星と雪

レモンティー

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天文部

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「お父さんお父さん見て上手に絵が描けたよ」

「こんなもの見てる暇がない
今星の研究をしてるんだ邪魔するな」

と言って外に出て行ってしまった


その頃から私より星の方を大切にしている父親をみて
どんどん星が嫌いになっていった

どうして今こんな思い出が蘇って来たのか私には分からない

この学校の部活の中で一番避けようと思っていたのが天文部だった

部活に入れば彼に近づけるから入りたいと思う一方、絶対嫌だと思う気持ちもある、先生の話なんて全然頭に入って来なくて考えてるうちに今日は
学校が終わった 
今日は3時限目しかなくて終わるのが早かった、帰ろうと思って筆箱をかばんに入れて席を立った、帰るときに南が寄って来た

「光帰るのー?」

「うん帰るよー」

「そっかーバイバイまた明日」

「うんまた明日」

手を振って玄関に行き靴を履いて校門を出ると右に曲がって近くの公園に座って
人を待った、


「光」

名前を呼ばれて声の方に顔を上げた


「待った?」

「別に待ってないよ」

「そっかよかった」

彼女は私の隣に座った

彼女の名前は白鳥奏
私の唯一の信頼できる親友だ
奏で とは、
中学からの付き合いで親どうしも仲がいい、彼女が高1の時、常に成績は1番、美人で、学年問わず人気があり告白も結構されていた、性格も良くと、言いたい所だが
腹黒でとても性格が良いなんて言えないもちろんみんなが知ってる表の奏での性格はとっても良いだろうだが私的には
いつも騙されてるなーって思って見てる



「何よー私のことそんなに見て何か顔についてるの?」

「別に何にもついてないよ」

「そう」

「あ、そういえばクラスはなれたね」

「そーだねー」


「先生誰だったのこっちは最悪で
生活指導の服部だった」

「私は1年から同じ篠崎だったよー」

「えーいいな私も篠崎が良かった」

「あ、そういえばおめでと~」

「え、何が?」

「良かったねー島星と一緒のクラスで」

「まあそれは良かったんだけど」

「良かったんだけど??なんかあったの?」

「いや島星君が部活入るって」

「へーそうなんだーって別に全然悪いことじゃないじゃんあんたにとっては貴重な話せるチャンスが出来るじゃない」

「そうなんだけどその部活が天文部で」

「あーそういうことねなるほどね
あいつ運動神経いいから運動系の部活行くと思ってたのに意外だなー」

「私も絶対運動系行くと思ってたのに
はあーどうしよう天文部以外だったらどこでも入ったのに」


「ふーんでどうするの?
大嫌いの天文部を取るか大好きの島星取るか早く決めなさいよ」

「うーんまだ決められない」

「はあーあんたいつまで気にしてるの?
確かに星が嫌いなのは仕方ないけど、
島星と話せるチャンスなら我慢しなさいよ」


「そうだけど星見てると思い出すんだよ(父)あいつの顔が、思い出したくもないのに」


「はあーじゃあ取りあえず見学に行ってきたら、噂じゃ天文部ってあんまり活動してなくて部室で話してたり、遊んだりしてるらしいからもしかしたら、あんまり星について触れないかもよー」


「そうなの、じゃあ今度見学行ってくる」


「まあ、頑張ればそろそろ帰るわよ?」


「うん分かった」


私達の家は隣同士で学校からも近い
1年の時も昼や帰りは一緒に行動できる時は一緒にいて、用事があるときはお互い別々で行動するという感じになっている

二人で今日のテレビの話をしながら
帰っていたらすぐ家に着いた

「じゃあまた明日」

「奏今日はありがとう明日見学行ってくる」

「うん行ってらうまく行くといいね」

私は鍵を使って家に入り
ただいまって言ってすぐ自分の部屋に入った、

制服のまま横になって
あしたこそ進展があるといいなと心の中で思った。









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