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Case.04 心情
西都 西地区β 四月十三日 午後五時四十分
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深海の様な調光を施され、罅割れを模した石造りの床が拡がる開け放たれた空間。
白系統で纏められた衣装を纏う疾斗と倉井は、監督とともに十数分前に撮影された映像を音と合わせて見つめる。
先日から撮影しているのは、インターネット上で楽曲展開して人気を博す男女ユニットシンガーのプロモーション映像だ。
メディアに姿を見せることはほぼ無く、これまでの楽曲映像も本人達は出演しない代わりに様々な男女ペアが出演し、話題を集めている。
今回は自身の中にある問答・善悪・真偽に葛藤する様が歌われており、その歌詞を映像化するにあたって新型模造機体のプロモーションを兼ねさせてもらった、ということらしい。
今確認しているのは、急遽追加となった組手の映像で、元々は鏡写しの自分達が歌詞を唱える事で和解するというシーンだったものだ。
撮影終了となる筈だった三日前、先方から急遽「何処かに戦っているシーンを入れてほしい」と希望が入り、臨場感と熱量に拘る監督の提案で一連の流れを通して撮影する方式を取った。
パネル前や街頭での静止画撮影は、よほどの事態が起きない限りその指示通りに動けばいいため特に問題はないが、映像撮影の場合、顧客の希望が入った際には編集作業に入る迄は出来るだけ対応していくのがこの世界での定石だとなっている。
「──ぅオッケェェーイ!!撤収作業はいってくれ!」
監督の一声で現場内のスタッフ達がそれぞれ安堵や疲労感を口にしながら其々の持ち場の備品を片付けに向かう。
黒系統の服を纏った自分達の分身に付けられた電源スイッチを入れ、メンテナンスモードを立ち上げて一息付けば、無精髭を撫でる監督が人の良さそうな笑みを此方へ向けた。
「いやぁー、ハヤト君とメイちゃんのおかげで本当に良い映像が撮れたよ!悪かったねぇ、忙しい中時間作ってもらって」
「先方の御依頼ですから。より良いモノになるのであれば出来る限り対応するだけです」
「新人が色々やらかしてくれて一時はどうなるかと思ったが、うっ…二人のお陰でなんとか間に合いそうだ」
目頭を押さえて大袈裟な感激を見せる男と驚いて宥める倉井に苦笑し、左手に嵌めた時計型簡易通信端末に目を落としてみるが、盤には長針短針しか見えない。
指を滑らせて通知表示欄を確認するが、其処に並ぶ項目には[0]の表示が続いている。
「しかし凄いね二人とも。サバイバルゲーマーってのはスタントみたいな動きも出来るのかい?」
「私は小さい時から護身を兼ねて古武術やっているんです。今日は銃を使わせていただけたので、そういう動きはありませんでしたけど」
「俺は父と兄の影響で体術と柔術やっていたので」
「なに、お兄さんが居るの!ハヤト君ほどのイケメンのお兄さんならさぞかし男前なんだろうねぇ…どうだい、夜の打ち上げに呼ぶとか」
「ああいや…兄は一般職なのでそういうのは」
ほぼ同じ顔をしているとは言い辛い状況に嘆息を漏らすと、内情を知る娘は口許を隠して笑いを堪えている。呼んだところで「そっちの業界人は面倒そうで」と難癖を付けてきて素直に来るとは思わない。
そもそも、数日前に病院で話した日以降から疾風からは連絡が一切入ってきていない。
過去にも何度かあった事ではあるが、それでも長くて二日ほどだ。それが今回は今日を含めて五日目になる。
正真正銘の外科医である彼だ、いま身を置いている場所の院長が学生時代の先輩であることを考えれば、その腕を知っている上で緊急手術の執刀を任されることもあるだろう。しかし仮に複数件を受け負ったとしても、そう連日連夜行うような事が有るのだろうか。
単純に通信端末の電力切れだとしても、充電する為の電源やツールが無いわけではない筈だ。
(…あの日の翌朝には東都請負業務監視調査機関から調査依頼受託連絡が来た。間違いなく八日夜までの行動は暫定でも判るが…)
帰宅したとすれば本人ないし月原から連絡が入りそうなものだが、再度左手首を覗いてみても通知表示は映されていない。
明後日の夕方には依頼人である佐多へ現状報告を行う予定であるが、このままでは情報の擦り合わせすら出来ないまま当日を迎えかねない。
「ハヤトさん……どうか、しました?」
「いや…すまない。少し考えごとをしていた」
「少しですか?皺、とても深いですけど」
「っ!?」
二人の倉井に顔を覗き込まれている事に驚き、思わず目を瞬かせるとともに眉間へ手を当てる。いつの間にか背後に立っていたもう一人の自分に「どうした?」と首を傾げられ、弱く首を横に振って苦笑した。
「私、打ち上げ前に一度戻るんですけど、ハヤトさんは?」
「事務所に一度戻るつもりだ。家に帰るより近いからそっちで着替える」
「じゃあ良かったら車乗っていってください。今、ヒロさ……あ、えと、け、ケイさんもお仕事終わったそうで来てくれるそうなので…」
送迎に来てくれるらしい相手のをわざわざ呼び直し、耳まで赤く染めて頬を手で包む倉井に思わず笑いながら申し出に頷く。
ケイ、とは疾斗の所属する事務所の後輩・桂馬 浩志のことだ。現在は声優業も兼ねつつメディアモデルとして活動しており、最近は二人で暮らし始めたという。近々其れを発表する為、彼女は疾斗達が籍を置いている事務所に移る事になっている。
二人の関係性は前々から知っているため呼び方など気にはしないが、彼女はどうも照れてしまうらしい。
「私、着替えてケイさんに連絡してきますね」
「あぁ、デカいのが二人ほど邪魔すると伝えといてくれ」
軽く落とした冗談に倉井とその模造機体は笑って手を振る。どこまでも似通い過ぎているその動作に奇妙さを覚えつつ、疾斗は音を消して自身の模造機体へ唇を動かす。
瞳孔の役割を果たすレンズがその動きを読み取り、全てを伝えて顔を上げると深く頷いて控え室の方へと先に足を向けて歩き出す。
「あのぅ…」
「はい?」
「今日は、本当にすみませんでした!」
振り返りざま、廊下中へ高く大きく謝罪の声が響き渡り、怪訝な表情を浮かべてちらとこちらを見ては人が行き交い、疾斗は半ば呆れながら深々と頭を下げ続ける女性の肩を軽く叩く。
謝り続ける目前の女性は、数週間前の現場で撮影直前に呼び出しの声で監督に叱責されていた人物だ。
今回初めて現場作業に就いたという話だが、注意力に欠けているのか一点方向しか見られないのか、毎回撮影中に何かしらのトラブルを起こしている。
今日に限っては体力を消費する模擬戦闘の撮影中に監督への電話連絡を知らせる為に声を張り上げ、集中が途切れてしまった倉井と自分がNGを出してしまい一時撮影を止めざるを得なくなったのだ。
幸い、スタジオを全日貸切にしていた事と午前中にそれが起きたため、夕方にはなってしまったが全工程の撮影を終えることができたので事なきは得られたが、今は出来れば顔を合わせたくない相手である。
撮影を中断した後も頭を下げられてはいるので終わった事としていたが、今回だけでもあまりにも多すぎるミスの回数。監督だけではなく、演者や被写体からも反感を買って怒鳴られかねない。
「……あまりこういう事は言いたくないですが、次からは状況確認くらいお願いできますか?今回は間に合ったから良いですが、万一期限に間に合わなければ連帯責任で他の方にも迷惑になりますので」
「はい…気をつけます……」
注意をされているというのに頬を染めている女に溜息を漏らし、軽く会釈をして背を向ける。本当のところであればもう少し注意をしたいところだが、この後の打ち上げにも来る可能性を考えると、この場で小言じみてしまうのは互いにとってマイナスにしかならない。
先手を常に頭へ置いて動く疾斗にとって、彼女の行動はあまりにも不可解でいやでも目についてしまう。
僅かに疼痛を訴える左頭を軽く支え、自分の荷物を手に持つ模造機体と着替え終わった二人の倉井の元へと歩を進めれば、硝子製の自動扉の向こう側で桂馬が軽く手を上げる。
相変わらず誰からの連絡も入らない端末達に胸騒ぎを覚えつつ、昼間の陽光が残していった大気熱残る外界へと足を踏み出した。
白系統で纏められた衣装を纏う疾斗と倉井は、監督とともに十数分前に撮影された映像を音と合わせて見つめる。
先日から撮影しているのは、インターネット上で楽曲展開して人気を博す男女ユニットシンガーのプロモーション映像だ。
メディアに姿を見せることはほぼ無く、これまでの楽曲映像も本人達は出演しない代わりに様々な男女ペアが出演し、話題を集めている。
今回は自身の中にある問答・善悪・真偽に葛藤する様が歌われており、その歌詞を映像化するにあたって新型模造機体のプロモーションを兼ねさせてもらった、ということらしい。
今確認しているのは、急遽追加となった組手の映像で、元々は鏡写しの自分達が歌詞を唱える事で和解するというシーンだったものだ。
撮影終了となる筈だった三日前、先方から急遽「何処かに戦っているシーンを入れてほしい」と希望が入り、臨場感と熱量に拘る監督の提案で一連の流れを通して撮影する方式を取った。
パネル前や街頭での静止画撮影は、よほどの事態が起きない限りその指示通りに動けばいいため特に問題はないが、映像撮影の場合、顧客の希望が入った際には編集作業に入る迄は出来るだけ対応していくのがこの世界での定石だとなっている。
「──ぅオッケェェーイ!!撤収作業はいってくれ!」
監督の一声で現場内のスタッフ達がそれぞれ安堵や疲労感を口にしながら其々の持ち場の備品を片付けに向かう。
黒系統の服を纏った自分達の分身に付けられた電源スイッチを入れ、メンテナンスモードを立ち上げて一息付けば、無精髭を撫でる監督が人の良さそうな笑みを此方へ向けた。
「いやぁー、ハヤト君とメイちゃんのおかげで本当に良い映像が撮れたよ!悪かったねぇ、忙しい中時間作ってもらって」
「先方の御依頼ですから。より良いモノになるのであれば出来る限り対応するだけです」
「新人が色々やらかしてくれて一時はどうなるかと思ったが、うっ…二人のお陰でなんとか間に合いそうだ」
目頭を押さえて大袈裟な感激を見せる男と驚いて宥める倉井に苦笑し、左手に嵌めた時計型簡易通信端末に目を落としてみるが、盤には長針短針しか見えない。
指を滑らせて通知表示欄を確認するが、其処に並ぶ項目には[0]の表示が続いている。
「しかし凄いね二人とも。サバイバルゲーマーってのはスタントみたいな動きも出来るのかい?」
「私は小さい時から護身を兼ねて古武術やっているんです。今日は銃を使わせていただけたので、そういう動きはありませんでしたけど」
「俺は父と兄の影響で体術と柔術やっていたので」
「なに、お兄さんが居るの!ハヤト君ほどのイケメンのお兄さんならさぞかし男前なんだろうねぇ…どうだい、夜の打ち上げに呼ぶとか」
「ああいや…兄は一般職なのでそういうのは」
ほぼ同じ顔をしているとは言い辛い状況に嘆息を漏らすと、内情を知る娘は口許を隠して笑いを堪えている。呼んだところで「そっちの業界人は面倒そうで」と難癖を付けてきて素直に来るとは思わない。
そもそも、数日前に病院で話した日以降から疾風からは連絡が一切入ってきていない。
過去にも何度かあった事ではあるが、それでも長くて二日ほどだ。それが今回は今日を含めて五日目になる。
正真正銘の外科医である彼だ、いま身を置いている場所の院長が学生時代の先輩であることを考えれば、その腕を知っている上で緊急手術の執刀を任されることもあるだろう。しかし仮に複数件を受け負ったとしても、そう連日連夜行うような事が有るのだろうか。
単純に通信端末の電力切れだとしても、充電する為の電源やツールが無いわけではない筈だ。
(…あの日の翌朝には東都請負業務監視調査機関から調査依頼受託連絡が来た。間違いなく八日夜までの行動は暫定でも判るが…)
帰宅したとすれば本人ないし月原から連絡が入りそうなものだが、再度左手首を覗いてみても通知表示は映されていない。
明後日の夕方には依頼人である佐多へ現状報告を行う予定であるが、このままでは情報の擦り合わせすら出来ないまま当日を迎えかねない。
「ハヤトさん……どうか、しました?」
「いや…すまない。少し考えごとをしていた」
「少しですか?皺、とても深いですけど」
「っ!?」
二人の倉井に顔を覗き込まれている事に驚き、思わず目を瞬かせるとともに眉間へ手を当てる。いつの間にか背後に立っていたもう一人の自分に「どうした?」と首を傾げられ、弱く首を横に振って苦笑した。
「私、打ち上げ前に一度戻るんですけど、ハヤトさんは?」
「事務所に一度戻るつもりだ。家に帰るより近いからそっちで着替える」
「じゃあ良かったら車乗っていってください。今、ヒロさ……あ、えと、け、ケイさんもお仕事終わったそうで来てくれるそうなので…」
送迎に来てくれるらしい相手のをわざわざ呼び直し、耳まで赤く染めて頬を手で包む倉井に思わず笑いながら申し出に頷く。
ケイ、とは疾斗の所属する事務所の後輩・桂馬 浩志のことだ。現在は声優業も兼ねつつメディアモデルとして活動しており、最近は二人で暮らし始めたという。近々其れを発表する為、彼女は疾斗達が籍を置いている事務所に移る事になっている。
二人の関係性は前々から知っているため呼び方など気にはしないが、彼女はどうも照れてしまうらしい。
「私、着替えてケイさんに連絡してきますね」
「あぁ、デカいのが二人ほど邪魔すると伝えといてくれ」
軽く落とした冗談に倉井とその模造機体は笑って手を振る。どこまでも似通い過ぎているその動作に奇妙さを覚えつつ、疾斗は音を消して自身の模造機体へ唇を動かす。
瞳孔の役割を果たすレンズがその動きを読み取り、全てを伝えて顔を上げると深く頷いて控え室の方へと先に足を向けて歩き出す。
「あのぅ…」
「はい?」
「今日は、本当にすみませんでした!」
振り返りざま、廊下中へ高く大きく謝罪の声が響き渡り、怪訝な表情を浮かべてちらとこちらを見ては人が行き交い、疾斗は半ば呆れながら深々と頭を下げ続ける女性の肩を軽く叩く。
謝り続ける目前の女性は、数週間前の現場で撮影直前に呼び出しの声で監督に叱責されていた人物だ。
今回初めて現場作業に就いたという話だが、注意力に欠けているのか一点方向しか見られないのか、毎回撮影中に何かしらのトラブルを起こしている。
今日に限っては体力を消費する模擬戦闘の撮影中に監督への電話連絡を知らせる為に声を張り上げ、集中が途切れてしまった倉井と自分がNGを出してしまい一時撮影を止めざるを得なくなったのだ。
幸い、スタジオを全日貸切にしていた事と午前中にそれが起きたため、夕方にはなってしまったが全工程の撮影を終えることができたので事なきは得られたが、今は出来れば顔を合わせたくない相手である。
撮影を中断した後も頭を下げられてはいるので終わった事としていたが、今回だけでもあまりにも多すぎるミスの回数。監督だけではなく、演者や被写体からも反感を買って怒鳴られかねない。
「……あまりこういう事は言いたくないですが、次からは状況確認くらいお願いできますか?今回は間に合ったから良いですが、万一期限に間に合わなければ連帯責任で他の方にも迷惑になりますので」
「はい…気をつけます……」
注意をされているというのに頬を染めている女に溜息を漏らし、軽く会釈をして背を向ける。本当のところであればもう少し注意をしたいところだが、この後の打ち上げにも来る可能性を考えると、この場で小言じみてしまうのは互いにとってマイナスにしかならない。
先手を常に頭へ置いて動く疾斗にとって、彼女の行動はあまりにも不可解でいやでも目についてしまう。
僅かに疼痛を訴える左頭を軽く支え、自分の荷物を手に持つ模造機体と着替え終わった二人の倉井の元へと歩を進めれば、硝子製の自動扉の向こう側で桂馬が軽く手を上げる。
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