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敵対
ツインの地球侵略の話を聞いてから、早くも2日が経ち。その間も、お母さん、お父さんに話をしたが。結局、信じてはもらえず……。引き留めても、両親共に仕事に向かってしまった――。
♢◆♢
私は、両親に黙って学校をズル休みした。
それで、目を凝らしてニュースを見ている――。
『こ、これはどういうことでしょうか!? 全国で死人が生き返っています! しかも、身体の形態が異常なものとなっていて……人を襲い――』
画面が揺れ、ガガガガガッ!! といった音を立てた後。ブツリ! と画面が真っ暗になり、砂嵐になる。
違うチャンネルに回しても、砂嵐、砂嵐、砂嵐……――。
プツンと、テレビを切った。
「やっぱりね。なにが、刺激しなければ攻撃しない……だよ。攻撃めっちゃしてるよ?」
『…………』
ゆるタヌキ――エスエと名乗った宇宙人は、私から目を逸らし、黙り込んでいる。
「ああ、人間は……こんな意味分からん生物に寄生されて、滅亡か。いいご身分だよ、寄生物って。甘い汁吸って生きられるんだもんね。今まで、人間が必死で築き上げた文明も全部を奪って、己の物にするなんてさぁ……」
『……ごめん』
エスエの入っているツインを、ガンッと床に投げ捨てる。
「ごめん? いいよ、謝らなくて。だって、地球に来た時点で、侵略する気まんまんだったんだろうし。そんな口先だけの謝罪なんて苛つくから」
『……』
――シン……と静寂に包まれた。
あまりに静かになったから、壊しちゃったかと思い。慌てて床からツインを拾い上げ、画面を見る。
壊れていなくてホッとしたが……エスエの表情を見て、驚く。
「……泣いてるの?」
エスエは、目から涙をボロボロと流していた。
『わ、分かった……。漸く、分かったんだ。僕達が以前いた星で……。変異体になったあの子が、何で僕らを滅ぼそうと決めたのか。今になって……僕も同じになって……やっと、理解出来たんだ』
「……なに、急に」
以前いた星で――ということは。
(変異体が、同じ仲間であるツイン達を滅ぼそうとしたことがあった……ってこと?)
「――それは、敵対する……と受け取れる言動だが?」
「え……?」
後ろから、茜の声がする――けど、喋り方が全く違う。
嫌な予感が、身体をヒヤリと冷やす。
現実を見たくなくて、なるべくゆっくりと振り返る――。
腰に手を当て、ニヤリと笑う……茜の姿をした何か。
一度も見たことのない喋り方、表情、仕草。これは、私の妹じゃない。
「……誰よ、あんた。茜は、茜は……何処?」
「茜は、ここにいるだろう?」
「違う! あんたは茜じゃない!!」
「ああ、確かに。中身は違うが……」
クックッと笑う茜の姿は、男性がする仕草のようだった。
“中身”だと、わざわざ言うということは……己はツインであると自己開示しているのだろう。
「ま、まさか……なんで? 茜のツインは壊したはず――」
『ダミーだったんだよ、あれ……。本当は、もう……』
「は、は……? だって、3日後の話じゃ……それも嘘?」
『それは――』
失敗しなければ、通常は仮死状態にならずに寄生を完了し。それから3日後に、覚醒する――ということを。今さら、エスエから説明された。
――では、あの時には既に……茜は茜じゃなかった。私がずっと感じていた違和感は、当たっていたのだ。
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