最凶のダンジョンで宿屋経営

藤雪たすく

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コンプ魂の話

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「これがG、これがS、これがB」
金色と、銀色と、銅色のコインが並べられた。

「さらにBG、BS、BB」
一回り大きな金色と、銀色と、銅色のコインを並べる。

「1Bが50枚で1BB、1Bが100枚で2BBまたは1Sになる……わかる?」

まぁ足し算ぐらいはできるし、進法、単位の関係がわかれば、価値はわからないけど計算は出来る。

頷くと頭を撫でられて褒められた。
まるっきり子供扱いだな……同い年なのに。
意外にも面倒見の良い皇子様は俺にお金の価値を教えてくれた。どちらかというと馬鹿犬かと思っていたけど常識あるみたい。

ダンジョンの外で普通の街の、普通の宿に泊まった時の宿代が1部屋大体5G～10G。
食事は1食50S～1G。

「ちなみにお姉ちゃんと1晩遊ぶと指名無しで30Gだな。カラスマなら俺は500G出しても良い」

耳元で余計な情報をくれたので、思いっきり耳を引っ張ってやった。

……リーダー達、宿代100G入れてたよな……そこまでのもてなしもしてないのに相場の10倍って……暴利だな。お土産の面の価格も50Gだったし、この宿、食事以外はぼったくりだ。

一生懸命教えてくれるヒュウガには悪いがお金を使う予定がないので軽く流した。
それよりも早くタブレットの確認がしたい。

一通りお金の説明を受けてお礼を言うと、大浴場の方ヘ向かう。
お風呂に入るのかと勘違いしたようで俺も俺もと、ついて来るが目的の場所は温泉ではない。

大浴場の隣にあったお休み処と書かれていた部屋。
予想通り、畳の部屋にクッションや座椅子やらマッサージ機などリラックスできる道具が揃っている。

クッションを取り出して身を預けてタブレットを開くと、俺の横に寄り添う様に狼になったヒュウガが横たわった。
アスの言葉に忠実に俺を守ろうとしてくれているのだろうか?

ありがとうと、お腹の辺りをわしわし撫でてタブレットを確認した。

いろいろ変わってるかと期待したけど、ホーム画面に増えた項目は『図鑑』のみ。
もともとあったアイコンには全てNEWマークがついて入るけど……もっと新機能が増えたかとちょっと期待してたのになぁ～。

『図鑑』を開くと、『生物』『道具』『植物』『食べ物』『その他』と分かれている。

『生物』
今まで出会った生き物が載っている……人間も生き物の中に入っていた。
ヨハンやジョセフの欄もあり、こちらは俺との関係性は関係ない様だ。
怪我をしていた方がヨハンらしい。

『道具』
防具修復機、解体機とか自動販売機とかスキルで出て来た機械達が並ぶ。
自動販売機は何で出てきたんだろう?俺なんか願ったっけ?
ヒュウガのご飯の心配をしてたからかな?

『植物』
ジュエルベリーの説明が書いてあった。
食べると幸福が訪れる不思議な実らしい。
世界樹の事にも触れられていた生命の源となる樹。

『食べ物』
俺が作った料理が載っている。食べた時の効能まで書かれている。

『その他』
世界樹の朝露、瀕死回復。

ほとんどがシルエットに?マーク。
これは……コンプリート癖を刺激される。
ちょっと楽しみが出来たかも。

ホームに戻りステータスを確認する。
レベル.27って……最後に見た時10だったから凄い上がってるんだけど……。

他の人よりレベルの上がり方がおかしいのは、アスとのセックスだから……?

自分で考えた答えに恥ずかしくなり床を叩く姿をヒュウガが心配そうな目で見てきた。いっそ冷めた目で見てくれた方が優しさだ。

『回想』は……爺さんの欄が増えたのとアスとの映像が増えた。
爺さんはレベル.420か……ヒュウガより上なんだ。
リーダーのレベルが上がってる。
レベル.151……皆に比べるとかなり劣る。
俺からすると桁違いだけどね。

『ショッピング』
新商品が増えていた。欲しいものは……よくわからないや。

あ……所持金が642Gになってる。リーダーと爺さん奮発してくれたんだなぁ。

実はここに来る途中、見てしまった。
お土産屋さんに置いた、あの小面が売り切れていた……あんな物、誰が買ったんだ?

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