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ゆっくり大人に……
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左手には祝いの指輪を、右手には呪いの指輪を……程よく厨ニっぽくなった自分の両手を握りしめた。
ルノさんから久しぶりに一緒に寝ようとお誘いを受けた。
初夜ですか?初夜ですね!!
緊張してベッドの上で正座をして、準備をしてくると言ったルノさんを待っていると戸を開く音が背後で聞こえる。
近付いてくる足音が心臓の鼓動で打ち消され、ドクドクと流れる血管の圧迫感を感じ、虫の鳴き声とか他の音は何も聞こえなくなったのに、ベッドの軋む微かな音はいやに大きく聞こえた。
肩に掛けられた手にビクッと体が跳ねる。
「シーナ……寝よう」
「は……はひ!!」
呪いの指輪のおかげで俺の防御力と生命力は底上げされている……大丈夫……いける。いけるはず!!
正座を崩し誘われるまま布団の中へ入り込んで、並べた体を腕で抱き込まれた。
どうすれば良いんだろう……何をすれば良いんだろう。まずはキスだろうか?
キスは何度も重ねたが……濃厚なキスすらまだ未経験で……握りしめた手のひらにじんわりと汗が滲む。
「おやすみ、シーナ」
「…………おやすみなさい?」
そう言うとルノさんはゆっくりと目を閉じて眠りの姿勢に入ってしまった。
これは……また肩透かしパターンか!!
「あの……ルノさん?」
「どうした?」
やらないのかって俺から聞くのもあれだけど……20歳の男が将来を誓いあった相手と共に寝て、何も感じないものだろうか?
「そんなに怯えなくても何もしないよ。だからそんなに震えないでくれ」
言われて気が付くと、手が震えていた。
「俺は……平気です」
俺が逃げ続けて、欲求を溜め込んだルノさんの体に他の女の人が触れるとか……やだ。
「……隊長からシーナの悩み、聞いたよ。無理しないで?」
隊長め……勝手に……。
本当にあの人、ルノさんに関わる事になると甘いな。
勝手に性の悩みをバラされた憤りはあるが、いつかルノさんとは話し合わなければいけない事で……悩みを隠してお互い無理をしていればいずれ綻び始める。
隊長から前知識として聞いてくれていた事は結果的には俺には気が楽かもしれない。
「意気地無しですみません……」
でも怖いものは怖くて……無理やりにやってもらえたらいずれ慣れていくのではと思ったりもする。
「そんな無理して体を差し出してくれようとしなくても、俺はシーナとこうして触れ合えてるだけで幸せだ。シーナが俺を求めてくれるなら別だけど……まだ違うでしょ?」
「ルノさんと抱き合って眠るのは好きです」
力強い腕も温もりも匂いも……全てに安心感を感じる。
心は一緒に寄り添い溶け合って、一つになるぐらい通じ合っていると感じる程なのに、体となるとまだ……怖い。
「隊長ほど体格が違うわけでは無いけれど、平均より小さなシーナと俺の体格差を考えると恐怖を感じるのも仕方ないよ。準成人を迎えたと言ってもまだまだ大人と子供の境だからね。慌てないで……」
あやす様に背中を擦られた。
体格差というか、ナニの大きさと攻撃力にビビっていたんだけど……隊長なのかルノさんなのかは分からないけど、悩みをオブラートに包んでくれた。
隊長のは……あれはドーピングでズルだと思っているが、ルノさんだって俺に比べれば十分……。
俺も成人を迎える頃にはルノさんぐらいの背になっているのだろうか?
「シーナとそういう事を望まない訳ではないけれど、それが全てでは無い。それはシーナだって同じだと思っているんだけど?」
ルノさんの体目当てという事は全く無い。
体の関係よりも、ただルノさんと一緒に居たいだけ。一緒に居てもらうために、差し出せる物があるなら……なんて思っていた。
そんな考えこそ隊長のルノさんを信じてない証だった。
無理をしなくても、俺が成長するまで待ってくれるという優しさに包まれ甘えながら……二人で眠りに落ちた。
ルノさんから久しぶりに一緒に寝ようとお誘いを受けた。
初夜ですか?初夜ですね!!
緊張してベッドの上で正座をして、準備をしてくると言ったルノさんを待っていると戸を開く音が背後で聞こえる。
近付いてくる足音が心臓の鼓動で打ち消され、ドクドクと流れる血管の圧迫感を感じ、虫の鳴き声とか他の音は何も聞こえなくなったのに、ベッドの軋む微かな音はいやに大きく聞こえた。
肩に掛けられた手にビクッと体が跳ねる。
「シーナ……寝よう」
「は……はひ!!」
呪いの指輪のおかげで俺の防御力と生命力は底上げされている……大丈夫……いける。いけるはず!!
正座を崩し誘われるまま布団の中へ入り込んで、並べた体を腕で抱き込まれた。
どうすれば良いんだろう……何をすれば良いんだろう。まずはキスだろうか?
キスは何度も重ねたが……濃厚なキスすらまだ未経験で……握りしめた手のひらにじんわりと汗が滲む。
「おやすみ、シーナ」
「…………おやすみなさい?」
そう言うとルノさんはゆっくりと目を閉じて眠りの姿勢に入ってしまった。
これは……また肩透かしパターンか!!
「あの……ルノさん?」
「どうした?」
やらないのかって俺から聞くのもあれだけど……20歳の男が将来を誓いあった相手と共に寝て、何も感じないものだろうか?
「そんなに怯えなくても何もしないよ。だからそんなに震えないでくれ」
言われて気が付くと、手が震えていた。
「俺は……平気です」
俺が逃げ続けて、欲求を溜め込んだルノさんの体に他の女の人が触れるとか……やだ。
「……隊長からシーナの悩み、聞いたよ。無理しないで?」
隊長め……勝手に……。
本当にあの人、ルノさんに関わる事になると甘いな。
勝手に性の悩みをバラされた憤りはあるが、いつかルノさんとは話し合わなければいけない事で……悩みを隠してお互い無理をしていればいずれ綻び始める。
隊長から前知識として聞いてくれていた事は結果的には俺には気が楽かもしれない。
「意気地無しですみません……」
でも怖いものは怖くて……無理やりにやってもらえたらいずれ慣れていくのではと思ったりもする。
「そんな無理して体を差し出してくれようとしなくても、俺はシーナとこうして触れ合えてるだけで幸せだ。シーナが俺を求めてくれるなら別だけど……まだ違うでしょ?」
「ルノさんと抱き合って眠るのは好きです」
力強い腕も温もりも匂いも……全てに安心感を感じる。
心は一緒に寄り添い溶け合って、一つになるぐらい通じ合っていると感じる程なのに、体となるとまだ……怖い。
「隊長ほど体格が違うわけでは無いけれど、平均より小さなシーナと俺の体格差を考えると恐怖を感じるのも仕方ないよ。準成人を迎えたと言ってもまだまだ大人と子供の境だからね。慌てないで……」
あやす様に背中を擦られた。
体格差というか、ナニの大きさと攻撃力にビビっていたんだけど……隊長なのかルノさんなのかは分からないけど、悩みをオブラートに包んでくれた。
隊長のは……あれはドーピングでズルだと思っているが、ルノさんだって俺に比べれば十分……。
俺も成人を迎える頃にはルノさんぐらいの背になっているのだろうか?
「シーナとそういう事を望まない訳ではないけれど、それが全てでは無い。それはシーナだって同じだと思っているんだけど?」
ルノさんの体目当てという事は全く無い。
体の関係よりも、ただルノさんと一緒に居たいだけ。一緒に居てもらうために、差し出せる物があるなら……なんて思っていた。
そんな考えこそ隊長のルノさんを信じてない証だった。
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