ある少年少女達のお話

くるみんと

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いつもの日常

いつもの日常(1)

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いつかの夢

子供の頃の夢

あの頃は嫌な記憶しかない

でもその中でひとしきり輝く一つの星があった

その星は私の…私にとって…

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「……うーん…何かが引っかかるんだよなぁ…」

私の名前は水野 愛理みずの あいり
ここんところずっと悩んでいる、ごく普通の女の子。

「…ダメだ。何かに邪魔されてるのか何も思い出せない」

実は、私には小さい頃の記憶がほとんどない
何故なのだろう。普通なら多少なりともあるはずなのに。
そして、最近何やら私の記憶にない夢のようなものを見るようになった。
記憶にないのに何故か懐かしくて、それでいて悲しいような、寂しいような感じがした
でも本当に見覚えがないし何も覚えてない。
それでふと気になって昔のことを思い出そうと思った。
そしたらなんと
何も覚えてないじゃありませんか…
私の記憶はいつの間にかここに住んでいたということからしか覚えていない。
怪しい…何か事件の香りがする…

「……ま、そんなこと考えてても仕方ないか。覚えてないものは覚えてないんだし」

そうやって切り替える。
いつもわからないものはわからないと割り切って考えないようにするのが私。
でもこれだけは本当に引っかかる。

『なぜ、私には小さい頃の記憶がないのか。』

これから私はこの謎を抱えたまま生活するんだろうなぁ…


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「さぁて、今日は何をしよっかな~」

「昨日は魔導書何冊かを丸一日使って読んだし…」

この世界には魔法が存在する。
なんなら能力も存在する。

魔法は魔力を使って炎や水を出したりするやつ。
能力は限られた人にしかないけど、1人一つだけ持ってるもの。

例えば…

「……そういえばあのバカ、ちゃんと睡眠取ってるよね…?ちょっと心配だからあいつの家に行ってくるかぁ…」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「蜜夜~?家入るよ~?」

森の中にぽつんと佇んでいるログハウス的な家がある。
そこに私は返事も待たずにガチャリと玄関の扉を開けて入る。

「……はーほんっとにこいつは…」

リビングで机に突っ伏して寝てるフードの被った男の子がいる。

彼の名前は闇凪 蜜夜やみな みつよ
彼が能力を持ってる人のうちの1人。
普段はフードを被ってて表情がわかりづらいクールっぽいのが彼の特徴。

「このっ…こいつっ…起きろおおおおおお!!!!!!」

「ゔっ…っるせぇ…とっくに起きてるんだが……」

私の大きな声に反応してゆっくりと起きあがる。

「…お前なぁ…」

「なぁんだ、起きてたのか…なら寝なさい」

「起こしたのは誰だよ…」

「え?私」

「ほんっとにお前なぁ…」

こんなやりとりをほぼ毎回やってる気がする。
確かに起こしちゃったのは悪いと思ってる、思ってるけど…

「だって蜜夜ってばいっつも顔色悪そうなんだもん」

「それは仕方ねぇだろ…俺の知らねぇ毒を見つけたんだからよ…」

「こんっっっの毒マニアが」

「そういう能力持ってんだから仕方ねぇだろ」

蜜夜の能力は「毒を操る能力」
自然界にある毒から人が作った毒とかも操れるらしい。
この蜜夜の家には瓶の置いてある棚がいっぱいある。
その瓶の中にはひとつひとつ種類分けした毒が入っている。

「…あれ?また瓶増えた?」

「…あぁ、さっきも言った通り新しい種類のやつ見つけたから増えたんだよ」

「はーこの…一応確認だけど、徹夜したんじゃないでしょうね?」

過去にこいt…蜜夜は徹夜が原因で倒れたことがあるから一応確認する。

「…っう」

図星らしい、全くこの男は…

「…ちなみに何徹目?」

「…ま、まだ1日目だから大丈夫だ」

「んー……本当っぽいから許す」

こんなやりとりも毎回してる気がする。
無理矢理にでも休ませないと蜜夜は休憩しないと思う。
私が言えたことでもないと思うけど。

「ん~…私手伝おうか?種類多いし管理大変でしょ?」

「……いらん。お前に任せるとろくなことにならん」

「そんなこと言って~、本当は助手とか欲しいんでしょ~?」

「…別にいい。そもそもお前は……いや、なんでもない」

何かを言おうとしたけどなんでもないと言う。
そういえば…
最近の蜜夜は私の話になると少し曖昧にしようとする。
それに何か私に隠してるような雰囲気さえ感じる。
一体何を隠そうとしてるんだろう…

「何?お前は?なんて?」

ちょっとからかい気味に言いながら蜜夜に近づく

「るっさい忘れろ近寄んな」

「え~いいじゃん減るもんじゃないしさ~」

「俺の気力が減る」

「はいはい、っと」

そう言われて私は蜜夜と距離をとる。
蜜夜って少しからかいがいがあるから面白い。

「……あ、待って」

「…あ?なんだよ」

「やばい、今日やることあるの忘れてた…!」

「…お前ってやつは…」

そういえば今日はある人と約束してたことがあるのを忘れていた。
そのことを思い出して急に顔が青ざめる

「今何時?!」

「…もうすぐで昼だぞ」

「やっっっっば!まずい遅刻する!!!」

「…早く行ってこい」

「行ってきまーす!」

慌てて蜜夜の家を出ようとする

「…あ、おい待て」

「何?!今急いでるんだけど!」

「これ持ってけ」

蜜夜が何かを私の方に投げてきた。
私はそれを慌ててキャッチする。

「護身用だ。何かあったら思いっきり地面に投げて割れ」

それは丸いガラスの中に紫色の液体が入っていた。
まぁ要するに毒みたい。

「これなんの毒…?」

「トリカブト」

「あー神経毒ね、って私も殺す気か!」

「お前は状態異常系統効かねぇだろ」

「そうだけど!!!!!とりあえず時間ないから行ってくる!」

「無茶だけはすんなよ~」

「あんたに言われたかないよ!」

そう言いながら私は走って家を出た。
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