あの日

桃瀬 叶七

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チャンネルをすべて回し終え、面白い番組がなかったため、テレビを消して漫画を読むことにした。
あ、もちろん電気をつけて。
自慢じゃないけど俺の視力は1.0以上。目は大切にしてきてるからな。本当に視力だけはいいよな。視力

そんなことを思いながら珍しく本棚に綺麗に横並びに31巻並んでいる妖怪がメインな少年コミックの1巻を手に取って読み始める。

左手に鬼を閉じ込めた教師が妖怪を次々と成仏させてく話だ。俺は恋愛ものよりはこっち系の方が好きだな。
ちなみに推しキャラはもちろん、主人公の教師。ダメなやつだけど、どんどんみんなに慕われていく大した奴なんだ。俺が言えることじゃないけどな。
俺も少しは見習えよな…



そんなこと思いながら読んでたらいつの間にか全巻を読み終わっていた。
それとともに綺麗に並んでいた漫画たちが俺の周りに円状に整列した。戻すのもめんどくさいので放っておいて俺は横になる。


母「ただいま。」

母さんの声。時計を見ると二本の針は12時半を指していた。こんな時間まで仕事を…

階段を駆け下りる。

「母さん…」
母「あら、ごめんね。起こしちゃったかしら?」
「あ…いや、別に。起きてたし。」
母「いつもの癖でつい、ただいまって言っちゃった。」
「そう…」

母さんは疲れているのにそんな顔ひとつ見せないで眩しいくらいの笑顔で俺に話しかける。

母「もしかして待っててくれたの?」
「べ、別にそんなんじゃねーし。」
母「そうなの?ちょっと残念。」
明らかに残念そうな表情を浮かべる母さん。本当なら今すぐ風呂に入って寝たいんだろう。

「母さん、俺もう寝るわ。」
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