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国のことは国王に任せておきましょう
結界 1
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「おや、あれはレティシア様ですね」
ヘルムートの声で空を見上げれば、一色で染め抜いたような青空の中に浮かび上がる若草色の龍。その体は徐々に大きさを増し、城のバルコニーへと近寄っていった。
「直接執務室へと降り立つなんて、何かあったのかしら」
「気になりますか?」
「そうね。でも、レティシア様はわたくしに用があればこちらへ来られるわ。もうしばらく……いいかしら」
ベルンハルトとの距離が縮もうとも、庭でヘルムートの淹れるお茶を飲む時間は無くならなかった。ベルンハルトの気持ちや、ロイスナーの事情がわからずに相談するような必要はなくなったが、このひと時を無くすことができなかった。
「私は構いませんよ。奥様がどこに居ようとも、それを止める権利はございませんから」
「よく言うわ。何度も追い返されたのに」
夏の日差しが少々きつくても、雪や討伐の待ち受ける冬に比べ、ロイスナーにとっては平和な時間が流れる。リーゼロッテもベルンハルトと夫婦として様々な話をすることができ、穏やかな時を過ごしていた。
「それにしても、この時期にレティシア様がお見えになるのは珍しいですね」
「そうなの?」
「そもそも、これまでレティシア様が城に来られることは少なかったのですよ。奥様とご結婚されるまでは、討伐の前後に数回。それぐらいだったかと思います」
リーゼロッテがロイスナーに来てからはレティシアの姿を城内で見かけることも多く、ヘルムートの話が信じられなくもあった。
だが、やはりそれは結婚相手であるリーゼロッテを牽制しようとしていたのかもしれない。ただしレティシアの言う『龍族の相手』がいるのであれば、今更その必要はない。
それならば、今日の訪問は一体、何のためだろうか。
「わたくし、やはり一度執務室へお伺いします」
「かしこまりました。お茶は、またいつでもご用意いたしますから」
「ありがとうございます」
ヘルムートの淹れてくれたお茶に後ろ髪をひかれながらも、リーゼロッテは軽く頭を下げると執務室へと向かって歩き出した。
「ベルンハルト様。失礼しても、よろしいでしょうか?」
「リ、リーゼロッテ? 何かあったのか?」
執務室の扉の前で、部屋の中へと声をかければ、少し慌てたような声が返ってくる。
「レティシアがいらっしゃっているようでしたので、ご挨拶に参りました」
「リーゼロッテ。わざわざありがとう。さぁ、入って」
ベルンハルトの返事よりも早く、扉を開けてくれたのはレティシアだ。いつもと何ひとつ変わらない様子のレティシアに、リーゼロッテは安堵の息を吐く。
「失礼、いたします」
招き入れられたリーゼロッテを見ながら、一瞬硬直したような様子を見せたのはベルンハルトだ。
「リーゼロッテ。せっかく会いに来てくれたのに、私ももうそろそろ戻らないといけなくて。時間がなくてごめんなさい」
「そうでしたの。レティシア様がお見えになったのが庭から見えて、何かあったのかと。お急ぎのところ申し訳ありません」
時間がない中で、ベルンハルトに伝えなければならないことがあったということか。やはり、執務室にまで押しかけるべきではなかった。貴族らしくない自分の失態に、思わず下を向いた。
「気にする必要ないわ。私が直接ベルンハルトのところへ乗り込んで来れば、気になるのも仕方ないもの。そんなリーゼロッテも可愛らしい」
図星を突かれた恥ずかしさと、レティシアの整った顔に見つめられた照れくささで、リーゼロッテの顔に熱が上がる。
人間の姿をしている時のレティシアは、女性のリーゼロッテから見ても魅力的で、妖艶で。直視することが躊躇われる。
そんなレティシアがベルンハルトの元へと向かったとなれば、気にならないわけがない。ヘルムートと共に庭に居続けようとしたが、我慢できなくなった。
「す、すいません」
「いいえ。私こそごめんなさいね。ちょっと焦っていたみたい。私らしくないわ」
「そんなこと、ないです」
小さな声で呟くリーゼロッテの手を取り、レティシアが応接セットの椅子へと通してくれる。
「私はね、ベルンハルトに今の山の状況を伝えに来たの」
「山?」
「えぇ。山といっても、シュレンタットの国境の外になるから、直接関係があるとは言い難いけど」
「そんなことはない」
執務室の奥にいたはずのベルンハルトもいつの間にか側に寄ってきて、レティシアの話に口を挟む。レティシアが話を始めたことで、リーゼロッテにも打ち明ける覚悟が決まったらしい。
「そう? 結界の外のことだもの。国王はどう判断するかしら」
国王というのは、やはりバルタザールのことだろうか。突然聞かされる家族の話に、リーゼロッテの体が見る見るうちに固まっていく。
「国外のこととはいえ、冬の討伐対象に影響があるのであれば、無視することなどできはしない」
「魔獣ですか?」
「もしかしたらね、今年は冬を待たずに魔獣の討伐に向かう必要があるかもしれないの」
「討伐……それは、この間のような危険はないのですか?」
ベルンハルトやレティシアが大けがを負った討伐は、まだつい最近のことのようで、あんな思いはもうたくさんだった。
「それは、約束できないわ。いつだって、対面するまでわからないから」
倒すべき相手もわからないまま、その場へと向かっていた二人。それも、リーゼロッテに心配をかけまいと笑顔で出発していた。
ベルンハルトに課された仕事がどれだけ過酷なものだったかを、リーゼロッテは改めて知った。
「そんなことに、レティシア様はなぜ……」
「それは、前にも話したわ」
『命尽きるまで』そう話してくれたレティシアの顔を忘れることなんてできない。たった一人への想いの為に、その体が傷つくことも、もしかしたら命を投げ出すことも覚悟してるのかもしれない。
レティシアの想いの前に、リーゼロッテはもう何も言えなかった。
そんな想いを知ってもなお、ベルンハルトへの気持ちを抑えることはできないし、今更手放すことなんてできない。
「リーゼロッテが気に病む必要ないわ。私もただ盲目的にロイエンタールに尽くしてるわけじゃないもの。ちゃんと龍族にとって利益があること、長として考えるべきことを考えた結果よ」
「ほんとう、ですか?」
レティシアの言葉を受けてなお、不安そうな顔をするリーゼロッテに、レティシアは更に言葉を続ける。
「本当よ。リーゼにも何をお願いしようかしらね」
ヘルムートの声で空を見上げれば、一色で染め抜いたような青空の中に浮かび上がる若草色の龍。その体は徐々に大きさを増し、城のバルコニーへと近寄っていった。
「直接執務室へと降り立つなんて、何かあったのかしら」
「気になりますか?」
「そうね。でも、レティシア様はわたくしに用があればこちらへ来られるわ。もうしばらく……いいかしら」
ベルンハルトとの距離が縮もうとも、庭でヘルムートの淹れるお茶を飲む時間は無くならなかった。ベルンハルトの気持ちや、ロイスナーの事情がわからずに相談するような必要はなくなったが、このひと時を無くすことができなかった。
「私は構いませんよ。奥様がどこに居ようとも、それを止める権利はございませんから」
「よく言うわ。何度も追い返されたのに」
夏の日差しが少々きつくても、雪や討伐の待ち受ける冬に比べ、ロイスナーにとっては平和な時間が流れる。リーゼロッテもベルンハルトと夫婦として様々な話をすることができ、穏やかな時を過ごしていた。
「それにしても、この時期にレティシア様がお見えになるのは珍しいですね」
「そうなの?」
「そもそも、これまでレティシア様が城に来られることは少なかったのですよ。奥様とご結婚されるまでは、討伐の前後に数回。それぐらいだったかと思います」
リーゼロッテがロイスナーに来てからはレティシアの姿を城内で見かけることも多く、ヘルムートの話が信じられなくもあった。
だが、やはりそれは結婚相手であるリーゼロッテを牽制しようとしていたのかもしれない。ただしレティシアの言う『龍族の相手』がいるのであれば、今更その必要はない。
それならば、今日の訪問は一体、何のためだろうか。
「わたくし、やはり一度執務室へお伺いします」
「かしこまりました。お茶は、またいつでもご用意いたしますから」
「ありがとうございます」
ヘルムートの淹れてくれたお茶に後ろ髪をひかれながらも、リーゼロッテは軽く頭を下げると執務室へと向かって歩き出した。
「ベルンハルト様。失礼しても、よろしいでしょうか?」
「リ、リーゼロッテ? 何かあったのか?」
執務室の扉の前で、部屋の中へと声をかければ、少し慌てたような声が返ってくる。
「レティシアがいらっしゃっているようでしたので、ご挨拶に参りました」
「リーゼロッテ。わざわざありがとう。さぁ、入って」
ベルンハルトの返事よりも早く、扉を開けてくれたのはレティシアだ。いつもと何ひとつ変わらない様子のレティシアに、リーゼロッテは安堵の息を吐く。
「失礼、いたします」
招き入れられたリーゼロッテを見ながら、一瞬硬直したような様子を見せたのはベルンハルトだ。
「リーゼロッテ。せっかく会いに来てくれたのに、私ももうそろそろ戻らないといけなくて。時間がなくてごめんなさい」
「そうでしたの。レティシア様がお見えになったのが庭から見えて、何かあったのかと。お急ぎのところ申し訳ありません」
時間がない中で、ベルンハルトに伝えなければならないことがあったということか。やはり、執務室にまで押しかけるべきではなかった。貴族らしくない自分の失態に、思わず下を向いた。
「気にする必要ないわ。私が直接ベルンハルトのところへ乗り込んで来れば、気になるのも仕方ないもの。そんなリーゼロッテも可愛らしい」
図星を突かれた恥ずかしさと、レティシアの整った顔に見つめられた照れくささで、リーゼロッテの顔に熱が上がる。
人間の姿をしている時のレティシアは、女性のリーゼロッテから見ても魅力的で、妖艶で。直視することが躊躇われる。
そんなレティシアがベルンハルトの元へと向かったとなれば、気にならないわけがない。ヘルムートと共に庭に居続けようとしたが、我慢できなくなった。
「す、すいません」
「いいえ。私こそごめんなさいね。ちょっと焦っていたみたい。私らしくないわ」
「そんなこと、ないです」
小さな声で呟くリーゼロッテの手を取り、レティシアが応接セットの椅子へと通してくれる。
「私はね、ベルンハルトに今の山の状況を伝えに来たの」
「山?」
「えぇ。山といっても、シュレンタットの国境の外になるから、直接関係があるとは言い難いけど」
「そんなことはない」
執務室の奥にいたはずのベルンハルトもいつの間にか側に寄ってきて、レティシアの話に口を挟む。レティシアが話を始めたことで、リーゼロッテにも打ち明ける覚悟が決まったらしい。
「そう? 結界の外のことだもの。国王はどう判断するかしら」
国王というのは、やはりバルタザールのことだろうか。突然聞かされる家族の話に、リーゼロッテの体が見る見るうちに固まっていく。
「国外のこととはいえ、冬の討伐対象に影響があるのであれば、無視することなどできはしない」
「魔獣ですか?」
「もしかしたらね、今年は冬を待たずに魔獣の討伐に向かう必要があるかもしれないの」
「討伐……それは、この間のような危険はないのですか?」
ベルンハルトやレティシアが大けがを負った討伐は、まだつい最近のことのようで、あんな思いはもうたくさんだった。
「それは、約束できないわ。いつだって、対面するまでわからないから」
倒すべき相手もわからないまま、その場へと向かっていた二人。それも、リーゼロッテに心配をかけまいと笑顔で出発していた。
ベルンハルトに課された仕事がどれだけ過酷なものだったかを、リーゼロッテは改めて知った。
「そんなことに、レティシア様はなぜ……」
「それは、前にも話したわ」
『命尽きるまで』そう話してくれたレティシアの顔を忘れることなんてできない。たった一人への想いの為に、その体が傷つくことも、もしかしたら命を投げ出すことも覚悟してるのかもしれない。
レティシアの想いの前に、リーゼロッテはもう何も言えなかった。
そんな想いを知ってもなお、ベルンハルトへの気持ちを抑えることはできないし、今更手放すことなんてできない。
「リーゼロッテが気に病む必要ないわ。私もただ盲目的にロイエンタールに尽くしてるわけじゃないもの。ちゃんと龍族にとって利益があること、長として考えるべきことを考えた結果よ」
「ほんとう、ですか?」
レティシアの言葉を受けてなお、不安そうな顔をするリーゼロッテに、レティシアは更に言葉を続ける。
「本当よ。リーゼにも何をお願いしようかしらね」
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