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ふたりの王子 ー家族
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コルクスは平民の名でコルと、ベルナルは平民の名でベルとしてヴァイを作っていた。平民の名で貴族がこっそりとヴァイを作っている事はよくある事だ。公にしなければ対した問題ではない。
平民がヴァナとヴァイを作るのは以ての外だが。
二人はユグンにいる序でにコバック茶葉園を見に行こうと話をした。もしかしたらアリアナ嬢はひっそりと家族と合流して一緒に暮らしているのかもしれない。もしそうであっても話を聞くだけで無理やり連れ帰る事はしないつもりであった。
茶葉園は山の頂きにあり、なかなか訪ねるのは難しかった。しかしコバックの茶葉が店舗として街中にあった。そこにはコバック茶葉園の他にも輸入された茶葉などが売られている。二人は茶葉屋に足を踏み入れた。
「こんにちは、ご来店は初めてですか?」
ベルとコルが店内をキョロキョロしている姿を見て、キレイな若い女性が奥からやってきた。
「ああ、前に知人から紅茶を進められてね。それが美味しかったから寄ってみたんだ」
「まあ、ありがとうございます」
「たくさんの茶葉があるけど、どう違うの?」
「えっと、すいません。私入ったばかりで勉強中なんです。でもどういった物がお好みなのか分かれば、お勧めしますよ」
「おすすめ、いいね。どういったのがいいの」
コルクスはいつもの軽い感じで話出す。
「こちらの茶葉はおすすめですよ。香ばしい香りが男性にも好まれています。女性へのプレゼントとかでしたら、フルーティーな香りの茶葉が人気です」
「へぇ、いいね。じゃあこれ貰おうか」
「ありがとうございます」
お土産として数点選びヴァイで会計をした。
「最近入ったの?」
コルクスが先ほどの店の女性に聞いた。ベルナルはコミュニケーションではからっきしなのでコルクスに任せている。
「そうです。家族でこのユグンに移住してきたんですよ」
「なんだ、結婚しているのか残念。キレイな売り子さんだと思ったのになぁ」
「あら、ありがとうございます。ここは親族が営んでいるお店なので働かせて貰っています。慣れない事が多いですけど楽しくさせて頂いています」
「そうなんだ、頑張って」
「はい、ありがとうございます。またのお越しを」
お店を出ると近くの食堂に入る。茶葉屋が見える食堂だ。
「最近移住してきて親族経営なら彼女はアリアナ嬢のお姉さんかな?優しそうで美人だ」
「そうだろうな。雰囲気が似ている」
ベルがアリアナの顔を思い出して確信する。
「店の上の部分で暮らしている感じはなかったな」
「店の上は老夫婦が住んでいるようだ。ただの貸店舗なのだろう。店の閉店を待って、彼女の後を付けよう」
夕方になり、店から先ほどの女性が出てきた。店の戸締りをを終えると歩き出した。ふたりの王子は食堂に数時間待たせて貰っていた。そして店から出て来た事を確認すると多めの支払いして女性の後を付けた。
女性は八百屋に行き野菜を買い、パン屋に行き値引きの交渉をしてパンを購入した。街の繁華街を抜けて少し寂れた住宅街に進んでいく。たくさんの食材を買い込んで30分ほど歩いた小さな1軒の家に入る。
「ただいま、パンと野菜買ってきたよ」と、声が聞こえて扉が閉められた。
ここら辺の家は農家の人が冬にだけ訪れる家になる。冬は何mもの雪で覆われている門の外では暮らして行くのは難しいため、冬の間だけの家なのだ。今は冬の真っ最中という事もあり、周りの家からも美味しそうな夕餉の香りがする。
二人は一目がある事から暗くなってから家の中の様子を探る事にした。
家の中では数人の話し声がする。中には子供の声も聞こえた。姉二人は婿を取っている。子供がいても不思議ではない。
辺りは暗くなり小さな家からは明るく照らす窓とスープの香りが漂ってくる。ふたりの王子は家の敷地に忍び込み息をひそめた。耳に小さな魔石で出来たイヤホンのようなものをして家族の会話を聞いている。先ほど店で支払いの時に女性の袖のボタンに魔法陣を取り付けた。それは遠くにいる人たちの会話が拾える魔法陣だった。家族との会話を聞こうとしているのだ。
部屋の中では薪の音や料理をしている音、子供の足音様々な音が拾えた。
「姉様、外は寒かったでしょう?」
「ええ、雪はそうでもなかったけど、パン屋が遠いのはつらいわ。マルクスは魔法円は売れたの?」
二人の女性の声がする。
「ああ、俺こういう作業の方が向いているみたい。銀貨3枚だったよ」
アリアナの姉シルビアの婿だろう。
「すごいじゃない!」
「お義兄様は器用だから、その点ジョージはダメね。業務ギルドで何かを教える方が向いていると思うんだけど」
もう一人のアリアナの姉エルトワの婿の事だ。
「ジョージ叔父様は計算が得意だよね。僕に教えてくれた」
幼い男の子も聞こえる。
「そういう講師はいっぱいいるって言われちゃったんだよ」
「マルクスもジョージも申し訳ない」
そこで年配の男が聞こえた。アリアナの父リベアールだろう。
「おじい様、また言ってる」
「そうですよ。お義父さん、春になったら茶葉園で頑張りましょう!」
「お父様、お母様の具合は?」
「ああ、今日は調子がいいみたいだった」
「そう…こっちに来ればいいのに」
「まだ、立ち直ってない。まだ絵姿を見て時々泣いている」
「なんで泣いてるのー。おばあ様、可哀そう」
「きっと春になったら元気になるわ」
「あら、リズが泣いているわよ」
遠くから赤ん坊の泣き声が聞こえて来た。
「わあ、大変、姉様あとお願い」
バタバタと移動する音が聞こえた。
平民がヴァナとヴァイを作るのは以ての外だが。
二人はユグンにいる序でにコバック茶葉園を見に行こうと話をした。もしかしたらアリアナ嬢はひっそりと家族と合流して一緒に暮らしているのかもしれない。もしそうであっても話を聞くだけで無理やり連れ帰る事はしないつもりであった。
茶葉園は山の頂きにあり、なかなか訪ねるのは難しかった。しかしコバックの茶葉が店舗として街中にあった。そこにはコバック茶葉園の他にも輸入された茶葉などが売られている。二人は茶葉屋に足を踏み入れた。
「こんにちは、ご来店は初めてですか?」
ベルとコルが店内をキョロキョロしている姿を見て、キレイな若い女性が奥からやってきた。
「ああ、前に知人から紅茶を進められてね。それが美味しかったから寄ってみたんだ」
「まあ、ありがとうございます」
「たくさんの茶葉があるけど、どう違うの?」
「えっと、すいません。私入ったばかりで勉強中なんです。でもどういった物がお好みなのか分かれば、お勧めしますよ」
「おすすめ、いいね。どういったのがいいの」
コルクスはいつもの軽い感じで話出す。
「こちらの茶葉はおすすめですよ。香ばしい香りが男性にも好まれています。女性へのプレゼントとかでしたら、フルーティーな香りの茶葉が人気です」
「へぇ、いいね。じゃあこれ貰おうか」
「ありがとうございます」
お土産として数点選びヴァイで会計をした。
「最近入ったの?」
コルクスが先ほどの店の女性に聞いた。ベルナルはコミュニケーションではからっきしなのでコルクスに任せている。
「そうです。家族でこのユグンに移住してきたんですよ」
「なんだ、結婚しているのか残念。キレイな売り子さんだと思ったのになぁ」
「あら、ありがとうございます。ここは親族が営んでいるお店なので働かせて貰っています。慣れない事が多いですけど楽しくさせて頂いています」
「そうなんだ、頑張って」
「はい、ありがとうございます。またのお越しを」
お店を出ると近くの食堂に入る。茶葉屋が見える食堂だ。
「最近移住してきて親族経営なら彼女はアリアナ嬢のお姉さんかな?優しそうで美人だ」
「そうだろうな。雰囲気が似ている」
ベルがアリアナの顔を思い出して確信する。
「店の上の部分で暮らしている感じはなかったな」
「店の上は老夫婦が住んでいるようだ。ただの貸店舗なのだろう。店の閉店を待って、彼女の後を付けよう」
夕方になり、店から先ほどの女性が出てきた。店の戸締りをを終えると歩き出した。ふたりの王子は食堂に数時間待たせて貰っていた。そして店から出て来た事を確認すると多めの支払いして女性の後を付けた。
女性は八百屋に行き野菜を買い、パン屋に行き値引きの交渉をしてパンを購入した。街の繁華街を抜けて少し寂れた住宅街に進んでいく。たくさんの食材を買い込んで30分ほど歩いた小さな1軒の家に入る。
「ただいま、パンと野菜買ってきたよ」と、声が聞こえて扉が閉められた。
ここら辺の家は農家の人が冬にだけ訪れる家になる。冬は何mもの雪で覆われている門の外では暮らして行くのは難しいため、冬の間だけの家なのだ。今は冬の真っ最中という事もあり、周りの家からも美味しそうな夕餉の香りがする。
二人は一目がある事から暗くなってから家の中の様子を探る事にした。
家の中では数人の話し声がする。中には子供の声も聞こえた。姉二人は婿を取っている。子供がいても不思議ではない。
辺りは暗くなり小さな家からは明るく照らす窓とスープの香りが漂ってくる。ふたりの王子は家の敷地に忍び込み息をひそめた。耳に小さな魔石で出来たイヤホンのようなものをして家族の会話を聞いている。先ほど店で支払いの時に女性の袖のボタンに魔法陣を取り付けた。それは遠くにいる人たちの会話が拾える魔法陣だった。家族との会話を聞こうとしているのだ。
部屋の中では薪の音や料理をしている音、子供の足音様々な音が拾えた。
「姉様、外は寒かったでしょう?」
「ええ、雪はそうでもなかったけど、パン屋が遠いのはつらいわ。マルクスは魔法円は売れたの?」
二人の女性の声がする。
「ああ、俺こういう作業の方が向いているみたい。銀貨3枚だったよ」
アリアナの姉シルビアの婿だろう。
「すごいじゃない!」
「お義兄様は器用だから、その点ジョージはダメね。業務ギルドで何かを教える方が向いていると思うんだけど」
もう一人のアリアナの姉エルトワの婿の事だ。
「ジョージ叔父様は計算が得意だよね。僕に教えてくれた」
幼い男の子も聞こえる。
「そういう講師はいっぱいいるって言われちゃったんだよ」
「マルクスもジョージも申し訳ない」
そこで年配の男が聞こえた。アリアナの父リベアールだろう。
「おじい様、また言ってる」
「そうですよ。お義父さん、春になったら茶葉園で頑張りましょう!」
「お父様、お母様の具合は?」
「ああ、今日は調子がいいみたいだった」
「そう…こっちに来ればいいのに」
「まだ、立ち直ってない。まだ絵姿を見て時々泣いている」
「なんで泣いてるのー。おばあ様、可哀そう」
「きっと春になったら元気になるわ」
「あら、リズが泣いているわよ」
遠くから赤ん坊の泣き声が聞こえて来た。
「わあ、大変、姉様あとお願い」
バタバタと移動する音が聞こえた。
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