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探索編(四章)

166.王の宮殿②

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「!?」

過去に培った信頼により、兵士からある程度は見逃してもらったレイはついに王座の扉前まで来た。
そして、少しの隙間から王座を覗いた…そしたら。

「マーベイン。この状況が分かるな?」

「はい、ディラノス王。」

マーベインは王の前で膝をつき、まるで屈服しているかのような様子であった。

彼の周りには一番隊、二番隊の隊長…そして以外にもグラギがおり、彼を囲んでいた。しかし、マーベインはその状況に一切ひるまず王をじっと睨んでいた。

「その心物を置け…。我に従うのだ。」

と、ディラノスの言われるがままにマーベインは従っていた。
マーベインが王の言う意味不明な行動にずっと従っていたように見える、しかし、奴は納得がいかないようであった。

「…そのまま、だ。」

ディラノスは王座を立ちマーベインの元に向かった。
腰に添えた短剣を抜き、マーベインの額に突き立てた。
それでもなお、王を睨み続けていた。

「……無駄か。元の位置に戻っていいぞ。」

と、王はつぶやき、自分の王座へと帰っていった。
王に言われたままマーベインも、元の配置に戻った。

何故ここにグラギが居る…?とレイは考えてみた。
しかし、答えは見つからず…そのまま今日の調査は終わってしまった。

何時間か経ったあと、仕事を終え夜中に3人集合し、今日の成果を互いに報告しようとしていた。アルスから、レイ、次にマーベインと言った順番だ。

「すみません…何もできませんでした。」

「鍵部屋の確認。それを地図に書かせてもらった…。マーベインは重要な報告であろう?」

「そうだ、よくわかったな。」

「覗いていたから、当たり前のことよ。」

そう覗かれていたことに少し恥ずかしい気持ちになりながらもマーベインは報告を開始した。

「俺は…王の心物の能力が分かった気がする。」

「「!?」」

いくつか、驚くべきことが一気に短文に詰め込まれて二人は大きな声が出てしまいそうになるほど驚いた。

「えっ…!王って心物所持者なんですか…!?」

「そうだ。ある程度検討は着いていたがな。」

「ええ…。」

マーベインの検討の良さに驚きを通り越し若干引いてしまうアルスであったが…。ここからさらに引かせることになるとは思いもしなかっただろう。

「そして、奴の心物の能力は…服従、であろう。」

「服従?」

「自分に恐怖を抱いてしまった人を、二度と逆らえないようにする…。と予想する。何しろ恐怖を抱いたらまずいというのは確かだ。」

「…なぜそれがわかった?」

疑問に思うことがレイにあった。だからマーベインにそれを聞いた。

「手段選ばず、俺に恐怖を与えようとしてきたことが明確な証拠です。周りの兵士達の様子も変であったので…」

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