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第三章 化け物
173.「今のあなたは魔力に飢えてもいないし酔ってもいない」
しおりを挟む目覚めてすぐに思ったのはまだ寝たい、だった。身体はだるいけれど満ちた魔力に頭はふわふわして夢見心地。このまま動かなかったら二度寝できるだろうか。ああでもいい加減起きなきゃまずい。なにも見えない視界の向こうに明るい陽が差しているのが分かるし、というか、そろそろ現実を直視しなきゃいけない。
朝から晩までジルドと過ごし続けて、3日目。トゥーラはジルドが言った通りあれから1度も現れることはなかったし、他のメイドや執事だって部屋に来ることはなかった。時々食事は出来たから気がつかないうちにジルドとは何かしらコンタクトをとっていたのかもしれないけどそこは深く考えたくない。ああくそ、マジで部屋から出たくない。トゥーラたちの顔を見たくない。梅に至っては怖すぎる。
それでも、そんなこと言い続ける訳にはいかないから嫌々起きることにする。べったりとくっついて離れなかった奴は既に起きていたらしい。ベッドの隣は空だった。物音がしたほうを見れば眩しい光。
「もう起きたのか。おはよう」
「……はよ、で……え?」
太陽を背に立っていたジルドが一瞬誰だか分らなくて呆けてしまう。ポニーテールにして腰まで届かんばかりの髪がなくなってショートカットになっている。ちょっと不揃いだしゴミ箱に入ってる赤い髪をみるにきっと自分で切ったんだろう。
髪、と言いかけてむせてしまえばお茶が差し出された。ミントティーだ。有難く受け取って一息。乾いた喉がすうっと潤っていく。
「ありがとう」
「どういたしまして」
空になったカップが奪われて近くに見えた瞳。あ、と後ろに身を引いたけれど間に合わなくてそのままキスされてしまう。軋むベッドの音。背中に回された手が素肌を撫でて蘇るのは過ごした長い時間。
『俺の化け物』
仮にも愛しているなんてことを想う相手に随分なことを言ったジルドはまったく優しくなかった。私の男たちが優しいと評した理由を思い知らされた今となってはジルドの一挙一動を見逃せない。
『必死に声を押さえているところ悪いが、俺はそのほうがそそる』
『愛している』
『もう一度』
『許してというのなら……ああ、そうだな』
非常に嫌なことにいつだったかレオルドが言った見逃すという言葉の意味さえ分かってしまった。キスなら自分からする分には抵抗なかったのに……っ。
間近に見える幸せそうな面をどうしたら元に戻せるか考えながら腕を抓ってやる。自分はズボンを穿いたくせに私は裸のまま放置したうえ飽きもせず触ってくるなんていい身分……いや、服着せられてても嫌だけど。
「あなたは今どんな顔をしているのか分かっているか?」
「そういうアナタこそ人に見せられないような顔してますけど」
「あなたは人じゃなくて化け物なんだろう?それに俺はあなたにしか見せていないんだ、別に問題はない」
「だから……」
溜め息吐けば額がぶつかり合って目に星が飛んでしまう。それなのにジルドはこれでさえなんの効果もないらしい。ずっと表情が緩んだままでもう勝てる気がしない。
「勇者が魔物というのなら勇者の子である俺はやはり魔物で化け物なんだろう」
「……?」
「化け物同士、一緒に生きていかないか?俺はあなたの片割れになりたい」
片割れ。リーシェになってからよく聞くようになった言葉が最近本当に重くてしょうがない。これからを考えるともう見て見ぬふり出来ないことで、片割れにと考える相手さえ出来てしまった以上、もう、ソウイウ相手は増やしたくない。
キスしようとしてきた唇に手を置いて拒否する。魔力がないからって投げやりに受け入れてしまうのもキスだから別にいいやって思うのももう止めにしよう……じゃないと身体が持たない。
まさかこんなことで悩む日が来るとは思わなかったと落ち込む私と同じようにジルドはジルドで拒否られたことに落ち込んでいるようだ。かといって魔力も十分にあるいま恋人ごっこをするつもりはないし諦めてもらう他ないだろう。
「少なくとも身体の相性は良かったようだが」
「なっ……ん」
手が掴まれて否定の言葉さえ奪われる。けれどキスは触れるだけのもので、微かなリップ音を残してゆっくり離れていった。行動が読めない。次に何を言い出すのか分からなくて恐る恐る目を開ければやっぱり茶色の瞳がじっと私を見ていて。
ジルドは静かに続ける。
「それに魔力補給が理由だとしても相手は選ぶものだろう?ましてあなたは力がある。望みがあると思ってしまうのは間違いか?」
「……メリットの話はどうなったんでしょうね」
片割れの候補にいれるメリットを言ったのはジルド自身だ。それなのにどうやって強くなれたのかまだ聞いてない。不満に睨めば茶色の瞳が逸れていった。まさか嘘だったのかと思ったけどどうやら違うようだ。
「……魔力の補給は俺にとって大きな課題だった。勇者の子供だがこの髪だ。多くの女が怖がって逃げていく」
「それはなんとも……」
「だから魔法を使わずに魔物を倒せるようになるのが最初に目指したことだ」
それってかなり難しいんじゃ?
第一ステップでつまずきそうなことを言ってるジルドに正気かと思ってしまうけどこれも嘘ではないらしい。魔法がない世界だったらジルドはこの世界で1番強いかもしれない。対峙したことを考えてみて、止めておく。できるだけ敵対関係になりたくないところだ。
「それが普通に出来るようになった頃には補給も出来るようになったが、そもそも俺はそんなに魔力を持っていなかったからな。小さな火の魔法を1つ使うたび補給が必要なんて効率が悪すぎた」
「言ってること最悪だけど理解は出来る」
確かに魔法1つでセックスなんて大分効率が悪い。だけどセックスを完全に魔力補給としか考えていないことにちょっと困ってしまう。それならあの鬱陶しいまでのひっつきようはなんだったんだ。片割れになりたいとかなんか言ってたけど別にセックスなんて必要なかったんじゃないか?
頬を緩めるジルドを睨んでもまるで効果はない。それどころかまたキスしてきて、今度は探るように入ってきた舌がべろりと舐めてくる。
「だから俺は補給のたびに奪うことにしたんだ」
「奪う?」
「ああ。魔力が無いなら持っている奴から奪えばいい。幸い相手には困らなかったからな」
「……それならジルドは寝た相手の魔力を奪えたから魔力が上がった?」
「そうだ……そうだと思っていたんだけどな。自信がなくなった」
「?」
「あなたには奪うというより全て渡してしまいたくてそうしたはずなんだが……今、俺は満たされている。あなたもだろう?」
ゾクリとする低い声。抱き締めてくる手は一体なんだろう。シーツを握る手がジルドの身体に触れて怯えてしまうのは何故だろう。もう魔力は十分にあって頭もグラグラおかしなことにはなっていない。それなのになんで響く心臓の音に動揺してしまう。
「あなたが俺に魔力をくれたときはおかしくなりそうだった。全てを渡したいと思う女性が口づけを介して自分の魔力をくれたんだ。俺は魔力が満ちるだけじゃなく奪ったときよりも力がついたような気さえしてる」
「……気のせいでは?」
「思うんだが大分素になってるんじゃないか?」
「え?」
「あなたの言動だ。リーシェもいいが今のあなたの言動も好きだ」
わざわざここでもリーシェと分けるジルドに内心焦るけど顔に出さずにすんだようだ。睨み続けていたらジルドは優しいことに流してくれた。
「……きっとあなたはその体質状、魔力が飢えるより満たされるほうが辛いんだろう。だが一度満たされて落ち着いたあなたは自分を取り戻したようになった」
確かに魔力が枯渇しかけるたび思考はネガティブになっていたし、ジルドの言葉を借りれば補給が終わったあとは普段の私になれる。ジルドのキスを拒否できるぐらいには常識を取り戻せるしどうでもいいことで悩みはしない。
でもさっきから少しずつズレていく話に頭が混乱し始めている。私とジルドが似てるって話を信じるならきっとジルドは今なにか考えていて私を追い詰めようとしているはずだ。ジルドがずっとこだわっているのは片割れのこと。それを考えればもう話は止めて離れたほうがいい。そのはずなのに。
「今のあなたは魔力に飢えてもいないし酔ってもいない」
「んっ、っ」
「それなら」
抱き締められた身体は動かなくて終わらないキスからも逃げられない。昨日みたいに髪を引っ張って止めろと言いたいのに手は宙を掴むだけ。
「この口づけはあなたにとってどういうものになるだろう。魔力の補給でもなく快楽に流されたわけでもない……この口づけを、あなたは受け入れてくれる」
都合よく話す唇に手を置けばすぐに手は捕まってキスされて、ああもう振り出しだ。
「望まない相手をあなたのような人が受け入れる訳がないだろう?」
確信を持つ余裕の声だ。まあ確かに、私を犯そうとした奴らは勿論進藤とか翔太なんて奴らも自分の身削ってまで助けようとは思わないし、魔力交換なんて想像するだけで吐きそうだ。どうしても魔力が必要なときでもキスさえしようと思わないだろう。そんなことするより魔法使って勝手に魔力奪うわ。
そう考えれば確かにジルド達は受け入れることの出来る相手になるんだけど、ただ、だからといって片割れとなると話は別だ。
「受け入れてるってのはそうかもだけど、私はそのうえでメリットのある相手を選んでるから」
好きだとか片割れとかそういうのなくなればいいのに。
そしたらなんにも気負わずに過ごすことが出来る。
「そうだな、そうだった」
大人ぶって微笑むジルドはなにを考えてるのか「あなたの男たちを笑えない」とよく分からないことを言って私の頭を撫でてくる。急に年相応になるのは止めてほしい。片割れのことで戸惑う私が馬鹿みたいだ。
飽きずにキスしようとしてくるジルドを押しのけながら自分の部屋に帰りたいと考えて──あれ?おかしい。いつもならこんなことを考えた時点で現れるようになった真っ黒な道が出てこない。最近出てくるのが当たり前になってたけどあれって何か条件があったんだろうか。
「あの、そろそろ離れてくれませんかね。それとあの場所の探索に出たいんですけど」
「……ああそうだな」
「手を、離してくれませんかね?」
「……」
じっと顔を覗き込んでくるジルドは何か考えてるようだ。考えるのは結構だけどこの体勢で1人の世界に入るのはやめてほしい。
溜息に俯いて、もう一度文句を言おうと顔を上げたところで視界の端に黒く轟くものが見える。黒い道だ。ジルドも気がついて目を瞬かせたあと黒い道を観察し始める。そのまま思いついたとばかりに攻撃しかねないからさっさと道を使って帰ろう。油断していたジルドを押し離してベッドからおりる。
「リーシェ」
手が握られて振り返れば落ちていくシーツを見つけた。そういえば服を着ていなかったことを思い出してシーツに手を伸ばすけどその手も捕まってしまう。向かい合って両手を握り合ってるなんて変な感じだ。ジルドは笑う。
「俺をあなたの片割れにしてほしい」
「……そうですか」
立ち上がるジルドはどんな魔法を使ったんだろう。私の身体の周りに臙脂色の布のようなものが現れたかと思うと、次の瞬間に私は臙脂色のワンピースを着ていた。創作魔法だろうか?便利な魔法に感心していたらキスされて、ああ、頭がくらくらする。
「探索は明日に行こう」
「え」
「流石に仕事を終わらせないと無理だ」
微笑むジルドはそういえば忙しいお方だった。それなら許可だけくれれば私たちで行くと提案してみたけど即却下される。歴史を辿るときには重宝するなと思ったけどこういう場合には足枷になってしまうのか……。
それなら今日は何をしよう。
そんなことを思いながら黒い道の中に入って微笑むジルドに背を向ける。そして辿り着いた誰もいない部屋に妙に安心してしまう。机にあるラシュラルの花が太陽の光を浴びてキラキラ輝いていた。
「やっと戻って来たか」
肩の力が抜けたたった数秒を想いながら振り返る。非難の声を出したオーズは私を見て眉を寄せたあと、予想だにしないことを言う。
「イメラが待ってる」
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