クズな恩恵を賜った少年は男爵家を追放されました、 恩恵の名は【廃品回収】ごみ集めか?呪いだろうこれ、そう思った時期がありました、

shimashima

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5  宿屋の娘サーラはお客様の秘密に触れる

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今日のお客様は変人かしら?

今日お泊りのお客様がなにか変です・・・・
台帳にはヤーロー 15歳 旅人となっていた、はっきり言って
一見してすごいみすぼらしい格好です、でもぼろい服をまとっていますが
清潔そうです。ボロですが・・・そして物言いがちょっと偉そうで
違和感ありまくりです。平民ならがさつですがもう少しへりくだった物言いをします。
 さらに
お母さんに宿代として出した銀貨がピカピカなんです、
普通銀貨って黒ずんでいるんです、 銀貨がピカピカ
銀貨なんかわざわざ磨いたのかしらね? 減るのに・・・
でも鋳造したてにも見えるんです。 銭函に入れるのも忘れて見入ってしまい
お母さんに注意されてしまいました。
なんとなく浮ついた気持ちで働いていたからでしょうか
気がつくとお客のみなさんが晩ごはんを終えてお部屋に帰ってしまってました
銀ピカのお客様、晩御飯の時も時間になっても降りて来てません、
お母さんに断ってから部屋まで教えに行ってドアを開けたら
つい癖で部屋の中を見回したんですよ
ただ目線は動かさない、これは宿屋関係者はみんなする
客にはわからないようにですけど、
これは商売柄仕方がないのですよ
チェック大事、これ本当、お母さんは客の目利きには自信あるそうなんで
大丈夫とは思うけど、で、何がどうかって言うと
あのでっかい革鞄が見当たらないんです、
寝台の下には入らない大きさだし
ほかには隠す場所なんかないんですよ?廊下に無かったのは確実
頭の中は、はてなマークがたくさん踊ってます、

食事のご案内をして下に降りていただきました、
そして食堂に入ってテーブルに座ると
お祈り、これはまあ常識ですから少し安心しました、
コックのヘンリーさんが暖めなおしを言われるかと
身構えてましたが
普通に食べ始めて驚いたそうです、
ニッっと口角をあげて笑ったように見えたのでつられて
自分でわかるほど
ひきつった笑い顔になったそうです、
肉は絶対新しく焼けと言われるかと思ったそうですが
それも黙っておいしそうに食べたそうです、
そう思っていたら新しいの出しなさいよと思いましたけど・・
鞄の怪の次に驚いたのは
荷車、これが驚きのまっさらの新品、
車輪の金輪が全然すり減っていないの
少し土がついてるけど
どこから引いてきたかわからないけど
金輪は少しは傷がつくもの、道の小石なんかにぶつかるし
お客様が荷車を中庭に引き入れてから
うちのみんなですっごい荷車を触りまくった、
こんなのが欲しいねえとか 高そうだねとか
ピカピカじゃない?とか
特にマーサはすごいにらんでいた
マーサさん、そんなに睨んだら穴が開いちゃいますよ
お客様のものに穴開けちゃあいけません!

でもまだあるんです、水浴びの案内をした時に
貸した湯桶と浴布が
ものすごく、それこそものすごくきれいになって帰ってきた、
こんなにきれいにすることは私には無理
絶対無理、 おかあさんでも無理、誰だって無理 断言できる
水浴びで使う湯桶が
王宮の厨房で清水を貯める桶にも使えるレベルに変貌
でもこのお客さんには魔力はあまり感じないから
変だからと言って憲兵隊に通報しても寝ぼけるなとか
言われそうだし・・
さらにさらに 従業員の休憩時間に
お茶に誘うと 嬉しそうに同意した、
すると会話の流れを断ち切ってマーサが
突然にお客様の荷馬車の話を始めた、
なるほど、良い考えだ、ここは空気を読んで私が話を代わる
すると、びっくり仰天 驚天動地
いともあっさり くれるとおっしゃる、 貸すではなく  くれる と
はぁ?  「なんということでしょう?」ですよ
だって荷車って高いんですよ、車輪を作るのはすごく難しい
どこかの国で作ることが出来なかったとかいう水車より
荷車の車輪の方が難しい、車軸に鉄輪をはめる技術
スポークをはめ込み車輪の外周に金輪を焼き嵌めする技術
熱した金輪を急冷して収縮させるとがっちり締まって
頑丈になる
言ってみれば木工技術と鍛冶屋の技術の粋を集めたような
なんてことを思ってると
頭が・・・
ここで私の限界 ふらりと立ち上がると
「マーサ、悪いけど後頼める? もうだめ・・・」
マーサはご機嫌に「あ、いいよ~ゆっくり休んで」
私はためらいながらものすごくきれいになった湯桶に湯を入れて水浴場に向かい
裸になってからじっと手を見る
そんなに長い人生でもないけど
こんな驚いた日はないなあ
二度とこんな日はないな
と何気にフラグを立てたことに気づかなかった。

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