しい声に導かれ、紫の心臓は速く鼓動を打つ。

「貸してみ?こんな風に…ふぅー」

パイプを返すと、今度はカイが同じように煙を吸い込み、ゆったりと吐き出す。
「良い香りだろ?」
煙が夜の空気にゆらゆらと溶けていく。

二人の視線が重なり、空気がぐっと熱くなる。
紫は思わず顔を赤らめ、カイの手がそっと肩に触れた。

紫は目を細めて見つめる。
「なんだか…いつもとは違う色気だね」
 
カイは煙を少しずつ吐き出しながら、にやりと笑う。
「煙は焦らず、ゆっくり楽しむのがコツだぜ?」

「ほら、…もっと香りを感じろよ」

紫も再びパイプを手に取り、ゆっくりと吸い込んでみる。
「慣れてきたか?」とカイが優しく聞くと、紫は少し照れながらも小さく頷いた。

「うん……でも、上手くできてる?まだ難しい」

カイはすっと紫の手を包み込みながら、低く囁く。
「香りを楽しんでりゃ大丈夫。ちゃんと俺が吸わせてやるから、安心しろよ」

二人の距離がまた少し縮まった気がして、紫の胸は甘く高鳴った。煙を吸い込む動作もだんだん慣れて、紫の表情にほんのり艶が差してきた。

「どうだ?香り、楽しめてるみたいだな?」

「うん…なんだか不思議な感じ」
「甘くてふわふわして、煙に包まれるって心地いいね」

カイは紫の頬にそっと手を添え、指先でゆっくりと撫でる。
「とろけた顔、…そそられるな」
その声に紫は胸が熱くなり、視線をそらす。

「もっと深く、感じていいんだぜ」
カイの声は甘く、でもどこかちょっとだけからかうような余裕があった。

「急がなくていい。ゆっくり、俺に預けてみろ」
焦らされながらも優しい言葉に、紫の心はほどけていく。

二人だけの秘密の時間は、甘やかしと焦らしが絶妙に絡み合って、
夜の闇に包まれながら、少しずつ距離も心も解けていった。

紫はふわふわの煙に包まれて、ゆるりとカイの肩に頭を預ける。
「……なんだか、すごく落ち着く」
囁くように言いながら、カイの温もりを全身で感じていた。

カイは優しく肩を回して、紫をそっと引き寄せる。
「その髪の香りも、香水もいいけど、何より今日の紫は特別だな」
じっと見つめながら、少しだけ口元を緩めた。

ふと視線が紫のスカートに落ちる。
ゆらゆらと揺れる裾が、いつもより大人っぽく、そして艶っぽく映った。

「おい、そのスカートの揺れ方はずるいだろ」
からかうように笑いながら、紫の腰に手を回す。

紫は顔をほんのり赤らめて、もじもじと笑う。
「カイだって、そのシャツ…ボタン開けすぎじゃない?」
指で軽くシャツの胸元をつまんでから、挑発するように見上げた。

カイはそんな紫を見下ろしながら、ゆっくりと口角を上げる。
「……お前を誘ってんだよ」
低く甘く囁いて、紫の髪に指を絡める。

「今日の紫は、格別に艶っぽい。そんな顔されたら……理性、持たねぇ」
カイの声が紫の耳元で震える。
紫がふわっと笑ってカイに寄りかかる。
スカートが揺れて、鎖骨がのぞく――視界に入るたび、カイの理性がじわじわ削られていく。

「なあ……それ、わかっててやってんのか?」

「……え?」

「とぼけんなよ。俺を誘ってんだろ?」

囁き声は耳に、体に、染み込むみたいに響く。
紫は一瞬で真っ赤になって、けれど否定も逃げもしない。

「こんなに色っぽいのに……俺に寸止めさせる気か?」
そう言ってカイは、あえて指先で頬を撫でるだけ。
キスも、抱き寄せることも、まだしない。

「……もっと、焦らされたい顔してるぞ」

沈黙の中、紫が小さく囁く。

「……焦らされすぎて、もう限界かも」

その一言で、カイのスイッチが入る。

「そうか――ならもう、止めない」

すぐに紫の腰を引き寄せ、唇を奪う。
深く、甘く、煙と熱に包まれたキス。

「我慢なんて、できるかよ」
低く、熱のこもった声で囁きながら、紫の背に腕を回し、ソファへ押し倒す。

煙の香りと、カイの体温が絡み合って、空気すら甘く濃密に変わる。

押し倒された紫。
煙がまだゆらゆらと漂う中、カイの手がスカートの上から膝をなぞる。
服の上からなのに、熱がじわりと伝わってピクリと震える。

「……ちゃんと触ってないのに、こんなに感じてんのか?」
「もう…分かってるのに、言わないでよ…」
カイの視線がとろけそうなくらい熱を帯びて、
紫の目を、唇を、胸元を、まるごと愛おしそうに見つめてくる。

「ほら……首も、赤くなってきてる」
指先でそっと首筋に触れて、なぞる。
ビクッと反応する紫の息遣いが、カイをさらに煽る。

「……なあ、紫。今、俺のことしか考えられないだろ?」

そう囁きながら、唇がゆっくり耳元に近づく。

「甘い香りに包まれて、とろける紫……たまんねぇな」

耳たぶに軽くキス。
吐息がかかるたび、紫の全身が甘く震える。

「……ねぇ、キスは?」
紫が揺れる声で問いかける。

カイは答えずに、指先だけで唇の端に触れて、
「俺のキス、そんなに欲しいのか?」と、また焦らしてくる。

「ねぇ……」
甘えた声で見上げられて、カイがようやく唇を重ねる。

けど、すぐに深くはしない。

「俺が本気出したら、お前……帰れなくなるぞ?」

濃厚なキスも、甘い手つきも、全部寸前で止める。

でももう紫は、動けないくらいとろけてる――脚に力が入らず、カイの膝の上に身を預けるしかなくて、
視線も、思考も、甘い煙と彼の体温に溺れてる。

「なぁ……執筆どうすんだ?書けそうか?」

ボソリとカイが囁く。
紫の耳元に、キスにもならない優しい吐息を落としながら。

紫はゆっくり首を振る。
「……むり、もう、無理だよ。頭、真っ白で……」

「ふふ……だろうな」
カイの指が、紫の顎を軽く持ち上げて、もう一度ゆっくりと唇を重ねる。

「でも、お前が“書きたい”って言ったんだよな」

唇が離れるたびに、紫の息が乱れる。
もう言葉を繋げるのも精一杯。

「じゃあ……ご褒美、もう一つだけもらってからにしろよ?」

そう言って、今度は首筋に長めのキス。
パルスのように全身に痺れが走る。

「…ご褒美って……それ、書けなくさせるやつ…」

「知ってる。でも……もう十分気持ちよくなったろ?」

「……ぅん」

「だったら、後は俺に甘えてりゃいい」

肩を抱かれて、紫はそのまま寄りかかる。
ノートPCは鞄から出さないことにした。

「カイ……ねえ、もう今日は……執筆、お休みじゃだめ?」

「いいよ。俺が“書かせないようにしてる”んだしな?」

「……ずるい……」

紫がふっと笑って、目を閉じる。
カイの手がそっと髪を撫でる。

「…お前がとろけるくらい、甘やかすのが、今日のデートプランだからな」

カイが、耳元で囁くように言って、ニヤリと笑った。

紫は照れたように笑いながら、
ノートパソコンに、ふと視線を落とす。

「……今の気持ち、ちゃんと書けるようにしてみる」

「ん?」

「もうちょっとだけ、こうしてて……それから、頑張る。
書きたいことが、浮かびそうな気がするから」

紫の言葉に、カイは腕の中で小さく頷く彼女を見下ろして、満足そうに笑う。
カイが紫の頬に髪をかけながら、低く囁く。

「……これで、ようやくお前のスイッチ入ったな」
「これで書けるなら、また連れてきてやるよ」

紫が顔を上げると、カイは少しだけ口元を緩めて笑った。

「……俺のこと、もっと作品に残してくれていいんだぜ?」

紫は少し顔を赤らめて、視線を逸らしながらも小さく笑った。

「そ、そんな…私のことまで見透かして…ずるいよ、カイ…」

ぽっと頬を染めながらも、心の奥は嬉しく甘く蕩けていた。

再び重なる唇の、
ゆるやかな熱と香りに包まれながら──

夜のシーシャバーは、
二人だけの秘密の執筆空間になった。

ーーーーー
【後書き】
最後まで読んでいただきありがとうございました‼️今回の番外編は、思う存分じっくりと描きたくて長めになりました‼️自分なりに大満足の仕上がりです✨これからも二人の甘い物語をどうぞお楽しみに‼️
いいねいただけると励みになります✨良ければ感想もお待ちしてます‼️
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