家族のカタチ~旦那さまと息子ができました~

reina

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「こんにちは、お邪魔します」

指定された日時に東さんの家の訪問すると、出迎えてくれたのは東さん一人。

「すいません、わざわざ来ていただいて」
「いいえ。東さんお一人ですか?」
「はい。・・・ああ、いえ、橘は部屋にいます」

ふむ、これはどう解釈しようか。

「とりあえず、リビングへ」
「そうですね」

案内されるままに前回通されたリビングに入ったんだけど、その様子は以前とは比べ物にならなかった。

「・・・業者でもいれました?」
「一応、ハウスクリーニングをお願いしました。さすがに、自分たちでは手が・・・」
「ですよねぇ」
「ソファへどうぞ。珈琲でいいでしょうか」
「あ、お構いなく」

東さんがキッチンがあるだろう方向へ消えていったあと、ぐるりと部屋の中を見回した。
前回のゴミがあちこちに、部屋の隅にはほこりが・・って部屋もどうかと思ったけど。
今回の部屋はどこのモデルハウス!?とでもいうように、生活感がない。

きょろきょろと見回していると、一つの写真立てが目に入った。
ちょっと気になって手に取ると、そこには今よりちょっと若い東さんと、中学生ぐらいの少年、少しだけ白髪交じりの男性が写っていた。
中学生ぐらいの子はたぶん、橘くんだろう。
では、この男性は?

「その写真は、数年前にみんなでキャンプに行った時の写真ですよ」

いつの間にか、隣に東さんが立っていた。

「橘が小学生ぐらいの時からでしょうか。毎年夏になると、教授と橘と俺と。海に山に、いろんなところへ行ったものです」
「そうですか」

ということは、この人が橘くんのお父さんってことかな?

「ちょっと想像より年上でした」
「でしょうね。橘は、教授が40を過ぎたころにやっと授かった子供でした。長年連れ添っていた奥様が待望していた子だったそうです」

そういって、近くの棚にあった別の写真立てを見せてくれた。
そこには先ほどよりちょっと若い男性と、優しそうな女性、それと、その腕に包まれて眠る赤ん坊が写っていた。

「教授は、私の大学時代の恩師で、大学を卒業したあとも親しくさせてもらっていました。奥様が橘が小さいころに亡くなったこともあって、よく大学の方に連れてきていたんですよ」

懐かしそうに言う橘さん。
本当に仲が良かったんだなぁ、その教授さんと。



というか、そういう関係なのに、よく橘くんに手を出せたね、東さん。


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