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別れと再会
ジュビエールの行い
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「そのようなこと、できるわけがなかろう?」
「私が捕らえたのか、其方が捕らえたのか、誰にもわからぬ。其方がリーベガルドを捕らえた。そう言えば良いだけだ。」
「私がコーゼ王を捕らえただと?!そんなもの、誰が信じるか!」
「信じようが信じまいが、それで通すしかなかろう?」
ようやく城から出て、城門に控えていたジュビエールの部下に三人を引き渡す。
これで、私の役目は終わりだ。まもなく日も暮れる。フェリスを連れてすぐに出発するべきか、もう一日ここで夜を明かすべきか。
「其方はどこへ行く?」
「私はカミュートへ戻る。だが、都には行かぬ。」
「それならば、私もそこへ行く。」
「はぁ?!其方は何を言っておる!」
この三人を連れて、カミュート王の元へ行くのだろう?それが役目ではないか。
「このまま其方を見逃しては、私は王に叱責を受けるだろう。この者達は部下に任せて、私は其方と行くぞ。」
ジュビエールは一体、何を考えておるのだ。リーベガルドを捕らえたと、そう言って手柄を受け取れば良いだけだ。あの場には私とジュビエール以外誰もいなかった。文句を言う者などおらぬ。
「手柄はいらぬと言っておる。其方が全て受け取ろうとも、文句は言わぬ。誓っても良い。」
「いや、手柄はきちんと其方が受け取るべきだ。私の身には余る。」
不毛な言い合いが続く。このようなことをしてる場合ではない。早く、サポナ村へ戻らねば。
「もうどうでも良い。私は一度城内へ戻る。その後はすぐにでも出発する。」
これ以上、ジュビエールにつきまとわれては身動きが取れぬ。フェリスを連れ、すぐに発とう。
私の言葉を聞いて、ジュビエールがイヤな笑いを作った。
「お前たち、よく聞け!コーゼ王リーベガルドを捕らえたのは、ここにいるアイシュタルトだ。彼にはまだやるべきことがあるらしい。私もこれからそれに同行する。その三人を連れ、カミュートに戻れ。やるべきことが終われば、アイシュタルトを連れて必ず王の前に行く。そう、王に伝えよ。」
城門の兵に向かって、ジュビエールが叫んだ。
「ジュビエール!其方何ということをしてくれた!これでは私は王の前に行かねばならぬ。」
「行けば良いだろう?やるべきことを終わらせて、その後共に行くからな。」
ジュビエールのせいで、周りの兵が私を見る視線が変わる。何者かと怪しむような視線に、尊敬や羨望、そのようなものが混じる。
そのような視線はいらぬ。さらに何もできなくなるではないか。私が次に何をするのか、気に留めて欲しくはなかった。
この中を、フェリスを連れて行くのか。
「あぁ!ジュビエール、其方余計なことをしてくれた。同行するのは其方だけだ!他は誰も許さぬ。」
私が剣を構えようとする態度に、怯んだ兵を置き去りにして、城内へと戻る。足早に進んでいく後ろを、ジュビエールが追いかけてきた。
「城の中に何があるのだ?もう、王は連れ出したではないか。」
「黙ってついて来い。私がやることに文句を言うのであれば、その場でその命散らしてやる。」
「わ、わかった。だが、私の名を好きに使ったのは其方であろう?おあいこだとは思わぬか?」
「どこがだ!これほどまでの迷惑はかけておらぬ。」
私は客室へとたどり着くと、数日前と同じようにフェリスを呼んだ。
「アイシュタルト様。お戻りになられたのですねっ……」
私の前に姿を見せたフェリスが、ジュビエールを見て息を呑む。
「フェリス様。この者は決して貴女を捕らえに来たわけではありません。クリュスエント様の所に向かう道中の護衛です。ご安心ください。」
「ご、護衛?」
フェリスがジュビエールを疑うのも無理はない。フェリスの移動にだけ護衛とは。
「クリュスエント様との約束の日まで、後二日しかございません。申し訳ございませんが、事情は道中でお伝え致します。」
優先すべきは姫との約束。後二日で、サポナ村へと戻らねばならぬ。
「私が捕らえたのか、其方が捕らえたのか、誰にもわからぬ。其方がリーベガルドを捕らえた。そう言えば良いだけだ。」
「私がコーゼ王を捕らえただと?!そんなもの、誰が信じるか!」
「信じようが信じまいが、それで通すしかなかろう?」
ようやく城から出て、城門に控えていたジュビエールの部下に三人を引き渡す。
これで、私の役目は終わりだ。まもなく日も暮れる。フェリスを連れてすぐに出発するべきか、もう一日ここで夜を明かすべきか。
「其方はどこへ行く?」
「私はカミュートへ戻る。だが、都には行かぬ。」
「それならば、私もそこへ行く。」
「はぁ?!其方は何を言っておる!」
この三人を連れて、カミュート王の元へ行くのだろう?それが役目ではないか。
「このまま其方を見逃しては、私は王に叱責を受けるだろう。この者達は部下に任せて、私は其方と行くぞ。」
ジュビエールは一体、何を考えておるのだ。リーベガルドを捕らえたと、そう言って手柄を受け取れば良いだけだ。あの場には私とジュビエール以外誰もいなかった。文句を言う者などおらぬ。
「手柄はいらぬと言っておる。其方が全て受け取ろうとも、文句は言わぬ。誓っても良い。」
「いや、手柄はきちんと其方が受け取るべきだ。私の身には余る。」
不毛な言い合いが続く。このようなことをしてる場合ではない。早く、サポナ村へ戻らねば。
「もうどうでも良い。私は一度城内へ戻る。その後はすぐにでも出発する。」
これ以上、ジュビエールにつきまとわれては身動きが取れぬ。フェリスを連れ、すぐに発とう。
私の言葉を聞いて、ジュビエールがイヤな笑いを作った。
「お前たち、よく聞け!コーゼ王リーベガルドを捕らえたのは、ここにいるアイシュタルトだ。彼にはまだやるべきことがあるらしい。私もこれからそれに同行する。その三人を連れ、カミュートに戻れ。やるべきことが終われば、アイシュタルトを連れて必ず王の前に行く。そう、王に伝えよ。」
城門の兵に向かって、ジュビエールが叫んだ。
「ジュビエール!其方何ということをしてくれた!これでは私は王の前に行かねばならぬ。」
「行けば良いだろう?やるべきことを終わらせて、その後共に行くからな。」
ジュビエールのせいで、周りの兵が私を見る視線が変わる。何者かと怪しむような視線に、尊敬や羨望、そのようなものが混じる。
そのような視線はいらぬ。さらに何もできなくなるではないか。私が次に何をするのか、気に留めて欲しくはなかった。
この中を、フェリスを連れて行くのか。
「あぁ!ジュビエール、其方余計なことをしてくれた。同行するのは其方だけだ!他は誰も許さぬ。」
私が剣を構えようとする態度に、怯んだ兵を置き去りにして、城内へと戻る。足早に進んでいく後ろを、ジュビエールが追いかけてきた。
「城の中に何があるのだ?もう、王は連れ出したではないか。」
「黙ってついて来い。私がやることに文句を言うのであれば、その場でその命散らしてやる。」
「わ、わかった。だが、私の名を好きに使ったのは其方であろう?おあいこだとは思わぬか?」
「どこがだ!これほどまでの迷惑はかけておらぬ。」
私は客室へとたどり着くと、数日前と同じようにフェリスを呼んだ。
「アイシュタルト様。お戻りになられたのですねっ……」
私の前に姿を見せたフェリスが、ジュビエールを見て息を呑む。
「フェリス様。この者は決して貴女を捕らえに来たわけではありません。クリュスエント様の所に向かう道中の護衛です。ご安心ください。」
「ご、護衛?」
フェリスがジュビエールを疑うのも無理はない。フェリスの移動にだけ護衛とは。
「クリュスエント様との約束の日まで、後二日しかございません。申し訳ございませんが、事情は道中でお伝え致します。」
優先すべきは姫との約束。後二日で、サポナ村へと戻らねばならぬ。
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