混じり合い淘汰されるモノ

未知 道

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懇願

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「はぁ、ぁあんっ……!」

 自分の甘ったるい声で、意識が浮上する――。

 次に、頭がクラクラして、身体が揺れていて、何か……水音が聞こえてくる。

「はっ、な……なに……?」

 目を開けて――ヒッと、しゃっくりのような声が出た。

「目、覚めた?」
「あ、や……なん、で?」

 スイが間近くにいて、私の身体と深く繋がっている。

「説明は、ちょっと待って。今、出してから――」
「やっ、やだ! 中に出さないで!」
「あ~、ごめん。もう、4回くらい中に出しちゃった」

 え……? と、下を見る。銀色の液体が、私の膣周りをしどしどと濡らし。私のお腹まで、飛び散っている。
 よく意識すると、下腹部がとても苦しいから……中にたくさんそれが収まっているのが分かってしまう。

「まっ、待って……! また、出来ちゃ……」
「ああ、いっぱい作ろう」

 グリグリと腰を押し付けられて。力強い水鉄砲のような勢いで、子種がビュービューとナカに注がれる。

「んああっ! いやぁああーーっ!?」

 火傷しそうなほどの熱が。強く、子宮の奥に流れ込んでくる。
 激しい快楽に襲われ。絶頂が繰り返し起こり、身体がガクガクと震えた。

「は~、すげぇ出たな……」

 全てを出し終えたスイは、精を更に奥に押し込むように、腰を数度グッグッと揺すってくる。
 それにも快楽を感じ、達してしまう。

「次、産む時は――ずっと一緒にいてやる」

 ズルリ、と膣内を占めていたモノが出ていく。

「ぁっ、ぁあ……」

 ……ゴポッ、ゴポリと。卑猥な音を立てて、膣から溢れ出てくる銀色の子種。

「鈴鹿。追いかけっこは、楽しかったか?」
「…………え?」

 追いかけっこ? と意味が理解出来ず、スイの顔を見上げる。

「ふっ……。俺に、感謝しろよ? あの時、俺とのことがあったお陰で、ツイーグル達から認知されて。鈴鹿やエスエの、殺処分の指示を取り消してもらえたんだからな。だから――、お前を追い掛けてた輩には、ちゃんと制裁を下したから安心しろ」
「雇った……って、どういう……」

 スイに、ニィと笑顔を向けられ――。

「言っただろ、『後悔するぞ』って。毎日が、恐怖の連続だったよな? 逃げる生活を送り……寝るのも恐ろしかっただろ? でも、当たり前だ。俺から逃げたんだからな。少しは、反省したか?」

 それを、知ってるってことは――とっくに私の居場所なんて、スイには分かっていたということだ。

 なら、雇ったとは。きっと、私を追い回していたツイーグルだろう。全てではないらしいが、その殆どがそうだったのかもしれない。
 だから、腰を落ち着けようとする場所に、いつも追い立てるかのように現れたのか……と。そう理解し、顔を歪めた。

 それに、初めはおかしいと思っていた。なんで、鼻がいいはずのスイが、一度も姿を見せないのかを……――。
 けど、毎日が大変だったのと、時間が経つにつれ。もしかしたら、私より相性の良い人間を見つけたのかも……といった考えになり。最近は、スイのことを考えなくなっていた。


 ――そんな、半分忘れていた相手から『反省してるか』と言われて、理解が追い付かないし。それ以前に、理解なんてしたくない。

「……反省? なんで、私が……」

 私の身体を無理やり奪い。子供を孕ませた、あんたの方が――と考えた時。もやのかかっていたような頭が、パッとクリアになる。

「李里は? エスエは? ねぇ、李里は……どこ!?」

 見渡しても――エスエや、李里の姿はない。

「あ~……。エスエに関しては、どうしようかな~って、思ってる。人間って、凄い技術持ってるよな。実は、エスエの細胞は上手く保存出来てるからさ。もう、あいつ自身は必要ないんだよな~。で、俺達の子供は……――繁殖に使うつもりだけど?」

 何でもない顔でそう言うスイの腕を、ギュッと掴む。

「おっ、お願い! 嫌、嫌なの……! エスエも、李里も……無くさないで! お願い……お願い……。なんでも、なんでも、するから……」

 スイの身体を引き寄せて、抱き付いた。スイの言う、それをさせたくなくて……。2人のところに行かせないよう、強く強くしがみつく――。


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