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第3部
いやだって言っていいんだよ
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「アシェルナオ、どうした」
アシェルナオの泣き声が聞こえて、着替えもそこそこにシーグフリードが戻ってきた。
「それが、お話の途中で急に」
おろおろしながらレンカが答える。
「なんでもないです…うぅっ…大丈夫です。失恋みたいなものです。胸がっ…痛んで涙が出るけど、ぼくのっ…心が成長してる途中なんです」
ずっと側にいてほしいという自分の気持ちを改めて知ったアシェルナオだったが、けれどそれは我儘だから、テュコのこれからの人生のためにテュコを解放しないといけない。けれど、そうしないといけないと思うだけでアシェルナオの心が痛んだ。
それは、好きな人の幸せのために身を引くしかない、切ない失恋のようなものだった。
「アシェルナオ……ラル以外に好きな人がいたのかい?」
失恋という言葉に衝撃を受けるシーグフリード。
「たとえです、兄様……。僕、頑張ります」
言葉は前向きだが、その顔は涙に濡れて悲壮感に満ちていた。
「無理に頑張らなくてもいいんだよ。涙が出るのは心が悲鳴をあげているからなんだ。心が悲鳴をあげているあいだは、アシェルナオは無理して頑張らずに、心に寄り添ってあげるといい」
「悲鳴をあげてる……」
アシェルナオは涙を手で拭いながら呟く。
「ああ。だから急に答えを出さなくてもいいんだ。心が納得するまでは、いやだって言っていいんだよ」
「……いいんですか?」
「ああ。いいとも」
シーグフリードに言われると、アシェルナオの心が少し軽くなった。
「ありがとうございます、兄様。ちょっと元気が出ました」
「よかった。じゃあ食事にしよう。こっちにおいで」
シーグフリードは部屋の一角にある重厚なテーブルにアシェルナオをエスコートする。
その上にはアシェルナオの好きなものが少しずつたくさん並べられていた。
椅子を引かれ、座るアシェルナオだが、
「兄様、僕こんな格好でごめんなさい」
食事のための服装に着替えたシーグフリードに比べ、入浴後にすずんでいたラフな服のアシェルナオは今さらしゅんとした。
「アシェルナオは何を着ていても可愛いよ。それよりも、泣いた分水分をとって、たくさん食べるんだよ」
「はい。がんばります。いただきます」
お祈りをして食事に手を伸ばすアシェルナオは、少しずつ盛られた料理を頑張って食べていたが、その合間に思い出したように涙がこぼれていた。
シーグフリードはそれを見なかったふりをして、アシェルナオに楽しい話題を提供していた。
主のいないアシェルナオの部屋のホールでは、テュコとアイナ、ドリーンが所在なげに椅子に座っていた。
「アイナ、ドリーン。今夜はナオ様はお戻りにならない。下がって休むといい」
心ここにあらずで、テュコが義務的に言った。
「テュコ様こそ」
「そんな気にならないんだ。それに、もしかして戻って来られるかもしれない。その時にすぐに出迎えなかったらナオ様が寂しく思われる」
そうあって欲しいと願いながらテュコが言うと、
「私たちもそうです」
「ナオ様がいないと魂が抜けてみたいです」
アイナとドリーンもそう言いって、3人は顔を見合わせ、ため息を吐く。
「婚約式の衣装の打ち合わせをして、ランニングしたまでは楽しそうだった。チームナオのスウェットを作ろうって、はしゃいでおられた」
「私とドリーンもチームナオのスウェットがほしいです。女性ははしたないかしら…」
「ナオ様はそんなふうに思う方ではないです」
アイナの心配をドリーンが否定する。
「ナオ様は考え方が自由で、型にはまった見方をしない。誰にも同じ目線で話されるし、なんでも自分のことのように考えてくださる」
「ええ。だから私たちはナオ様が大好きです。ずっと、ずっとお側でナオ様のお世話をしていたい」
「約束しましたもの。ずっと一緒だと」
「ナオ様も、覚えてくださってる……だろうか」
テュコは少しだけ自信がなくなっていた。
「どうしたんです? 異様な空気になっていますが」
扉を開けて入室してきたブロームが怪訝な顔をする。
ホールの隅で、暗い雰囲気で身を寄せ合うテュコたちからも異様な空気を感じたブロームだったが、物理的にも室内の空気に異様さを感じとっていた。
「ブローム先生、おかえりなさいませ」
「今日は遅いお帰りでしたね」
立ち上がるアイナとドリーンを手で制しながら、ブロームは3人のいるホールの片隅に歩を進める。
「何か感じますか?」
ブロームが椅子に座るのを待って、テュコが問うと、
「何かあったのでしょう? 先にそれを教えてもらえますか?」
逆にブロームが投げかける。
テュコは午前中に婚約式の衣装の打ち合わせをしたこと。アルテアンが作ったスウェットを着てストレッチとランニングをしたこと。そのあとで突然アシェルナオの姿が見えなくなり肝を冷やしたこと。許可を得ずに1人で星の離宮に転移してしまっていたこと。今までアシェルナオが心配させることや黙ってどこかに行くことがなかったため、心配して馬車寄せでずっと待っていたが、帰ってくるなりシーグフリードの部屋に泊まりに行ったこと。それらを手短に話した。
「なるほど。知らないうちにナオ様に異変があったのですね」
「何があったのか、さっぱりわからないんです。わからないんですが、ナオ様に避けられてるような感じがして」
こんなことは初めてで、テュコは嫌な胸騒ぎがした。
「私たちも、何かナオ様の不興をかったのではないかと心配で」
「心配で……」
アイナとドリーンも顔を曇らせる。
「テュコたちには怒っていないようです」
ブロームが安心させるように告げるが、表情は思わしくなかった。
「私たちには? ほかのことに怒ってるんですか? ナオ様が?」
「いえ、精霊です。騒いでおられる。だから室内の空気があまりよくない。というより怒りを感じます。テュコたちがそれを感じないのは、精霊たちがテュコたちに怒りを向けていないからです」
「精霊たちは何を怒っているのでしょう」
精霊が怒るようなことがあったと言うことで、テュコは食い気味に尋ねる。
「わかりません。私には精霊の声は聞こえません」
残念そうにブロームは肩をすくめた。
アシェルナオの泣き声が聞こえて、着替えもそこそこにシーグフリードが戻ってきた。
「それが、お話の途中で急に」
おろおろしながらレンカが答える。
「なんでもないです…うぅっ…大丈夫です。失恋みたいなものです。胸がっ…痛んで涙が出るけど、ぼくのっ…心が成長してる途中なんです」
ずっと側にいてほしいという自分の気持ちを改めて知ったアシェルナオだったが、けれどそれは我儘だから、テュコのこれからの人生のためにテュコを解放しないといけない。けれど、そうしないといけないと思うだけでアシェルナオの心が痛んだ。
それは、好きな人の幸せのために身を引くしかない、切ない失恋のようなものだった。
「アシェルナオ……ラル以外に好きな人がいたのかい?」
失恋という言葉に衝撃を受けるシーグフリード。
「たとえです、兄様……。僕、頑張ります」
言葉は前向きだが、その顔は涙に濡れて悲壮感に満ちていた。
「無理に頑張らなくてもいいんだよ。涙が出るのは心が悲鳴をあげているからなんだ。心が悲鳴をあげているあいだは、アシェルナオは無理して頑張らずに、心に寄り添ってあげるといい」
「悲鳴をあげてる……」
アシェルナオは涙を手で拭いながら呟く。
「ああ。だから急に答えを出さなくてもいいんだ。心が納得するまでは、いやだって言っていいんだよ」
「……いいんですか?」
「ああ。いいとも」
シーグフリードに言われると、アシェルナオの心が少し軽くなった。
「ありがとうございます、兄様。ちょっと元気が出ました」
「よかった。じゃあ食事にしよう。こっちにおいで」
シーグフリードは部屋の一角にある重厚なテーブルにアシェルナオをエスコートする。
その上にはアシェルナオの好きなものが少しずつたくさん並べられていた。
椅子を引かれ、座るアシェルナオだが、
「兄様、僕こんな格好でごめんなさい」
食事のための服装に着替えたシーグフリードに比べ、入浴後にすずんでいたラフな服のアシェルナオは今さらしゅんとした。
「アシェルナオは何を着ていても可愛いよ。それよりも、泣いた分水分をとって、たくさん食べるんだよ」
「はい。がんばります。いただきます」
お祈りをして食事に手を伸ばすアシェルナオは、少しずつ盛られた料理を頑張って食べていたが、その合間に思い出したように涙がこぼれていた。
シーグフリードはそれを見なかったふりをして、アシェルナオに楽しい話題を提供していた。
主のいないアシェルナオの部屋のホールでは、テュコとアイナ、ドリーンが所在なげに椅子に座っていた。
「アイナ、ドリーン。今夜はナオ様はお戻りにならない。下がって休むといい」
心ここにあらずで、テュコが義務的に言った。
「テュコ様こそ」
「そんな気にならないんだ。それに、もしかして戻って来られるかもしれない。その時にすぐに出迎えなかったらナオ様が寂しく思われる」
そうあって欲しいと願いながらテュコが言うと、
「私たちもそうです」
「ナオ様がいないと魂が抜けてみたいです」
アイナとドリーンもそう言いって、3人は顔を見合わせ、ため息を吐く。
「婚約式の衣装の打ち合わせをして、ランニングしたまでは楽しそうだった。チームナオのスウェットを作ろうって、はしゃいでおられた」
「私とドリーンもチームナオのスウェットがほしいです。女性ははしたないかしら…」
「ナオ様はそんなふうに思う方ではないです」
アイナの心配をドリーンが否定する。
「ナオ様は考え方が自由で、型にはまった見方をしない。誰にも同じ目線で話されるし、なんでも自分のことのように考えてくださる」
「ええ。だから私たちはナオ様が大好きです。ずっと、ずっとお側でナオ様のお世話をしていたい」
「約束しましたもの。ずっと一緒だと」
「ナオ様も、覚えてくださってる……だろうか」
テュコは少しだけ自信がなくなっていた。
「どうしたんです? 異様な空気になっていますが」
扉を開けて入室してきたブロームが怪訝な顔をする。
ホールの隅で、暗い雰囲気で身を寄せ合うテュコたちからも異様な空気を感じたブロームだったが、物理的にも室内の空気に異様さを感じとっていた。
「ブローム先生、おかえりなさいませ」
「今日は遅いお帰りでしたね」
立ち上がるアイナとドリーンを手で制しながら、ブロームは3人のいるホールの片隅に歩を進める。
「何か感じますか?」
ブロームが椅子に座るのを待って、テュコが問うと、
「何かあったのでしょう? 先にそれを教えてもらえますか?」
逆にブロームが投げかける。
テュコは午前中に婚約式の衣装の打ち合わせをしたこと。アルテアンが作ったスウェットを着てストレッチとランニングをしたこと。そのあとで突然アシェルナオの姿が見えなくなり肝を冷やしたこと。許可を得ずに1人で星の離宮に転移してしまっていたこと。今までアシェルナオが心配させることや黙ってどこかに行くことがなかったため、心配して馬車寄せでずっと待っていたが、帰ってくるなりシーグフリードの部屋に泊まりに行ったこと。それらを手短に話した。
「なるほど。知らないうちにナオ様に異変があったのですね」
「何があったのか、さっぱりわからないんです。わからないんですが、ナオ様に避けられてるような感じがして」
こんなことは初めてで、テュコは嫌な胸騒ぎがした。
「私たちも、何かナオ様の不興をかったのではないかと心配で」
「心配で……」
アイナとドリーンも顔を曇らせる。
「テュコたちには怒っていないようです」
ブロームが安心させるように告げるが、表情は思わしくなかった。
「私たちには? ほかのことに怒ってるんですか? ナオ様が?」
「いえ、精霊です。騒いでおられる。だから室内の空気があまりよくない。というより怒りを感じます。テュコたちがそれを感じないのは、精霊たちがテュコたちに怒りを向けていないからです」
「精霊たちは何を怒っているのでしょう」
精霊が怒るようなことがあったと言うことで、テュコは食い気味に尋ねる。
「わかりません。私には精霊の声は聞こえません」
残念そうにブロームは肩をすくめた。
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