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全面戦争 破(五章)
219.乾坤一擲の大勝負②
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岩を避け、睨み合う2人の強者。
それぞれがそれぞれの様子を見て、自分から後攻になりカウンターを狙っていた。
「ここまで大きな傷を食らうのは…今日で最初で最後にしよう。」
先程の失態を悔いていたマーベインは、そう苦言をこぼし、その後に意気込みを言葉から心に入れた。
それを嘲笑うように、タクシェンはこう言った。
「当たり前だろ。命日が今日なのだからな。」
「お前のか?」
そうマーベインは煽り返した。強者の極地にいる者による笑み、その上での強がりというのはどこか勝利を確信させてしまうようなものがあった。
「悪かったなマーベインよ。お互い…挑発なんてつまらんだろう。」
「ああ、早く始めようぜ。」
そう言ったマーベインとタクシェン。
睨み合いの末、マーベインは突っ込んで直接切り刻むことを選択した、《守護者の刃》を横に大きく構えた。
バンッ!それを見たタクシェンは左手を握り、爆風の能力を自分を中心として使った。
マーベインはそれを腕を前にして耐えきった、そしてそのまま《守護者の刃》で袈裟斬りにした!…と思ったが。
タクシェンは爆風で距離をとっており、その場にはいなかった。そしてタクシェンは《新たな炎》を発動して服の中から酸性の液体を《新たな炎》に入れて、その炎をなにかに移した。
「来いよ、タクシェン」
そう言って、マーベインは《守護者の刃》を構えた。
そして、そう言われたタクシェンが「フッ」と一つだけ笑い、左手をマーベインに向けた。
そこから放たれる、マーベインの右腕ぐらいはある木材に燃えた黄色い炎の塊。一度に数十個も飛ばしたのだ。
「!」
あの炎にカスってはいけないと、マーベインは察していた。
だからこそ《守護者の刃》に集中して、できるだけ遠くの場所で木材を切り落としていた。
しかし…。
グチャ。
「っ!!」
マーベインは歯をかみ締めた。突如として襲いかかった左の脇腹の痛みが彼をを苦しめた。
血がポタポタと流れてくる、どうやらタクシェンは小さめ石を小型化した上で磁気の弾く力を使って超高速で飛ばした。
「お兄ちゃん!!」
想像したくもないかった。心配が勝ってしまう音が聞こえて、スノは後ろを振り向いた。そして、マーベインを見て声が漏れた。
「かすり傷程度で騒ぐな、早く行け。」
「ほん…とに?やだよ…そんな…死んじゃうかもしれない傷じゃん?」
彼女の瞳の中から降る1粒の雨が、頬を伝い、唇を横切って地面に落ちた。それを目の当たりにした兄貴は心配をかけさせてしまったことを反省する。
「俺はお前の兄貴、マーベインだ。必ず勝って、生きて帰る。スノ…信じてくれるよな?」
「…うん」
「じゃあ早く行け!!」
スノは小さく頷き、レイをアルスと2人で抱えて逃げた。
遠い遠いどこかに…。
それぞれがそれぞれの様子を見て、自分から後攻になりカウンターを狙っていた。
「ここまで大きな傷を食らうのは…今日で最初で最後にしよう。」
先程の失態を悔いていたマーベインは、そう苦言をこぼし、その後に意気込みを言葉から心に入れた。
それを嘲笑うように、タクシェンはこう言った。
「当たり前だろ。命日が今日なのだからな。」
「お前のか?」
そうマーベインは煽り返した。強者の極地にいる者による笑み、その上での強がりというのはどこか勝利を確信させてしまうようなものがあった。
「悪かったなマーベインよ。お互い…挑発なんてつまらんだろう。」
「ああ、早く始めようぜ。」
そう言ったマーベインとタクシェン。
睨み合いの末、マーベインは突っ込んで直接切り刻むことを選択した、《守護者の刃》を横に大きく構えた。
バンッ!それを見たタクシェンは左手を握り、爆風の能力を自分を中心として使った。
マーベインはそれを腕を前にして耐えきった、そしてそのまま《守護者の刃》で袈裟斬りにした!…と思ったが。
タクシェンは爆風で距離をとっており、その場にはいなかった。そしてタクシェンは《新たな炎》を発動して服の中から酸性の液体を《新たな炎》に入れて、その炎をなにかに移した。
「来いよ、タクシェン」
そう言って、マーベインは《守護者の刃》を構えた。
そして、そう言われたタクシェンが「フッ」と一つだけ笑い、左手をマーベインに向けた。
そこから放たれる、マーベインの右腕ぐらいはある木材に燃えた黄色い炎の塊。一度に数十個も飛ばしたのだ。
「!」
あの炎にカスってはいけないと、マーベインは察していた。
だからこそ《守護者の刃》に集中して、できるだけ遠くの場所で木材を切り落としていた。
しかし…。
グチャ。
「っ!!」
マーベインは歯をかみ締めた。突如として襲いかかった左の脇腹の痛みが彼をを苦しめた。
血がポタポタと流れてくる、どうやらタクシェンは小さめ石を小型化した上で磁気の弾く力を使って超高速で飛ばした。
「お兄ちゃん!!」
想像したくもないかった。心配が勝ってしまう音が聞こえて、スノは後ろを振り向いた。そして、マーベインを見て声が漏れた。
「かすり傷程度で騒ぐな、早く行け。」
「ほん…とに?やだよ…そんな…死んじゃうかもしれない傷じゃん?」
彼女の瞳の中から降る1粒の雨が、頬を伝い、唇を横切って地面に落ちた。それを目の当たりにした兄貴は心配をかけさせてしまったことを反省する。
「俺はお前の兄貴、マーベインだ。必ず勝って、生きて帰る。スノ…信じてくれるよな?」
「…うん」
「じゃあ早く行け!!」
スノは小さく頷き、レイをアルスと2人で抱えて逃げた。
遠い遠いどこかに…。
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