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空いた従者枠
スキップ機能が欲しかった
「トラップ系の魔法はルードの得意技だからこの森にいるなとは思ってたけど、夜行性で昼間は寝てるだけのキャラだから会わずに森を抜けれると思ったんだけど……まさかこの時間に行動してるとは……昨日の夜、近付いた事でフラグでも立ったかな」
勝利君は一歩後退して俺の肩に手を乗せた。
「勝利君……」
そんなに強く掴まれると、肩めっちゃ痛いんですけど!?
勝利君の顔がツッコミをいれる雰囲気では無かったので歯を食いしばって痛みに耐えてみる。
なんとなく……その手が震えている様な気がして……。
「煩い!!俺はずっと一人でやってきた!!これからだってそうするだけだ!!」
そんなに煩くした覚えはないけど、いきなり狼獣人に怒られた。
牙を剥き出しにして怒られると恐い。
「すみません!!すぐに出ていきます!!」
「寂しくなんて……ない」
今すぐ出て行けと怒っていたから、急いで従魔を抱き上げて立ち去ろうと思ったのに……今度は寂しそうな顔で寂しくないと呟かれた。
なんだ?かまってちゃんか?
勝利君は俺の為に作ったって言ってたけど……こんな情緒不安定なキャラが俺の好みだと?
「どうやら俺が作ったキャラと遭遇すると強制的にイベントに突入するみたい……会話がズレてるのは向こうは決められたセリフしか喋られないっぽいね」
「イベント?」
じゃあこの狼獣人は勝利君が作ったセリフを喋らされてるのか。
「俺に構うな!!そうやって……従者になったところで……どうせお前も俺を残して消えるんだろ!?」
狼の獣人は一人で百面相していてちょっと可哀想になってくる。
「うん。森に一人で暮らす強い獣人がいると噂を聞いてミャオちゃんがスカウトしにきた場面。ちなみにルードのキャラ設定は、幼い頃から獣人だからと迫害を受けていたけど、一人のコントローラーと出会い初めての温もりを手に入れた。だけどそのコントローラーはルードを残し死亡。再び心を閉ざし森に篭って一人でいるところをミャオちゃんが胃袋掴んで落とすって感じ」
「そうなんだ……」
胃袋を掴めない俺には関係ないな。
「なんで……そんな笑顔でいられる?お前は……獣人が怖くないのか?」
俺と勝利君の会話は無視で狼獣人は彼の中の『ミャオちゃん』と会話をしながら一人でイベントストーリーを進めている。
「勝利君……もしかして、このまま話が進んじゃうと強制的にあの人を従者にしないといけない流れになるんじゃ……」
従者の空きがなければ良かったけど、従者枠の空いている今、このままこの人といるのは危なくないかと不安になった。
「まだ出会いのイベントだから、そこまでは進まないけど、何度か接触してルードとのイベントが進むと、その可能性はあるかも……俺にもなんとも言えないとこだけど」
「よし!!逃げよう!!」
こんな森は早くおさらばして、もう二度と出会わないようにしないと!!
従魔を抱いて駆け出したけど……見えない壁にぶつかった。
後ろに跳ね返され、倒れそうになったけど勝利君の腕の中に落ち着いた。
「イベントが一区切りつかないと離れられないみたいだね」
えぇ~……。
ーーーーーー
一人芝居を続ける姿をまだかまだかと傍観していると、数十分後にようやく「俺はもう誰も信じない!!」と捨て台詞を吐き捨てて狼獣人は走り去っていった。
「終わったみたいだし行こっか……」
歩き出そうとした体を勝利君に抱き寄せられた。
「勝利……君?どうしたの?」
腰を抱きこまれて、じっと顔を見つめられる。
真剣な眼差し……ゆっくりと勝利君の顔が近づいてきて、何の流れかわからないけどドキドキ心臓が騒ぎ出した。
「ごめん。ミャオちゃんの三半規管に期待する」
耳元で囁かれた謝罪とガチャンという金属音?
下に目を向けるとあのフックで勝利君のベルトと繋がれていた。
「今日は森を抜けたところで野営しようと思ってたけど、今日のうちにスクスプリト山の山頂まで行っちゃおう!!」
返事を聞く前に勝利君は俺の体を抱き上げた。
「そんなに焦らなくても、いま去って行ったばかりで戻っては来ないだろ?」
自分で言ったけど、この世界に常識は通用しないんだったと思い返した。
「だめ!!次にあったら接続こそしないけどちょっと不愉快なシーンがあるんだから!!ミャオちゃんがあいつを従者にしたいって思ったなら……我慢するけど……」
全然我慢できてない表情に軽く吹き出してしまった。
「そんな笑ってるけど従者枠が空いてる今のミャオちゃんは裸で大股を開いて道端で座ってる様な状況なんだからね!!そんな無防備な状態なんだからイベント回避したいならできるだけ早く遠くに行かないと!!」
「……そういう人を変態にした例えはやめてくれる?でも早く離れないとって事はわかったよ。なるべく頑張る」
勝利君の首に腕を回すと地面を蹴って勝利君に抱きついた。
乗り物酔いと貞操の危機なら乗り物酔いの方がマシだ。
「トラップも減ったしなるべく真っ直ぐ進む様にするね」
頑張ってねと頬にキスをされて……ときめきを覚える前に勝利君は急加速した。
勝利君は一歩後退して俺の肩に手を乗せた。
「勝利君……」
そんなに強く掴まれると、肩めっちゃ痛いんですけど!?
勝利君の顔がツッコミをいれる雰囲気では無かったので歯を食いしばって痛みに耐えてみる。
なんとなく……その手が震えている様な気がして……。
「煩い!!俺はずっと一人でやってきた!!これからだってそうするだけだ!!」
そんなに煩くした覚えはないけど、いきなり狼獣人に怒られた。
牙を剥き出しにして怒られると恐い。
「すみません!!すぐに出ていきます!!」
「寂しくなんて……ない」
今すぐ出て行けと怒っていたから、急いで従魔を抱き上げて立ち去ろうと思ったのに……今度は寂しそうな顔で寂しくないと呟かれた。
なんだ?かまってちゃんか?
勝利君は俺の為に作ったって言ってたけど……こんな情緒不安定なキャラが俺の好みだと?
「どうやら俺が作ったキャラと遭遇すると強制的にイベントに突入するみたい……会話がズレてるのは向こうは決められたセリフしか喋られないっぽいね」
「イベント?」
じゃあこの狼獣人は勝利君が作ったセリフを喋らされてるのか。
「俺に構うな!!そうやって……従者になったところで……どうせお前も俺を残して消えるんだろ!?」
狼の獣人は一人で百面相していてちょっと可哀想になってくる。
「うん。森に一人で暮らす強い獣人がいると噂を聞いてミャオちゃんがスカウトしにきた場面。ちなみにルードのキャラ設定は、幼い頃から獣人だからと迫害を受けていたけど、一人のコントローラーと出会い初めての温もりを手に入れた。だけどそのコントローラーはルードを残し死亡。再び心を閉ざし森に篭って一人でいるところをミャオちゃんが胃袋掴んで落とすって感じ」
「そうなんだ……」
胃袋を掴めない俺には関係ないな。
「なんで……そんな笑顔でいられる?お前は……獣人が怖くないのか?」
俺と勝利君の会話は無視で狼獣人は彼の中の『ミャオちゃん』と会話をしながら一人でイベントストーリーを進めている。
「勝利君……もしかして、このまま話が進んじゃうと強制的にあの人を従者にしないといけない流れになるんじゃ……」
従者の空きがなければ良かったけど、従者枠の空いている今、このままこの人といるのは危なくないかと不安になった。
「まだ出会いのイベントだから、そこまでは進まないけど、何度か接触してルードとのイベントが進むと、その可能性はあるかも……俺にもなんとも言えないとこだけど」
「よし!!逃げよう!!」
こんな森は早くおさらばして、もう二度と出会わないようにしないと!!
従魔を抱いて駆け出したけど……見えない壁にぶつかった。
後ろに跳ね返され、倒れそうになったけど勝利君の腕の中に落ち着いた。
「イベントが一区切りつかないと離れられないみたいだね」
えぇ~……。
ーーーーーー
一人芝居を続ける姿をまだかまだかと傍観していると、数十分後にようやく「俺はもう誰も信じない!!」と捨て台詞を吐き捨てて狼獣人は走り去っていった。
「終わったみたいだし行こっか……」
歩き出そうとした体を勝利君に抱き寄せられた。
「勝利……君?どうしたの?」
腰を抱きこまれて、じっと顔を見つめられる。
真剣な眼差し……ゆっくりと勝利君の顔が近づいてきて、何の流れかわからないけどドキドキ心臓が騒ぎ出した。
「ごめん。ミャオちゃんの三半規管に期待する」
耳元で囁かれた謝罪とガチャンという金属音?
下に目を向けるとあのフックで勝利君のベルトと繋がれていた。
「今日は森を抜けたところで野営しようと思ってたけど、今日のうちにスクスプリト山の山頂まで行っちゃおう!!」
返事を聞く前に勝利君は俺の体を抱き上げた。
「そんなに焦らなくても、いま去って行ったばかりで戻っては来ないだろ?」
自分で言ったけど、この世界に常識は通用しないんだったと思い返した。
「だめ!!次にあったら接続こそしないけどちょっと不愉快なシーンがあるんだから!!ミャオちゃんがあいつを従者にしたいって思ったなら……我慢するけど……」
全然我慢できてない表情に軽く吹き出してしまった。
「そんな笑ってるけど従者枠が空いてる今のミャオちゃんは裸で大股を開いて道端で座ってる様な状況なんだからね!!そんな無防備な状態なんだからイベント回避したいならできるだけ早く遠くに行かないと!!」
「……そういう人を変態にした例えはやめてくれる?でも早く離れないとって事はわかったよ。なるべく頑張る」
勝利君の首に腕を回すと地面を蹴って勝利君に抱きついた。
乗り物酔いと貞操の危機なら乗り物酔いの方がマシだ。
「トラップも減ったしなるべく真っ直ぐ進む様にするね」
頑張ってねと頬にキスをされて……ときめきを覚える前に勝利君は急加速した。
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