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第5部
光の余波
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西門での激闘を経て、第一騎士団に合流したエリナは、鈍い腕の痺れを感じていた。
騎士が何人もかかって堅い皮膚を斬りつけて、ようやく大型のバルモランを仕留めたが、その後ろには中型や小型の魔獣がまだ群れをなしている。
終わりの見えない状況がさらに疲労を蓄積させていた。
それは他の騎士たちも同じだった。
通常の討伐ならばローテーションを組んで休憩を取るようにしているのだが、これほどの魔獣の数と、王都の中――民家と住民が至近距離にある――という状況が、それを許さなかった。
踏み出そうとした足がふらりと揺れる。
体勢を崩しかけたエリナに、
「エリナ! 後ろに下がれ!」
それを見逃さなかったロイの声がかかる。
「冗談!」
女だからって侮るんじゃない、とエリナは心の中で吐き捨てる。
自分めがけて飛びかかってくる魔獣を見ながら剣の柄を握りなおした時、魔獣が口を開けて牙を剥いたまま、エリナの足元にズドンと落ちた。
魔獣に剣を突きつけながらエリナは辺りを見回す。
周りの魔獣たちもみな動きを止め、地に這いつくばり、瘴気の黒い靄を体から発していた。小型の魔獣はそのまま靄となって消えていった。
エリナだけでなく、団長のロイも騎士たちもまた、この状況を理解できずに固まっていた。
魔獣が鎮まり、剣を振るう手が止まって、ようやく騎士たちの耳に美しい歌声が届いた。
流れる水は 澄みわたり
影は祈りに 溶けてゆく……
「……歌だ」
誰にともなく、そう呟いた声が震えていた。
疲労困憊だった体から、痛みや疲れが抜けていった。
見上げた空からは、優しい光の粒が尾を引きながら降っていた。
そして、人々は悟った。
その光を生み出しているのが愛し子の浄化の歌だということを。建物で姿は見えないが、愛し子が王都の危機を救いに来てくれたに違いないと。
「ああ……」
助かった、峠を越えた、いろいろな思いがこみ上げて、言葉にならなかった。
疲弊した体と心を、歌が光となって癒やしていた。
カレンのいる第十小隊、エドたち第四小隊、商業ギルドを拠点に救護支援にあたっていた者たち、路地のあちこちで戦っていた騎士たち。すべての者に歌と光の粒が届いていた。
魔獣との闘いで負った傷が、焼けるように痛んでいたはずなのに、今はただ心地よい温かさに包まれていた。
痛みも、疲労も、目の前まで迫っていた魔獣への恐怖も、光に溶けて流れ出ていくようだった。
空から降る淡い光が、甲冑を、血に汚れた剣を、疲弊した肩を静かに撫でていく。
魔獣は消え、あるいは戦意を失い、もはや刃を向けてこない。
「女神よ、精霊よ、愛し子様よ……」
人々は今の今まで命を顧みずに戦っていたからこそ、その優しさが泣きたいくらいに身に染みて、立ち尽くしていた。
中央統括神殿の大聖堂では、運び込まれるけが人が最高潮に達していた。
オルドジフがけがの程度で処置を決めている。
小さなロザーリエも大人に混じって手伝っていた。
本当はもうとっくに夕食を終えて湯浴みをしている時間なのだが、不平不満を言わずに手伝っている姿を見ると、フォルシウスは魔力が切れるまで癒し続けようと思った。
だが、これほど怪我人が増え、その中には重傷を負った騎士の姿を見ると、魔獣が外でどれだけ暴れているのか思い知らされた。
クランツは大丈夫だろうか。
フォルシウスは、おそらく戦況の一番厳しいところにいるだろうクランツのことが心配だった。
近くにいれば、クランツが傷を負ってもすぐに癒してやれるのに。
どうか、無事で。
クランツの無事を祈るフォルシウスの前に、ほわりと光の粒が舞い降りた。
顔を上げると、高い天井のナイトストーンの星空から、いくつもの光の粒が流れ星のように降っていた。
「わー」
「きれいー」
子供が手を伸ばしてジャンプをしながら光の粒を捕まえようとする。
「グルンドライスト様、これは……」
強固な結界と防御の魔法陣で守られているはずの大聖堂に降る光を見て、神官たちが何事かとグルンドライストのもとに集まってきた。
「傷が……」
グルンドライストの姿を見ていたオルドジフは、運ばれてきた男の呟きを聞いた。
服の間から見えていた腕の傷が、見る間に塞がっていく。
同じ現象はあちこちで見られた。
重傷者はすぐに完治、というわけにはいかなかったが、程度の軽い怪我はすでに傷口が見えなくなるほどになっていた。
「おお……なんという福音」
光の粒を見たグルンドライストは指を組んだ。
「グルンドライスト様?」
「この大聖堂は、結界を張ることで悪しきものは弾くが、結界を張っていても精霊の力は取り込むことができる。きっと、これはナオ様の浄化の光、この国の希望の光だ。……さぞ美しいお歌を歌われたのじゃろうなぁ」
女神を崇めるのと同じ目で、グルンドライストは天井を見上げる。
白く長い髭が小さく震えていた。
その姿を見て、フォルシウスは決意した。
手を握っていた負傷者の顔色がよくなっているのを確認して、立ち上がる。
「兄上、癒し手としての仕事はナオ様のおかげで目途が立ちました。私はこれから騎士としてナオ様、いえ愛し子様をお護りしたいと思います」
「だが、まだ外は危険だ」
オルドジフは渋い顔をしたが、その後ろから、
「お母さま、行ってちょうだい。ナオさまとお父さまを、まもって」
ロザーリエがフォルシウスに駆け寄る。
「ロザーリエ」
「リィ、おじさまとここで待ってる。だから、お父さまといっしょに迎えにきてね」
自分と同じブルーグレイの髪と瞳をしているが、面立ちと性格はクランツによく似ているロザーリエを、フォルシウスは抱きしめる。
「ロザーリエは父と母の誇りだよ。必ずお父さまと一緒に迎えに来るからね」
「リィも、大きくなったら騎士になって、ナオ様をおまもりする」
瞳を輝かせるロザーリエの後ろで、
「だが……」
まだ渋っているオルドジフに、白い騎士服の男が歩み寄る。
「そんなに心配なら、私がお供します」
「ファセット!」
かつて神殿騎士だった頃の同僚の登場に、フォルシウスは目を見開く。
「もしまだ魔獣がいるのなら、私も神殿騎士として戦います」
「私たちも、だろ?」
ファセットに続いて四人の神殿騎士が集まってきた。
「ルブタン、マイヤー、エペ、ガスケ。一緒に来てくれるのなら心強いが……」
フォルシウスはいまだに自分に対して過保護の嫌いのある兄を見た。
オルドジフはいかつい顔でため息を吐いた。
「わかった。弟を頼むぞ」
オルドジフの言葉に、ファセットたちは力強くうなずいた。
※※※※※※※※※※※※※※※※
感想、エール、いいね、ありがとうございます。(。uωu))ペコリ
最強寒波到来中です。寒中見舞い申し上げます。
職場の私のデスク周辺は暖かい空気が集まっていて、勤務中頭がボーっとします。
来たばかりなので、換気していいですか、が言えない日々……。
騎士が何人もかかって堅い皮膚を斬りつけて、ようやく大型のバルモランを仕留めたが、その後ろには中型や小型の魔獣がまだ群れをなしている。
終わりの見えない状況がさらに疲労を蓄積させていた。
それは他の騎士たちも同じだった。
通常の討伐ならばローテーションを組んで休憩を取るようにしているのだが、これほどの魔獣の数と、王都の中――民家と住民が至近距離にある――という状況が、それを許さなかった。
踏み出そうとした足がふらりと揺れる。
体勢を崩しかけたエリナに、
「エリナ! 後ろに下がれ!」
それを見逃さなかったロイの声がかかる。
「冗談!」
女だからって侮るんじゃない、とエリナは心の中で吐き捨てる。
自分めがけて飛びかかってくる魔獣を見ながら剣の柄を握りなおした時、魔獣が口を開けて牙を剥いたまま、エリナの足元にズドンと落ちた。
魔獣に剣を突きつけながらエリナは辺りを見回す。
周りの魔獣たちもみな動きを止め、地に這いつくばり、瘴気の黒い靄を体から発していた。小型の魔獣はそのまま靄となって消えていった。
エリナだけでなく、団長のロイも騎士たちもまた、この状況を理解できずに固まっていた。
魔獣が鎮まり、剣を振るう手が止まって、ようやく騎士たちの耳に美しい歌声が届いた。
流れる水は 澄みわたり
影は祈りに 溶けてゆく……
「……歌だ」
誰にともなく、そう呟いた声が震えていた。
疲労困憊だった体から、痛みや疲れが抜けていった。
見上げた空からは、優しい光の粒が尾を引きながら降っていた。
そして、人々は悟った。
その光を生み出しているのが愛し子の浄化の歌だということを。建物で姿は見えないが、愛し子が王都の危機を救いに来てくれたに違いないと。
「ああ……」
助かった、峠を越えた、いろいろな思いがこみ上げて、言葉にならなかった。
疲弊した体と心を、歌が光となって癒やしていた。
カレンのいる第十小隊、エドたち第四小隊、商業ギルドを拠点に救護支援にあたっていた者たち、路地のあちこちで戦っていた騎士たち。すべての者に歌と光の粒が届いていた。
魔獣との闘いで負った傷が、焼けるように痛んでいたはずなのに、今はただ心地よい温かさに包まれていた。
痛みも、疲労も、目の前まで迫っていた魔獣への恐怖も、光に溶けて流れ出ていくようだった。
空から降る淡い光が、甲冑を、血に汚れた剣を、疲弊した肩を静かに撫でていく。
魔獣は消え、あるいは戦意を失い、もはや刃を向けてこない。
「女神よ、精霊よ、愛し子様よ……」
人々は今の今まで命を顧みずに戦っていたからこそ、その優しさが泣きたいくらいに身に染みて、立ち尽くしていた。
中央統括神殿の大聖堂では、運び込まれるけが人が最高潮に達していた。
オルドジフがけがの程度で処置を決めている。
小さなロザーリエも大人に混じって手伝っていた。
本当はもうとっくに夕食を終えて湯浴みをしている時間なのだが、不平不満を言わずに手伝っている姿を見ると、フォルシウスは魔力が切れるまで癒し続けようと思った。
だが、これほど怪我人が増え、その中には重傷を負った騎士の姿を見ると、魔獣が外でどれだけ暴れているのか思い知らされた。
クランツは大丈夫だろうか。
フォルシウスは、おそらく戦況の一番厳しいところにいるだろうクランツのことが心配だった。
近くにいれば、クランツが傷を負ってもすぐに癒してやれるのに。
どうか、無事で。
クランツの無事を祈るフォルシウスの前に、ほわりと光の粒が舞い降りた。
顔を上げると、高い天井のナイトストーンの星空から、いくつもの光の粒が流れ星のように降っていた。
「わー」
「きれいー」
子供が手を伸ばしてジャンプをしながら光の粒を捕まえようとする。
「グルンドライスト様、これは……」
強固な結界と防御の魔法陣で守られているはずの大聖堂に降る光を見て、神官たちが何事かとグルンドライストのもとに集まってきた。
「傷が……」
グルンドライストの姿を見ていたオルドジフは、運ばれてきた男の呟きを聞いた。
服の間から見えていた腕の傷が、見る間に塞がっていく。
同じ現象はあちこちで見られた。
重傷者はすぐに完治、というわけにはいかなかったが、程度の軽い怪我はすでに傷口が見えなくなるほどになっていた。
「おお……なんという福音」
光の粒を見たグルンドライストは指を組んだ。
「グルンドライスト様?」
「この大聖堂は、結界を張ることで悪しきものは弾くが、結界を張っていても精霊の力は取り込むことができる。きっと、これはナオ様の浄化の光、この国の希望の光だ。……さぞ美しいお歌を歌われたのじゃろうなぁ」
女神を崇めるのと同じ目で、グルンドライストは天井を見上げる。
白く長い髭が小さく震えていた。
その姿を見て、フォルシウスは決意した。
手を握っていた負傷者の顔色がよくなっているのを確認して、立ち上がる。
「兄上、癒し手としての仕事はナオ様のおかげで目途が立ちました。私はこれから騎士としてナオ様、いえ愛し子様をお護りしたいと思います」
「だが、まだ外は危険だ」
オルドジフは渋い顔をしたが、その後ろから、
「お母さま、行ってちょうだい。ナオさまとお父さまを、まもって」
ロザーリエがフォルシウスに駆け寄る。
「ロザーリエ」
「リィ、おじさまとここで待ってる。だから、お父さまといっしょに迎えにきてね」
自分と同じブルーグレイの髪と瞳をしているが、面立ちと性格はクランツによく似ているロザーリエを、フォルシウスは抱きしめる。
「ロザーリエは父と母の誇りだよ。必ずお父さまと一緒に迎えに来るからね」
「リィも、大きくなったら騎士になって、ナオ様をおまもりする」
瞳を輝かせるロザーリエの後ろで、
「だが……」
まだ渋っているオルドジフに、白い騎士服の男が歩み寄る。
「そんなに心配なら、私がお供します」
「ファセット!」
かつて神殿騎士だった頃の同僚の登場に、フォルシウスは目を見開く。
「もしまだ魔獣がいるのなら、私も神殿騎士として戦います」
「私たちも、だろ?」
ファセットに続いて四人の神殿騎士が集まってきた。
「ルブタン、マイヤー、エペ、ガスケ。一緒に来てくれるのなら心強いが……」
フォルシウスはいまだに自分に対して過保護の嫌いのある兄を見た。
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「わかった。弟を頼むぞ」
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