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プロローグ 〜轆瀬 梓〜
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私は最近ずっと考えていることがある。
クソったれだったこの裏社会が、尚のこと酷くなったのはいつからだったか。
お祖父様が生きている頃は、ある程度の派閥があったお陰で此処までの無法状態にはなっていなかった。
何というか、マシだった。
お父様が引き継いで間もなく、お祖父様と同盟を組んでいた組織が手のひらを返し、あっという間にこちら側は酷いことになった。
貧困 窃盗 不正 暗殺
…ああいや、裏社会じゃ最後のは必要だ。聞かなかったことにして欲しい。
本当に判らない人間は処分しなければならないし、何より、それが無くなったら私の夫・上総さんの仕事がなくなる。
表社会じゃやれない事だしな。
そう言えば名乗っていなかった。
私は轆瀬梓。
どちらの世界でも【轆瀬財閥】の次世代当主として名が通っているが、こちら側だとだいぶ恐れられている。私自身はまだなにもしてないのだが。
…ん?苗字の音の響きか?訊くという事は想像はしているのだろうな、思っている通りで合っている。
ちなみにお祖父様は轆瀬俏雄という。
間違っても「ヲ」と発音しないでくれ。色々と問題がある気がする…というか、人の名前を間違えることが問題だからな。うん。
今日は表では人あたり良い政治家の不正授受を暴いて一泡吹かせ、帰り道にゴロツキを伸して、今しがたコンクリに詰めてやったところだ。明日朝になったら海に放り込まなくてはな。
金欲しさに襲ってくるにしても、丸腰の女を相手に三人で好き勝手に突っ込んでくるとは頂けない。
せめて強襲方法を練ってから来るべきではないか?無策だから私に負けるのだ、全く。
…こうしている間にもこちら側で貧困層が広がり続けている故に、無法者が増えているのだろうが。
今の状況を何とかしようと走り回るお父様に頼るのは、私としては回避したい。
最近、胃や肩や背中に穴が空いて医者にも通いきりだからな、あまり無理をさせたくはない。
何か良い手段を考えねば。
クソったれだったこの裏社会が、尚のこと酷くなったのはいつからだったか。
お祖父様が生きている頃は、ある程度の派閥があったお陰で此処までの無法状態にはなっていなかった。
何というか、マシだった。
お父様が引き継いで間もなく、お祖父様と同盟を組んでいた組織が手のひらを返し、あっという間にこちら側は酷いことになった。
貧困 窃盗 不正 暗殺
…ああいや、裏社会じゃ最後のは必要だ。聞かなかったことにして欲しい。
本当に判らない人間は処分しなければならないし、何より、それが無くなったら私の夫・上総さんの仕事がなくなる。
表社会じゃやれない事だしな。
そう言えば名乗っていなかった。
私は轆瀬梓。
どちらの世界でも【轆瀬財閥】の次世代当主として名が通っているが、こちら側だとだいぶ恐れられている。私自身はまだなにもしてないのだが。
…ん?苗字の音の響きか?訊くという事は想像はしているのだろうな、思っている通りで合っている。
ちなみにお祖父様は轆瀬俏雄という。
間違っても「ヲ」と発音しないでくれ。色々と問題がある気がする…というか、人の名前を間違えることが問題だからな。うん。
今日は表では人あたり良い政治家の不正授受を暴いて一泡吹かせ、帰り道にゴロツキを伸して、今しがたコンクリに詰めてやったところだ。明日朝になったら海に放り込まなくてはな。
金欲しさに襲ってくるにしても、丸腰の女を相手に三人で好き勝手に突っ込んでくるとは頂けない。
せめて強襲方法を練ってから来るべきではないか?無策だから私に負けるのだ、全く。
…こうしている間にもこちら側で貧困層が広がり続けている故に、無法者が増えているのだろうが。
今の状況を何とかしようと走り回るお父様に頼るのは、私としては回避したい。
最近、胃や肩や背中に穴が空いて医者にも通いきりだからな、あまり無理をさせたくはない。
何か良い手段を考えねば。
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