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【試し読み】特装版 絆鬼(つなぐおに)
卯
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忍海の姿を見た男衆は、いつもの如く、慌てて霧雨へと告げに行った。すると、霧雨はどんなに忙しくても、惚れた弱みで忍海を迎え入れるのである。
「ああ、今日こそは抱いてくれるかい?」
「霧雨よ。そんな事より、外の桶伏せはなんだ?」
霧雨が頬を膨らませたので、忍海は霧雨の唇を吸った。忍海の柔らかな唇から挿し込まれた温かい舌が、霧雨の口内を溶かしていく。霧雨の全身から、熱い吐息が吐き出された。
忍海は唾液に、少しの媚薬を含ませたのだ。
「良い子だ、教えてくれないか?」
「ご褒美くれるかい?」
霧雨が忍海の胸に寄り掛かるので、忍海は霧雨の身体を抱き締めてやった。
「ああ」
「逃げた妓女が見つかったんだよ。男と二人、隠れていたんだって。手引きした下男は、旦那に殴り殺されちまった。折檻として、男は桶伏せにされている。妓女は、ぼろ雑巾みたいにされて、中庭に吊るされているよ。男は身体が弱いらしいから、桶の中で死んでるかも」
「なかなか、泣かせる話じゃないか」
「駆け落ちなんて、出来るはずないのにね。だから、皆心中するのさ」
「二人で居たら、この世に未練が湧いちまったんじゃないのかい。地獄に仏を見たら、そんな気にもなっちまうのかもな」
忍海は、霧雨の着物に手を入れると、いつもの様に乳房の突起を弄ったり、ぱっくり開いた股を猫撫でしてやった。これが、少々面倒臭いとも思っていた。
忍海は、霧雨が甘い声を上げながら、自分の身体にしがみつく姿を見届けながら、冷めた目で嘲笑うだけである。
(お前では、俺は唆られぬ)
霧雨が、甲高い声を上げてぐったり倒れ込むと、忍海は立ち上がって部屋を後にした。
「霧雨。今日も駄目だったな。俺を迎え入れる前に果てちまって、実に残念だ」
霧雨の言っていた中庭だと思われる方へ足を向けると、確かに、素っ裸にされて全身痣と血塗れの腫れ上がった妓が、木から吊るされていた。
「妓、生きているのか?」
忍海が問い掛けても返事は無かったが、代わりに妓は妬ましい目を忍海に向けた。
(その目、俺は気に入った)
「妓、助けてやろうか? 幾ら出す?」
妓は、血の混じった唾を飛ばした。勿論、忍海にまでは届かない。
「近々、お前の前に鬼の巫女が現れるだろう。一度だけ話す機会があるかもしれない。もし、その機会があったのなら、その恨み辛みを話してみろ」
忍海は、それだけ告げると妓楼を出た。
今度は、桶伏せの小窓から中を覗いてみると、これまたぼろ雑巾のような男がぐったりと入っていた。
「生きてますかい?」
忍海は茶化すように、桶の中へと声を掛けた。
「はい」
蚊の鳴くような声が、返ってきた。
(こりゃ、いつ死んでもおかしくないな。しかし、ここまでやるかねえ)
最近、心中や駆け落ちが流行っている所為もあるのかもしれない。見せしめにしては、少々やり過ぎな気もする。
(俺もおいたが過ぎて、ぼっこぼこにされた事はあるが……これでは、殺すのが前提では無いか)
忍海としては、店主は勿論、妓女からも金を巻き上げる気、満々である。
忍海は、一度客として妓楼を出ると、遊郭街の影でお海となり、再び妓楼を訪ねた。
男衆が店主へと、お海を繋いだ。
「本日も、祈祷をさせて頂きに参りました」
「ちっとも効かんのではないか?」
店主は、怒り気味である。
「ええ。とても強力な呪いですから。けれど、その正体が分かりました」
「呪いだと?」
店主が怯え、裏声を上げた。
「先ずは早急に、桶伏せの男を帰してやる事です。あの男が、呪いの根源のようです。殺しては駄目です。殺せば、命を奪われた下男が祟り殺すでしょう」
店主は男衆に命じて、桶伏せへと向かわせた。
「中庭に、誰か居ますね? 更に強い恨みを感じるのです。そこは、私が説得しましょう」
店主は、近くにいた女将と顔を見合わせた。お海が、中庭の妓女の事を知っている理由が分からなかった。中庭は、今は誰も通さないようにしているから、お海が妓を見る事など有り得ないのだ。
また、お海が中庭の話を切り出した理由には、別の計算もあった。そろそろ、店主の阿片が抜けるか、今の量での耐性が付き始める頃なのである。そうなれば、自ずと悪夢も軽くなっていく筈だ。
店主と女将は、お海を中庭へと案内した。
半殺しにされた妓が、相変わらずぶら下げられている。
「つりつりですか。これは、良くない。原因は、これですね。この遊郭街中から、つりつりにされた遊女の恨みや怨念が、あの妓女に集まってきております」
お海か残念そうに言うと、店主は叫んだ。
「どうすればいいのだ?」
「先ずは、あの妓女を下ろしてあげてください。それから、私が恨みの念と話をしましょう。それまで、決してその姿を見たり、話を聞いてはなりませんよ。もし、そんな事をしたら、その場で呪い殺されるでしょうから」
感情を見せず、冷たく微笑んだお海の顔に、その場の者は皆恐怖した。
店主は男衆に命じて妓を下ろさせると、その場からお海を残して全員退却した。
十分人払いが済んだ所で、お海は妓に交渉を持ち掛けた。
「先立って、貴方の大切な殿方は逃がしましたよ。さて、巫女の口利き致しませぬか?」
妓は、忍海を思い出した。
「あんたが、鬼の巫女さんかいね。あの人の部屋の下に、私がこっそり貯めた金を隠している。まだ、三両くらいはあるだろう。それを全部持って行けばいい。一緒にある、心中箱だけは残しといておくれ。その金で悪いけどさ、あの人に鰻だけは食べさせてやってくれないか」
「お代は十分ですね」
お海は、袂から薬包を出すと、それを妓に見せた。
「この薬は、貴女の心の臓を止めるもの。運が良ければ、外の世で目を覚ます事になるでしょう。最後に、もう言いたい事は無いのでしょうか?」
「なら、神様に聞いとくれよ。なんで、あたい等はこんな目に遭わなくちゃいけないんだい。あの人だってそうさ。何も悪い事なんてしていない。身も心もぼろぼろに成り果てても、ただ生きているだけなんだ。こうまでしても、こうまでなっても、生きているだけなんだよ」
妓から嗚咽が溢れた。
「あの人に伝えて。待ってるって」
この妓の姿が、忍海にとって、ふと懐かしい面影に見えた。
(俺も、随分と丸くなったものだな)
お海が妓に薬を与えると、妓は眠るように息を引き取った。
「ご主人、終わりました」
お海の一言で、隠れていた店主と女将が飛び出してきた。
「こちらの妓女が、全ての恨み辛みを請け負って息を引き取りました。ですが、この身体には全ての怨念が取り憑いています。鎮めるには、桶伏せの男の元へ送り届ける必要があるでしょう。送り届けたら、この男女の事は無かったことにするのです。さすれば、少なくともこの妓楼は、全ての呪いから解放されるでしょう」
店主も女将も大いに喜び、どの道遺体の処理に困るところだったと、早々男衆に支度を始めさせた。
妓の遺体は筵で包まれ、荷物よろしく大八車に括られた。
お海は店主から最後の代金を受け取ると、耳元で忠告をしてから妓楼を出た。
「再び阿片に手を出しましたら、また呪いが戻るでしょうから、今度こそお気を付けて」
ぼたぼたと、店主の足元に汚い水溜まりが出来た。
お海は鰻を買うと、男の貧乏裏長屋を訪ねた。
(予想以上に酷いところだな)
衛生環境も悪ければ、食うに食えない痩せ切った住民が、ぼんやり座っている姿も目にする。
その中でも特に安い部屋であろう、厠横のキツい悪臭漂う部屋が男の住居であるようだ。
予め調べが付いてはいたが、実際に来たのは初めてである。
お海は思わず、鼻を抑えて声をかけた。
「ごめんください。旅の巫女にございます」
返事は無いが気配はするので、少しだけ戸を開け覗いてみた。
「ああ、今日こそは抱いてくれるかい?」
「霧雨よ。そんな事より、外の桶伏せはなんだ?」
霧雨が頬を膨らませたので、忍海は霧雨の唇を吸った。忍海の柔らかな唇から挿し込まれた温かい舌が、霧雨の口内を溶かしていく。霧雨の全身から、熱い吐息が吐き出された。
忍海は唾液に、少しの媚薬を含ませたのだ。
「良い子だ、教えてくれないか?」
「ご褒美くれるかい?」
霧雨が忍海の胸に寄り掛かるので、忍海は霧雨の身体を抱き締めてやった。
「ああ」
「逃げた妓女が見つかったんだよ。男と二人、隠れていたんだって。手引きした下男は、旦那に殴り殺されちまった。折檻として、男は桶伏せにされている。妓女は、ぼろ雑巾みたいにされて、中庭に吊るされているよ。男は身体が弱いらしいから、桶の中で死んでるかも」
「なかなか、泣かせる話じゃないか」
「駆け落ちなんて、出来るはずないのにね。だから、皆心中するのさ」
「二人で居たら、この世に未練が湧いちまったんじゃないのかい。地獄に仏を見たら、そんな気にもなっちまうのかもな」
忍海は、霧雨の着物に手を入れると、いつもの様に乳房の突起を弄ったり、ぱっくり開いた股を猫撫でしてやった。これが、少々面倒臭いとも思っていた。
忍海は、霧雨が甘い声を上げながら、自分の身体にしがみつく姿を見届けながら、冷めた目で嘲笑うだけである。
(お前では、俺は唆られぬ)
霧雨が、甲高い声を上げてぐったり倒れ込むと、忍海は立ち上がって部屋を後にした。
「霧雨。今日も駄目だったな。俺を迎え入れる前に果てちまって、実に残念だ」
霧雨の言っていた中庭だと思われる方へ足を向けると、確かに、素っ裸にされて全身痣と血塗れの腫れ上がった妓が、木から吊るされていた。
「妓、生きているのか?」
忍海が問い掛けても返事は無かったが、代わりに妓は妬ましい目を忍海に向けた。
(その目、俺は気に入った)
「妓、助けてやろうか? 幾ら出す?」
妓は、血の混じった唾を飛ばした。勿論、忍海にまでは届かない。
「近々、お前の前に鬼の巫女が現れるだろう。一度だけ話す機会があるかもしれない。もし、その機会があったのなら、その恨み辛みを話してみろ」
忍海は、それだけ告げると妓楼を出た。
今度は、桶伏せの小窓から中を覗いてみると、これまたぼろ雑巾のような男がぐったりと入っていた。
「生きてますかい?」
忍海は茶化すように、桶の中へと声を掛けた。
「はい」
蚊の鳴くような声が、返ってきた。
(こりゃ、いつ死んでもおかしくないな。しかし、ここまでやるかねえ)
最近、心中や駆け落ちが流行っている所為もあるのかもしれない。見せしめにしては、少々やり過ぎな気もする。
(俺もおいたが過ぎて、ぼっこぼこにされた事はあるが……これでは、殺すのが前提では無いか)
忍海としては、店主は勿論、妓女からも金を巻き上げる気、満々である。
忍海は、一度客として妓楼を出ると、遊郭街の影でお海となり、再び妓楼を訪ねた。
男衆が店主へと、お海を繋いだ。
「本日も、祈祷をさせて頂きに参りました」
「ちっとも効かんのではないか?」
店主は、怒り気味である。
「ええ。とても強力な呪いですから。けれど、その正体が分かりました」
「呪いだと?」
店主が怯え、裏声を上げた。
「先ずは早急に、桶伏せの男を帰してやる事です。あの男が、呪いの根源のようです。殺しては駄目です。殺せば、命を奪われた下男が祟り殺すでしょう」
店主は男衆に命じて、桶伏せへと向かわせた。
「中庭に、誰か居ますね? 更に強い恨みを感じるのです。そこは、私が説得しましょう」
店主は、近くにいた女将と顔を見合わせた。お海が、中庭の妓女の事を知っている理由が分からなかった。中庭は、今は誰も通さないようにしているから、お海が妓を見る事など有り得ないのだ。
また、お海が中庭の話を切り出した理由には、別の計算もあった。そろそろ、店主の阿片が抜けるか、今の量での耐性が付き始める頃なのである。そうなれば、自ずと悪夢も軽くなっていく筈だ。
店主と女将は、お海を中庭へと案内した。
半殺しにされた妓が、相変わらずぶら下げられている。
「つりつりですか。これは、良くない。原因は、これですね。この遊郭街中から、つりつりにされた遊女の恨みや怨念が、あの妓女に集まってきております」
お海か残念そうに言うと、店主は叫んだ。
「どうすればいいのだ?」
「先ずは、あの妓女を下ろしてあげてください。それから、私が恨みの念と話をしましょう。それまで、決してその姿を見たり、話を聞いてはなりませんよ。もし、そんな事をしたら、その場で呪い殺されるでしょうから」
感情を見せず、冷たく微笑んだお海の顔に、その場の者は皆恐怖した。
店主は男衆に命じて妓を下ろさせると、その場からお海を残して全員退却した。
十分人払いが済んだ所で、お海は妓に交渉を持ち掛けた。
「先立って、貴方の大切な殿方は逃がしましたよ。さて、巫女の口利き致しませぬか?」
妓は、忍海を思い出した。
「あんたが、鬼の巫女さんかいね。あの人の部屋の下に、私がこっそり貯めた金を隠している。まだ、三両くらいはあるだろう。それを全部持って行けばいい。一緒にある、心中箱だけは残しといておくれ。その金で悪いけどさ、あの人に鰻だけは食べさせてやってくれないか」
「お代は十分ですね」
お海は、袂から薬包を出すと、それを妓に見せた。
「この薬は、貴女の心の臓を止めるもの。運が良ければ、外の世で目を覚ます事になるでしょう。最後に、もう言いたい事は無いのでしょうか?」
「なら、神様に聞いとくれよ。なんで、あたい等はこんな目に遭わなくちゃいけないんだい。あの人だってそうさ。何も悪い事なんてしていない。身も心もぼろぼろに成り果てても、ただ生きているだけなんだ。こうまでしても、こうまでなっても、生きているだけなんだよ」
妓から嗚咽が溢れた。
「あの人に伝えて。待ってるって」
この妓の姿が、忍海にとって、ふと懐かしい面影に見えた。
(俺も、随分と丸くなったものだな)
お海が妓に薬を与えると、妓は眠るように息を引き取った。
「ご主人、終わりました」
お海の一言で、隠れていた店主と女将が飛び出してきた。
「こちらの妓女が、全ての恨み辛みを請け負って息を引き取りました。ですが、この身体には全ての怨念が取り憑いています。鎮めるには、桶伏せの男の元へ送り届ける必要があるでしょう。送り届けたら、この男女の事は無かったことにするのです。さすれば、少なくともこの妓楼は、全ての呪いから解放されるでしょう」
店主も女将も大いに喜び、どの道遺体の処理に困るところだったと、早々男衆に支度を始めさせた。
妓の遺体は筵で包まれ、荷物よろしく大八車に括られた。
お海は店主から最後の代金を受け取ると、耳元で忠告をしてから妓楼を出た。
「再び阿片に手を出しましたら、また呪いが戻るでしょうから、今度こそお気を付けて」
ぼたぼたと、店主の足元に汚い水溜まりが出来た。
お海は鰻を買うと、男の貧乏裏長屋を訪ねた。
(予想以上に酷いところだな)
衛生環境も悪ければ、食うに食えない痩せ切った住民が、ぼんやり座っている姿も目にする。
その中でも特に安い部屋であろう、厠横のキツい悪臭漂う部屋が男の住居であるようだ。
予め調べが付いてはいたが、実際に来たのは初めてである。
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