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15.紀伊羅 満
しおりを挟む部屋に入ってすぐに、光樹を抱き締めた。
「満、なにか嫌なことあったの?」
「……ああ、すげぇ嫌なことがあった」
あの男のことは許せない。
けど、一番許せないのは――あいつの言うことを真に受けた俺自身だった。
きっかけは、光樹が浮気をしたのが原因だ。
だが、俺が重きを置いていたことは『光樹が誰を大事に思っているか』だったのだ。
光樹の心には誰がいるのか、特別な待遇を誰にしているのかと……ただそれが重要であった。
俺が光樹を壊すと決めたのは、光樹が俺以外の誰かを特別に考えていたんだと勘違いしたからだ。
だから、そんな考えを持つ脳なんて壊れてしまえばいいと思った。
事実は直接、光樹に聞けば良かったのだ。
それを怖がって他人の言うことを鵜呑みにし、勝手な解釈をしてしまった。
「――じゃあ、やろう!」
「……はぁ~、ほんと好きだな……お前」
なんで、嫌なことがあったと言われてイコールで『やろう!』になるんだ?
以前も性行為をするのが好きだったようだが、今は素直な分、欲に忠実に生きているみたいだな……。
「うん、満のこと世界で一番大好き!」
あいつに言われて凄く不愉快だった言葉が、光樹に言われると胸が温かくなる。
「そうか……。なら、俺にしかやろうなんて言うなよ?」
いくら性行為をするのが好きだからって以前のように容姿が好みの奴に飛び付いたら、次こそはその場で相手を殺してしまうだろう。
「しないっ! 気持ち良くなるの、満のナカだけだから!」
「ん……? ナカだけ? 俺に入れられるのは良くないのか?」
そういや、光樹はもともとタチだった。
今の状態になってからも、抱かれるより抱く方を積極的にしたがっている……ということは元から抱く側ということか?
「入れられるのも良いけど、満を俺でいっぱいにしたい! ねぇ……なんでいつも出しちゃうの?」
「出すって、吐き出したもんを?」
「うん、俺が満のお腹の奥にたくさん出したやつ! 俺に入れたのも出しちゃうし……」
出さなきゃいけない理由が分からないのか……。
あんなに溶け合うほどの行為をしているのに、その理解が出来ていないのが面白くてククッと笑ってしまう。
「たくさん入ったままだと腹が痛くなるんだ。まぁ全部は出してねぇし、奥に入ってるもんはなかなか出てこないぞ?」
「なんで出てくるの? ぜんぶ、満のナカで飲んで欲しい!」
「ん~、説明が難しいなぁ……。全部飲むなら口からな。でも、腸からも吸収してるし……口から飲むよりストレートに取り込まれるとかなんとか聞くが……」
正直、医科学的な知識は乏しい。
けど、普通に薬を飲むより座薬の方が成分が分解されずに吸収出来て、高い効果を発揮するのだと聞いたことがある。
だから、間違いではないと思うが――。
「ふ~ん……。うん、分かった」
「おい、なんだよ……?」
光樹は俺の頭をさげようと、グイグイと力を込めてくる。
「迷ったら、両方すればいいんだ」
「はぁ……。まず、口でしろって?」
綺麗な笑顔で首を縦に振る光樹を見て、仕方ないなと屈む。
すでに硬くそそり立ったモノを取り出して、口に入れ頭を上下に動かし刺激する。
途中から光樹が俺の頭を掴み、喉の奥を突くように突き上げてきた。
生理的な涙が流れるが気にせず、舌を絡ませて口をすぼめるようにすると、じゅぶじゅぶじゅぶといった濡れた音が鳴る。
「はぁっ……満、飲んでっ!」
「……ふっ、ん"ぐ!」
ぐぷんッと全て口に収められ、喉の奥にまで入り込んだモノから、ドプドプと熱が吐き出された。
残さずに啜り取ってから、口を離そうとしたが――再び、頭を強く掴まれてピストン行為をされる。
「ん"ん"っ、うぶっ……!」
「もっと、もっと、満の口から飲んで……っ!」
まさか……あんな風に説明をしたから、上も下の回数と同じようにするつもりかと、サァーと血の気が引く。
「……っ、ぷはっ……!」
強く抵抗し、なんとか離れることが出来た。
一度するだけでもキツイのに、いつも抱かれるくらいの回数を口でしたら、いつかは窒息する。
「なんで……? ダメ?」
「俺が死んでもいいなら、思う存分やってもいい」
「や、やだっ! やらない! 一回だけなら、大丈夫なの……?」
光樹は慌てて俺の肩を掴み、様子を伺ってくる。
「一回だけなら大丈夫だ。ただ、何度もは息が続かないってこと。ほら、したいならこっちでって前にも言っただろ?」
俺が脚を開くと、光樹は目を輝かせていつもみたいに後孔に唇を寄せてくる。
「……んっ、はぁ……! 光樹、昨日したばかりで柔らかいから、すぐに入れても――……んんっ、ふ……」
声が聞こえていないのか、光樹はペチャペチャと後孔のシワを舐め上げ、まだ柔らかく解れているナカへとグチュグチュと舌を深く挿してくる。
気持ち良い場所を何度も舌でグリグリと潰されて、ビクンと身体が跳ね、中心から熱が外に吐き出される。
「はっ、あっ……は、んん!」
俺が精を吐き出している最中にナカをじゅるるるッと強く啜られ、ベッドの上で身体がビクビクと幾度となく跳ね上がった。
「――ねぇ、満の初めてって……ぜんぶ俺だよね? これから、誰かのを舐めるのも、誰かに入れるのも、ここ舐めさせるのも、ここに入れさせるのも……ずっと、ずっと、俺だけ?」
快楽でぼやけた視線を、光樹に向ける。
光樹は独占欲剥き出しの顔で、俺を見下ろしていた。
ぶわりと、喜びが身体中を駆け巡る。
前の光樹に、『大好き』だと伝えられていた。
今の光樹にも昨日伝えられたが、言われたことを信用は出来ても、まだちゃんと実感が湧かなかった。
だがこの光樹の姿を見て、それが胸に落ちてきた。
光樹をこんな気持ちにさせることが出来るのは自分だけなのだと……それが非常に嬉しい。
「ああ、光樹だけだ。光樹だから、この身全てで受け止められる」
特に、体内になんて……。もし、光樹以外の奴のモノを入れなきゃいけないのなら、自らの命を絶った方がマシだ。
まぁ、その前に相手を殺しちまうだろうが……。
「満っ!」
「ひぃっ、あああ……っ!?」
――パァンッ! ばちゅばちゅばちゅッ!!
急に、ナカをガツガツと抉るように突かれた。
身体の準備は出来ていても、心の準備は出来ていなかった。
そのまま快楽をダイレクトに受け取り、精を連続で吐き出してしまう。
「満、たくさんあげる……! 俺の全部、受けとって!」
ガツンと上にあがるくらいに身体を突き上げられて、光樹がぶるぶると身体を震わせる。
愛おしい熱が、お腹のナカを占めていく――。
「はぁっ、ああっ……! 光樹の、いい……」
光樹の熱い精を奥に注がれるのが、気持ち良い。
またいつものように、さらに奥へとググッと押し込んでくるその行為にも、快楽を感じる。
「満、大好き」
ニコニコと笑顔を浮かべる光樹に、手を伸ばし――
俺に想いを伝えた……微笑んでいる光樹の唇に、自身の唇を重ねる。
光樹が俺に向けて言ってくれた『大好き』を少しも残さず飲み込むように、お互いの口が溶けてしまいそうなほどに長い時間――甘く息を乱す愛しい人と、求め合うような口付けを交わし続けた。
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