ダンジョンの核に転生したんだけど、この世界の人間性ってどうなってんの?

未知 道

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8.この変態は、俺がめちゃくちゃ好きみたい

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「ヤマダっ!! 怪我はないかっ!?」


 え……? マジかよ……。


 俺も馬鹿ではない。攻撃魔法を自分に撃ったけれど、核部分は避けていた。
 俺との距離を考えると、変態は魔法を使わないとそれらを防ぐことは出来ない。

 俺の事を好きだと言っているから、魔法を使い撃ち落とすだろうと思ってはいたが……。

 まさか、俺の放った極級魔法を、変態が同じく放った極級魔法で、全て撃ち落とされるとは思っていなかった。


 こいつ……。一体、何者だ?


 実は、こいつが普通に使っている拘束魔法というものは、魔法の中で極めて難しく。俺であっても使うことが出来ない。

 それは魔法の中でも、また別格と言われている程のものであり。攻撃魔法とはまた違うもので、新しい魔法ともいわれている。けど、詳しくは未だ分かっていないようだった。

 だから、それを使える時点で只者ではないだろうことは思ってはいたが……。

 まさか、それも――。


「な、何故、自分に向かってそのような事を……?」

 あ、やべっ! 考え事してるうちに、また近付いて来てたわ。

「分かんねーとか、アホか……? お前の拘束魔法を消すために決まってんだろーがっ!」

 そう、拘束魔法はとてつもなく難しいものであるので――それを発動している間にも、常に魔力を使い。もし、他の魔法を出してしまうと、それが解除されてしまう程に繊細な魔法でもあるのだ。

「てかさ、ちょっと聞きたいんだけど……」
「なんだ……?」

 俺は、変態から距離を取って警戒しながらも。気になったことを聞こうと、話を振った。

「お前、もしかして……。極・拘束魔法を使える?」

 こいつは、さっき極級の攻撃魔法を使っていた。

 それで、拘束魔法で極級を使えるなら……。マジで、警戒しなければならない。

「ああ、使えるが。それがなんだ?」
「――ッ!! お前っ! 何で、それを使わなかった!?」

 こいつ、何なんだ!?

 やばい、やばい、やばい!!

 極・拘束魔法は、存在自体を全て縛りつける。

 対象の身動きは勿論のこと。目線の動きや、声を出すこと、呼吸を行うことさえも、術者の許可なくしては機能が出来なくなる。

 最・拘束魔法だったなら。それより能力値の高い、俺のような極級魔術師の魔法であれば、発動し使用する事も可能だけど……。極・拘束魔法なら、それすらも行えない。

 もし、こいつがそれを使っていたなら。どう足掻いても、逃げる事は出来なかっただろう。

 だから、何故。こいつは、それを使わずにいたのかが不思議なのだ。


「もし、それをしたら……ヤマダが苦しくなるだろう?」
「はあ……?」

 苦しい? 確かに。術にかかった一瞬は、とてつもなく苦しいと思うが。直ぐに、こいつが許可を出せば良いだけの話だ。

 まさか……。それが嫌で、ずっと最級しか使わなかったのか?

 技のスピードだって、桁違いに違うというのに――?


「あ~! あ~! 分かった、分かった。もう、マジで警戒しまくるわ。お前、次はねぇ~からな?」

 多分、こいつは極級は使わないだろう。

 俺が、一瞬の苦しみを感じるのが嫌なくらい。何故だか知らないが、俺の事をめちゃくちゃ好きみたいだからな。


 そして、それからは――――。


 俺は、またいつも通り。変態の拘束魔法を避けまくり。魔力切れを起こした奴を、ダンジョンの外へと放り出した。


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