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第5部
はい、喜んで。
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アシェルナオの居室の1階ホール。そこに置かれたピアノの前にはブロームが座っていた。少しだけ緊張した空気を纏って、その指が鍵盤を叩く。
流れるような穏やかな和音がゆったりと情緒を帯びて旋律を紡ぎ出すと、それを心地よさそうに聴きながら、一拍の間をおいてアシェルナオのヴァイオリンが寄り添うようにピアノの旋律を追いかける。
ヴァイオリンの美しい調べは、まるで波が砂浜に寄せては返すような、柔らかで自然なリズムで空間に心に響く波紋を描いていく。ピアノとヴァイオリンの音色は重なり合いながら、いくつもの流れがひとつの優美な川へと繋がっていくようだった。
ヴァイオリンを弾くアシェルナオの立ち姿は、まるで朝露を宿した百合の花のように清らかに凛々しく、そこから心をひきつける美しい音色とともに心に届く感動を与えていた。
もっと聴いていたいと願うアシェルナオとブロームのカノンの演奏は、深い余韻を残して幕を閉じた。
「とても素敵な演奏だったわ」
その場にいる者が立ち上がって拍手を送り、パウラも惜しみない拍手と感想をアシェルナオとブロームに贈った。
「これは素晴らしい。素晴らしいものを鑑賞させてもらいました」
ショトラも拍手をしながら、満足げな顔で賞賛する。
経過観察が必要なアシェルナオに付き添ってエルランデル公爵家に来ていたショトラが明日エンロートに帰ることになり、アシェルナオの居室のホールで形式ばらないパーティーが催されていた。
そこで披露した、ショトラへの感謝の気持ちを演奏に乗せたアシェルナオとブロームによる余興は十分にショトラに届いていたが、それだけではなくその場にいるベルンハルドやローセボーム、オリヴェル、オルドジフ、シーグフリードたちにも感動をもたらしていた。
「今の曲はナオ様のいらした世界の曲です。ナオ様が楽譜に書き起こしてくださったので私も演奏の誉に預かっています」
弾き終わったブロームも満足できる演奏に興奮している。
「ナオは才能の塊だな」
ヴァレリラルドも拍手しながらアシェルナオに近づくと、その頬に唇を寄せる。
「僕が作曲したわけじゃないよ? 前の世界ですごく好きだった曲で、先生に聴いてもらったら先生も気に入ってくれて、譜面に起こしただけだよ? 今の演奏も先生のリードがよかったからだよ? 僕は最近練習してなかったからヒヤヒヤだった」
それでもヴァレリラルドに褒められたことが嬉しくて、アシェルナオは相好を崩す。
「殿下に抱えられて古城に帰還されたときは衰弱が激しくて心配しましたが、ナオ様の回復には目を瞠りましたよ」
一番の褒美は患者の元気な姿だと思っているショトラに、アシェルナオは笑顔を見せる。
「先生と、少しずつの食事を根気よくお世話してくれたヴァルや母様たちのおかげだよ。テュコもアイナもドリーンもね。みんな、ありがとう」
アシェルナオはぺこりと頭をさげる。
「ナオ様の頑張りがあったからこそですよ。……ナオ様には配してくれる多くの者がいます。それを胸に刻んで、決して無茶をしてはなりませんよ」
「はーい」
アシェルナオは素直な返事を返す。
「明日からは学園に通うのでしたね。学園の方は受け入れ態勢はできているんですか?」
ショトラはピアノの前から戻ってきたブロームに尋ねる。
「学園は従来も生徒の安全のために対策を講じていましたが、ナオ様が王太子殿下の婚約者として発表されましたから数日前から学園内に騎士を配備しています。ナオ様が登園されるのにあわせて、明日からは騎士を増員する予定です」
「先生、あんまり大ごとにならないようにしてね」
他の生徒に迷惑がかかるのではないかと、アシェルナオは心配になった。
「ナオ様が困るような事態にするのは本末転倒ですからね。学園から浮くような配置にはならないように配慮しますよ」
「未来の王太子妃に護衛もつけないのでは粗末に扱っていると言われかねないからな。多少は我慢してくれ」
ベルンハルドに言われて、そんなものかとアシェルナオは納得した。
「用心するのに越したことはないよ、ナオ。ナオに危険が及ぶことがみんな心配なんだ。私もナオにはいつも元気で笑っていてほしい」
ヴァレリラルドはアシェルナオをぎゅっと抱きしめる。
「心配かけないようにする」
「ありがとう、ナオ。……愛する私の婚約者様。私と踊っていただけますか?」
ヴァレリラルドに手を差し出されて、
「はい、喜んで」
手を差し出すアシェルナオの愛らしい微笑みに見惚れながら、ヴァレリラルドはブロームへと視線を送る。
「ナオと踊れる曲を、お願いできるか?」
「もちろんです」
快諾したブロームがピアノの前に移動し、鍵盤に指を置くと、軽やかで心浮き立つ旋律が空間を満たした。
ホールの中央に移動したアシェルナオはヴァレリラルドのリードに身を任せてステップを踏む。
軽やかで優雅なステップを踏むごとに長い上衣がふわりと広がり、まるで森の木洩れ陽の中で舞う蝶のようだった。楽しそうに踊るアシェルナオが背中に羽が生えているような鮮やかなターンをすると、ヴァレリラルドの胸に引き寄せられる。
見つめ合い、微笑みを交わしながら楽しげに踊る二人の姿に、人々の胸にはこみ上げるものがあった。ああ、アシェルナオは本当に帰ってきたのだと、胸の奥がじんと熱くなり、誰もが静かにその幸せをかみしめていた。
「さきほどは耳が至福でしたが、今度は眼福ですなぁ」
しみじみとローセボームが呟く。
「というか、暇ですか?」
幸せを噛みしめてはいるが、面白くはないテュコの八つ当たりの矛先がローセボームに向かった。
「暇ではないぞ。だがみつ様の件があったからな。ナオのことは国王の執務の優先順位第一位に格上げした。ナオのことなら真っ先に国王である私が駆けつける。当然今夜のナオの快気祝いもだ」
胸を張って答えたのはベルンハルドだった。
「そして私は陛下の行くところなら、面倒くさい……よほどのことでない限り同伴するのが役目」
「面倒くさいところにも同行してもらうとも」
乾いた笑みを浮かべて穏やかなに睨みあうベルンハルドとローセボームを見て、
「将来私とラルもこんな感じになるのだろうか」
シーグフリードが誰にも聞こえないように呟いた。
アシェルナオが王太子妃の婚約者と発表されたことで、学園への送迎にキナクが加わった。
アシェルナオとの2人だけの送迎にお邪魔虫が加わってテュコとしては面白くなかったが、キナクは鼻息を荒くして喜びにうち震えていた。
「やったぁぁぁぁぁっ! 今日から私もアシェルナオ様を送迎できるぅっ! テュコ殿とともに、このキナク、命を賭してでもアシェルナオ様をお護りします!」
「朝から暑苦しい。久しぶりに登園されるナオ様の負担になる」
「テュコ殿に叱られて嬉しい……」
テュコの指摘にもキナクは小さく歓喜した。
だがアシェルナオは緊張した様子で2人のやり取りを見ていた。
キナクのおかげで賑やかな馬車は、やがて学園の門をくぐり、生徒の送迎用の馬車寄せに到着した。
「アシェルナオ!」
まだ馬車の扉が開く前から、スヴェンが大きな声をあげる。
その周りにはハルネス、トシュテン、クラースの姿もあった。
「スヴェン、トシュ、ハルル、クラくん!」
久しぶりの学園は楽しみだったが、久しぶりすぎて緊張していたアシェルナオは、学友たちの顔を見てほっとした。
「アシェルナオ、元気そうでよかった」
「ばかだなぁ、クラース。元気じゃなかったら来れないだろう」
「そういうトシュだってすごく心配してたじゃないか」
「待ってたよ、アシェルナオ」
わいわいと言い合っている学友の輪の中に、ぴょんとアシェルナオが突入する。
「会いたかったーっ」
浄化を終えて、エンロートでの怒涛の数日と安静を終えて、やっと普通の学生として学友と過ごせることに喜びを爆発させた。
「僕もだよ」
「俺も」
「私も」
「ああ、待ってたよ」
抱き合って喜びあう少年たちに、テュコもキナクも微笑ましい目で見ている。
「頼むぞ、スヴェン」
テュコの声掛けに、スヴェンはしっかりと頷いて見せた。
ヘルクヴィスト領城の、領主の居住区の通路で、ハハトは窓から見える空を見上げていた。
シアンハウスは晴れた日が多く、ヘルクヴィスト領はどんよりとした曇り空が多い。
空と同じようにハハトの心も曇っていた。
思えば17年前から、愛し子が王太子を庇って消えた日から、晴れたことはなかった。
そして今、ハハトの心はいつにも増して暗くて重いものがくぐもっていた。
※※※※※※※※※※※※※※※※
感想、エール、いいね、ありがとうございます。
お気づきの方もいるかもしれませんが、ナオの拉致の一件でまだ説明していないものがあります。いつかどこかで入れたいと思います。
AI校正のβテストに採用されました。実際にAI校正をしてみて、誤字のチェックができるありがたさを実感。でも、まだ期間は残っているのですが、使えなくなってしまいました……。100,000文字までだと……。全体の10パーセントも校正できなかった……。
流れるような穏やかな和音がゆったりと情緒を帯びて旋律を紡ぎ出すと、それを心地よさそうに聴きながら、一拍の間をおいてアシェルナオのヴァイオリンが寄り添うようにピアノの旋律を追いかける。
ヴァイオリンの美しい調べは、まるで波が砂浜に寄せては返すような、柔らかで自然なリズムで空間に心に響く波紋を描いていく。ピアノとヴァイオリンの音色は重なり合いながら、いくつもの流れがひとつの優美な川へと繋がっていくようだった。
ヴァイオリンを弾くアシェルナオの立ち姿は、まるで朝露を宿した百合の花のように清らかに凛々しく、そこから心をひきつける美しい音色とともに心に届く感動を与えていた。
もっと聴いていたいと願うアシェルナオとブロームのカノンの演奏は、深い余韻を残して幕を閉じた。
「とても素敵な演奏だったわ」
その場にいる者が立ち上がって拍手を送り、パウラも惜しみない拍手と感想をアシェルナオとブロームに贈った。
「これは素晴らしい。素晴らしいものを鑑賞させてもらいました」
ショトラも拍手をしながら、満足げな顔で賞賛する。
経過観察が必要なアシェルナオに付き添ってエルランデル公爵家に来ていたショトラが明日エンロートに帰ることになり、アシェルナオの居室のホールで形式ばらないパーティーが催されていた。
そこで披露した、ショトラへの感謝の気持ちを演奏に乗せたアシェルナオとブロームによる余興は十分にショトラに届いていたが、それだけではなくその場にいるベルンハルドやローセボーム、オリヴェル、オルドジフ、シーグフリードたちにも感動をもたらしていた。
「今の曲はナオ様のいらした世界の曲です。ナオ様が楽譜に書き起こしてくださったので私も演奏の誉に預かっています」
弾き終わったブロームも満足できる演奏に興奮している。
「ナオは才能の塊だな」
ヴァレリラルドも拍手しながらアシェルナオに近づくと、その頬に唇を寄せる。
「僕が作曲したわけじゃないよ? 前の世界ですごく好きだった曲で、先生に聴いてもらったら先生も気に入ってくれて、譜面に起こしただけだよ? 今の演奏も先生のリードがよかったからだよ? 僕は最近練習してなかったからヒヤヒヤだった」
それでもヴァレリラルドに褒められたことが嬉しくて、アシェルナオは相好を崩す。
「殿下に抱えられて古城に帰還されたときは衰弱が激しくて心配しましたが、ナオ様の回復には目を瞠りましたよ」
一番の褒美は患者の元気な姿だと思っているショトラに、アシェルナオは笑顔を見せる。
「先生と、少しずつの食事を根気よくお世話してくれたヴァルや母様たちのおかげだよ。テュコもアイナもドリーンもね。みんな、ありがとう」
アシェルナオはぺこりと頭をさげる。
「ナオ様の頑張りがあったからこそですよ。……ナオ様には配してくれる多くの者がいます。それを胸に刻んで、決して無茶をしてはなりませんよ」
「はーい」
アシェルナオは素直な返事を返す。
「明日からは学園に通うのでしたね。学園の方は受け入れ態勢はできているんですか?」
ショトラはピアノの前から戻ってきたブロームに尋ねる。
「学園は従来も生徒の安全のために対策を講じていましたが、ナオ様が王太子殿下の婚約者として発表されましたから数日前から学園内に騎士を配備しています。ナオ様が登園されるのにあわせて、明日からは騎士を増員する予定です」
「先生、あんまり大ごとにならないようにしてね」
他の生徒に迷惑がかかるのではないかと、アシェルナオは心配になった。
「ナオ様が困るような事態にするのは本末転倒ですからね。学園から浮くような配置にはならないように配慮しますよ」
「未来の王太子妃に護衛もつけないのでは粗末に扱っていると言われかねないからな。多少は我慢してくれ」
ベルンハルドに言われて、そんなものかとアシェルナオは納得した。
「用心するのに越したことはないよ、ナオ。ナオに危険が及ぶことがみんな心配なんだ。私もナオにはいつも元気で笑っていてほしい」
ヴァレリラルドはアシェルナオをぎゅっと抱きしめる。
「心配かけないようにする」
「ありがとう、ナオ。……愛する私の婚約者様。私と踊っていただけますか?」
ヴァレリラルドに手を差し出されて、
「はい、喜んで」
手を差し出すアシェルナオの愛らしい微笑みに見惚れながら、ヴァレリラルドはブロームへと視線を送る。
「ナオと踊れる曲を、お願いできるか?」
「もちろんです」
快諾したブロームがピアノの前に移動し、鍵盤に指を置くと、軽やかで心浮き立つ旋律が空間を満たした。
ホールの中央に移動したアシェルナオはヴァレリラルドのリードに身を任せてステップを踏む。
軽やかで優雅なステップを踏むごとに長い上衣がふわりと広がり、まるで森の木洩れ陽の中で舞う蝶のようだった。楽しそうに踊るアシェルナオが背中に羽が生えているような鮮やかなターンをすると、ヴァレリラルドの胸に引き寄せられる。
見つめ合い、微笑みを交わしながら楽しげに踊る二人の姿に、人々の胸にはこみ上げるものがあった。ああ、アシェルナオは本当に帰ってきたのだと、胸の奥がじんと熱くなり、誰もが静かにその幸せをかみしめていた。
「さきほどは耳が至福でしたが、今度は眼福ですなぁ」
しみじみとローセボームが呟く。
「というか、暇ですか?」
幸せを噛みしめてはいるが、面白くはないテュコの八つ当たりの矛先がローセボームに向かった。
「暇ではないぞ。だがみつ様の件があったからな。ナオのことは国王の執務の優先順位第一位に格上げした。ナオのことなら真っ先に国王である私が駆けつける。当然今夜のナオの快気祝いもだ」
胸を張って答えたのはベルンハルドだった。
「そして私は陛下の行くところなら、面倒くさい……よほどのことでない限り同伴するのが役目」
「面倒くさいところにも同行してもらうとも」
乾いた笑みを浮かべて穏やかなに睨みあうベルンハルドとローセボームを見て、
「将来私とラルもこんな感じになるのだろうか」
シーグフリードが誰にも聞こえないように呟いた。
アシェルナオが王太子妃の婚約者と発表されたことで、学園への送迎にキナクが加わった。
アシェルナオとの2人だけの送迎にお邪魔虫が加わってテュコとしては面白くなかったが、キナクは鼻息を荒くして喜びにうち震えていた。
「やったぁぁぁぁぁっ! 今日から私もアシェルナオ様を送迎できるぅっ! テュコ殿とともに、このキナク、命を賭してでもアシェルナオ様をお護りします!」
「朝から暑苦しい。久しぶりに登園されるナオ様の負担になる」
「テュコ殿に叱られて嬉しい……」
テュコの指摘にもキナクは小さく歓喜した。
だがアシェルナオは緊張した様子で2人のやり取りを見ていた。
キナクのおかげで賑やかな馬車は、やがて学園の門をくぐり、生徒の送迎用の馬車寄せに到着した。
「アシェルナオ!」
まだ馬車の扉が開く前から、スヴェンが大きな声をあげる。
その周りにはハルネス、トシュテン、クラースの姿もあった。
「スヴェン、トシュ、ハルル、クラくん!」
久しぶりの学園は楽しみだったが、久しぶりすぎて緊張していたアシェルナオは、学友たちの顔を見てほっとした。
「アシェルナオ、元気そうでよかった」
「ばかだなぁ、クラース。元気じゃなかったら来れないだろう」
「そういうトシュだってすごく心配してたじゃないか」
「待ってたよ、アシェルナオ」
わいわいと言い合っている学友の輪の中に、ぴょんとアシェルナオが突入する。
「会いたかったーっ」
浄化を終えて、エンロートでの怒涛の数日と安静を終えて、やっと普通の学生として学友と過ごせることに喜びを爆発させた。
「僕もだよ」
「俺も」
「私も」
「ああ、待ってたよ」
抱き合って喜びあう少年たちに、テュコもキナクも微笑ましい目で見ている。
「頼むぞ、スヴェン」
テュコの声掛けに、スヴェンはしっかりと頷いて見せた。
ヘルクヴィスト領城の、領主の居住区の通路で、ハハトは窓から見える空を見上げていた。
シアンハウスは晴れた日が多く、ヘルクヴィスト領はどんよりとした曇り空が多い。
空と同じようにハハトの心も曇っていた。
思えば17年前から、愛し子が王太子を庇って消えた日から、晴れたことはなかった。
そして今、ハハトの心はいつにも増して暗くて重いものがくぐもっていた。
※※※※※※※※※※※※※※※※
感想、エール、いいね、ありがとうございます。
お気づきの方もいるかもしれませんが、ナオの拉致の一件でまだ説明していないものがあります。いつかどこかで入れたいと思います。
AI校正のβテストに採用されました。実際にAI校正をしてみて、誤字のチェックができるありがたさを実感。でも、まだ期間は残っているのですが、使えなくなってしまいました……。100,000文字までだと……。全体の10パーセントも校正できなかった……。
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