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しおりを挟む「え? 君、オメガ? いや、魅力無さすぎでしょ。無理無理! 君みたいな子、抱けないからチェンジで」
――――
「なんで、ベータが紛れ込んでるの? アルファに憧れてもさ~……。君のような綺麗でもない男ベータじゃ立たないから、無謀なことは止めなよ」
――――
「え、え、マジ? こんなオメガいんだぁ!? あっははははははっ!! 絶対、出来ないわ~!」
…………。
「ざっけんじゃねー!! ヤルことばかりのくそアルファ共がぁああーーー!!」
「――ちょっと、君! 落ち着いて!」
♢◆♢
「ぁあぁあーーっ!! もう、嫌だ嫌だ嫌だ!」
ぐしゃぐしゃと髪の毛を乱す。
「お見合いで、嫌なことあったの?」
幼なじみの和紗にクスクスと笑われ、キッと睨み付ける。
「うっさい! どいつもこいつも、ヤルヤルヤルヤルことばかり! なんなん、アルファって!? 可愛い、綺麗な子ばっかりを選り好みしやがって……。てか、運命のオメガが俺みたいにガタイのいい奴だったら、チェンジできんのかよ! クッソヤローーー!!」
「まぁ、まぁ……。しょうがないんじゃない? だって、彰はベータにしか見えない……ってか、装いによってはアルファに見えちゃうからねぇ。オメガなのに、よくそんなでっかくなったね? ほんと、凄いよ」
「うっせー! 感心すんな~~!!」
けど、和紗に言われたことを否定出来ない。
その自覚があるからだ。普通、オメガは庇護欲が湧く容姿に成長する。
それはアルファの目に留まるよう、無意識にそういう風になるとかなんとからしいが……。詳しくは、まだよく分かっていない。
……ってことは――。
「なんで、俺……こんな出来損ないに生まれちまったんだ!」
もう、それしか考えられない……。
俺みたいなオメガ、守りたいなんて思うアルファいるわけねぇじゃん!
嫌な思いしてまで行ったお見合いパーティーは、華奢なオメガ、可愛い綺麗なオメガ、従順なオメガが人気だった。
ざっけんな! もう、二度といかねぇーわ!! 試しに行こうなんて思った過去の自分、張り倒したいっ!
「彰が出来損ないなわけない! 俺には、魅力的なオメガにしか見えないよ」
ポンポンと肩を叩く、和紗の手を振り払う。
「お前はいいよな! キラキラなオーラを醸し出す、ザ・アルファ! って感じでさぁ……。そんな奴に言われても、嫌みにしか感じねぇ!」
「え~?」
和紗は首をコテンと傾けた。
そんな幼子がするような姿すらも様になるイケメン。こんなアルファがお見合いパーティーにいたら、オメガどころかベータやアルファであってもお近づきになりたくなるのではないか?
艶やかな薄茶の髪は日が当たると金色に輝き、アーモンドの形の目には長い睫毛が囲い、高く綺麗な鼻、薄めの唇、毛穴なんてもの一つも見当たらない肌。これぞ、神に愛されて作られたかのような美貌。
……イケメンを補給しすぎて目が痛くなってきた。
「はぁ……。俺、帰るわ」
「ごはん食べてかないの?」
「ごめん。イライラしすぎて、腹へってない」
「ん~……。じゃあ、これ。お腹減ったら食べて」
肉じゃかを詰めたタッパーを、和紗に渡された。
「おう、いつもありがとな~! んじゃ」
「またね、彰」
綺麗な笑顔で手を振る和紗に手を振り返し、清潔に整えられた部屋を出た。
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