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空いた従者枠
新しい拷問
よく見てみると森の中はトラップだらけだった。
「入った時からこんな感じ?」
「そうだよ。従魔達には見えないからさ。俺が踏んだ場所を選んで従魔達が追いつける様にってトラップ避けてたから……ミャオちゃんにはキツかったよね、ごめん」
そうだったのか……。
「こっちこそ……なんかごめん」
嫌がらせを疑っていたとは言えず曖昧に謝っておいた。
トラップを怖がっているのか従魔達はぴったりと勝利君にくっついていて……スライムも俺の首にしがみついている。
ちょっと俺も恐怖を感じるよ……。
「そうだ。ミャオちゃん、これ」
そう言って勝利君が差し出してきた手の上にはミニスライム。
「盗聴器がどうしたの?」
「トゲがある言い方、酷い!!ミャオちゃんの独り言盗み聞きしたって怒るから、今度は俺がこの子を持ってたらおあいこかなって思ってさ」
宣言済みの盗聴器になんの意味があるのか分からないけど俺に害は無さそうだし好きにしたらと深く考えなかった。
「…………うわぁぁぁっ!!」
気にしない様に無視し続けていたがとうとう限界に達して俺は遂に悲鳴を上げた。
『ミャオちゃん叫び声まで可愛い。学校にいる時はいつも静かに席に座ってたからミャオちゃんが大声なんて滅多に無かったからなぁ……本当にミャオちゃんと二人きり24時間離れずに居られるなんて幸せだなあ』
首に巻き付いたスライムの体から聞こえてくる呪詛めいた『愛してる』『好き』『可愛い』のヘビーローテーションに洗脳を受けているんじゃなかろうかと発狂しそうだった。
「勝利君!!これは盗聴って言わない!!ただの新手の嫌がらせじゃないか!!」
「『え~嫌がらせなんてひどいなぁ。俺は一人でも常にミャオちゃんへの愛を口にしてるもん。日常だよ!!上目遣いで睨んでくる顔も可愛いね!!俺の口から発せられるのは全てミャオちゃんへの愛の讃歌だよ!!』」
楽しそうに振り返った勝利君はミニスライムをマイクの様に持って2重音声で俺を攻撃してきた。
「どこが日常だよっ!!早くミニスライムを離し……」
『ベアタイガが現れた』
進行方向を塞ぐようにのっそりと2体の魔物が現れた。
「『ミャオちゃんが大声出すから~魔物が寄って来ちゃったね。あ!!暫く接続して無かったから……そっか!!気付かなくてごめん!!俺頑張って戦うよ!!』」
「煩いっ!!さっさと倒してミニスライム返せ~!!」
ガチャガチャと急いでコントローラーを操作して戦闘を開始した。
ーーーーーー
「ふぅ……」
肉体的と精神的……ダブルの疲労感に岩の上に腰を下ろした。
それでもマップで確認すると森の半分以上は進んできた。
勝利君から聞いていた当初の予定には追いつけて無いけど、大幅な遅れでは無くなったと思う。
「ミャオちゃん疲れちゃった!?野営しよっか!!」
さっきからやたらと野営を勧めてくる。
勝利君なら無理やりにでも魔物を追いかけて接続を狙ってきそうなものなのに……何か隠してるな。
「まだ平気だよ。野営しようなんて疲れてるのは勝利君の方なんじゃないの?」
疲れていたし、煽るような言い方になってしまったと気付いたけど後の祭り……ニコッと笑った勝利君の笑顔に悪寒が走った。
俺は……また墓穴を掘った気がする。
「そっかぁ……ミャオちゃんはまだまだ元気みたいだね」
勝利君はにこやかに指で輪っかを作ると唇に当てた。
ピイィィィィーッ!!
口笛の甲高い音が森に響き渡る。
「しょ……勝利君……何したの?」
笑顔の勝利君の後ろで木の葉が揺れて……一斉に影が飛び出してきた。
『1角兎の群れが現れた』
一本の立派な角を持った兎の群れに囲まれた。
「さあ、ミャオちゃん。特級魔法で一掃する?それとも一体、一体地道に倒す?まあ……どちらを選んでも結果は同じだろうけどね」
笑顔のままで勝利君は立ち位置を示す光の輪の中へ入っていった。
結果は同じ……これだけの数を相手に戦闘を行えば、訪れるのは『接続切れ』
どちらを選んでも同じ結果なら引き伸ばしても仕方がない……でもそれは早く休みたいからで!!勝利君との接続を楽しみにしているからじゃ……決してない!!
誰かに言い訳をしながら特級魔法で全体攻撃の指示を出した。
後に残ったのは大量のドロップ品と『魔法剣士ショーリと接続が切れかかっています。今すぐ接続しますか』というウインドウだけだった。
「入った時からこんな感じ?」
「そうだよ。従魔達には見えないからさ。俺が踏んだ場所を選んで従魔達が追いつける様にってトラップ避けてたから……ミャオちゃんにはキツかったよね、ごめん」
そうだったのか……。
「こっちこそ……なんかごめん」
嫌がらせを疑っていたとは言えず曖昧に謝っておいた。
トラップを怖がっているのか従魔達はぴったりと勝利君にくっついていて……スライムも俺の首にしがみついている。
ちょっと俺も恐怖を感じるよ……。
「そうだ。ミャオちゃん、これ」
そう言って勝利君が差し出してきた手の上にはミニスライム。
「盗聴器がどうしたの?」
「トゲがある言い方、酷い!!ミャオちゃんの独り言盗み聞きしたって怒るから、今度は俺がこの子を持ってたらおあいこかなって思ってさ」
宣言済みの盗聴器になんの意味があるのか分からないけど俺に害は無さそうだし好きにしたらと深く考えなかった。
「…………うわぁぁぁっ!!」
気にしない様に無視し続けていたがとうとう限界に達して俺は遂に悲鳴を上げた。
『ミャオちゃん叫び声まで可愛い。学校にいる時はいつも静かに席に座ってたからミャオちゃんが大声なんて滅多に無かったからなぁ……本当にミャオちゃんと二人きり24時間離れずに居られるなんて幸せだなあ』
首に巻き付いたスライムの体から聞こえてくる呪詛めいた『愛してる』『好き』『可愛い』のヘビーローテーションに洗脳を受けているんじゃなかろうかと発狂しそうだった。
「勝利君!!これは盗聴って言わない!!ただの新手の嫌がらせじゃないか!!」
「『え~嫌がらせなんてひどいなぁ。俺は一人でも常にミャオちゃんへの愛を口にしてるもん。日常だよ!!上目遣いで睨んでくる顔も可愛いね!!俺の口から発せられるのは全てミャオちゃんへの愛の讃歌だよ!!』」
楽しそうに振り返った勝利君はミニスライムをマイクの様に持って2重音声で俺を攻撃してきた。
「どこが日常だよっ!!早くミニスライムを離し……」
『ベアタイガが現れた』
進行方向を塞ぐようにのっそりと2体の魔物が現れた。
「『ミャオちゃんが大声出すから~魔物が寄って来ちゃったね。あ!!暫く接続して無かったから……そっか!!気付かなくてごめん!!俺頑張って戦うよ!!』」
「煩いっ!!さっさと倒してミニスライム返せ~!!」
ガチャガチャと急いでコントローラーを操作して戦闘を開始した。
ーーーーーー
「ふぅ……」
肉体的と精神的……ダブルの疲労感に岩の上に腰を下ろした。
それでもマップで確認すると森の半分以上は進んできた。
勝利君から聞いていた当初の予定には追いつけて無いけど、大幅な遅れでは無くなったと思う。
「ミャオちゃん疲れちゃった!?野営しよっか!!」
さっきからやたらと野営を勧めてくる。
勝利君なら無理やりにでも魔物を追いかけて接続を狙ってきそうなものなのに……何か隠してるな。
「まだ平気だよ。野営しようなんて疲れてるのは勝利君の方なんじゃないの?」
疲れていたし、煽るような言い方になってしまったと気付いたけど後の祭り……ニコッと笑った勝利君の笑顔に悪寒が走った。
俺は……また墓穴を掘った気がする。
「そっかぁ……ミャオちゃんはまだまだ元気みたいだね」
勝利君はにこやかに指で輪っかを作ると唇に当てた。
ピイィィィィーッ!!
口笛の甲高い音が森に響き渡る。
「しょ……勝利君……何したの?」
笑顔の勝利君の後ろで木の葉が揺れて……一斉に影が飛び出してきた。
『1角兎の群れが現れた』
一本の立派な角を持った兎の群れに囲まれた。
「さあ、ミャオちゃん。特級魔法で一掃する?それとも一体、一体地道に倒す?まあ……どちらを選んでも結果は同じだろうけどね」
笑顔のままで勝利君は立ち位置を示す光の輪の中へ入っていった。
結果は同じ……これだけの数を相手に戦闘を行えば、訪れるのは『接続切れ』
どちらを選んでも同じ結果なら引き伸ばしても仕方がない……でもそれは早く休みたいからで!!勝利君との接続を楽しみにしているからじゃ……決してない!!
誰かに言い訳をしながら特級魔法で全体攻撃の指示を出した。
後に残ったのは大量のドロップ品と『魔法剣士ショーリと接続が切れかかっています。今すぐ接続しますか』というウインドウだけだった。
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