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第54話
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「じゃあ今日はゆっくり休むといい。昨日の事があるから体はまだびっくりしていると思う」
ガロは優しくリアに問いかけた。
リアは部屋に戻るがなにか落ち着かない。休むと言っても何をしていいか分からない。そうだと思い立ち、昨日の薬草を売りに行こうと冒険者ギルドに向かう事にした。せっかく冒険者になったのだ取引がしてみたい。
冒険者ギルドで依頼内容を確認してカウンターまで持っていった。
「や、薬草の依頼ですか?キレイに摘まれていますね。査定しましょう。し、少々お待ちください」
対応してくれた若い男性職員が挙動不審だ。それになんだか周りからチラチラヒソヒソとされている気がする。昨日のシンとの出来事がもう広まっているのだろうか。ひどい火傷だと言っていた。
「お待たせしました。キリン草が5束で、銀貨3枚と、ハワイ草が5束で、銀貨5枚です。1本ロロピアーナ花が1本、銀貨3枚ですので、全部で金貨1枚と銀貨1枚になります」
1束は10本になる。
「よろしいでしょうか」
「それでお願い致します」
ヴァイで受取りをする。
「いやぁ丁寧に摘まれていましたからマイナス要素がありませんでした。なにも知らない新人は葉や根がボロボロだったりします。折角銀貨1枚の価値があるものでも大銅貨6枚に減っていしまったりするので、とても勿体ないんですよ。ロロピアーナ花は内服のポーションに欠かせないもので大変貴重です。今では管理されている花なのですがどうされたのですか?」
「そうなんですか?薬草を探していたら真ん中にポツンと咲いていたから摘んできました。なんか本で見た事あるなって思ったの。まさかこんな値が付くなんて…」
職員と何気ない会話をして、初冒険者としての利益を喜んだ。
「君、冒険者なの?」
「え?」
帰ろうとしていたリアに武装は立派な金髪の冒険者が話しかけて来た。
「ひとり?ねぇ君、俺たちのCクラスパーティー「ゴールドシップ」に入らない?」
「え?いえ、私は長く冒険者をするつもりはなくて…」
逃げようとするリアに数人の男が周りを囲い出した。
「え?え?」
「ピンクの髪なんてすごく珍しいね。染めている訳ではないよね?」
リアの髪を勝手に触っている。
ピンク!?あっそのまま出て来たから変装をしていない。黒のショールも巻いてない。ああバカバカ、せめて首に巻いていれば。
「おい、その辺にしとけよ。可愛い子を見るといつも強引に誘っているな」
渋い声のヒーローのお出ましかと思ったがガロだった。
「ガロ、またおまえらか!メルの時もコアの時もシンの時も、いつもおまえらは俺らのスカウトを邪魔をする。いい加減にしろ!」
「純粋なスカウトなら邪魔はしない。お前らには苦情が出ているんだ。冒険者の先輩として規制を教えるのも先輩としての役目なんだ。それにその子はすでに、オレンジサンダーのメンバーだ。手を出したりしたらマオの炎が飛んでくるぞ」
「なっっ!!くっそーー!」
覚えてやがれー!と言わんばかりの顔で男たちは去っていった。
「またありがとうございます」
「今日は部屋でゆっくりするように言わなかったか」
ガロは先ほどと違い冷たい表情でリアを見ている。
「え?…私はこれから先あなた方の言う通りに行動をしないといけないの?」
リアはムッとして答える。
「はぁあんたもシンよりだな、気が強い」
「気の弱い女なんかこの世にいないわよ。いるんなら連れてきてほしいわね」
「たくさんいるだろう。現に私の婚約者は大人しくて従順だ」
「っぷ、それは演技よ。大人しく従順に見せているだけ。まぁ男性は騙されていたいからそれでいいのかもしれないけど、私はそんな面倒な演技をするのは御免なの」
「…」
ガロは演技などではない、と言う言葉を飲み込む。女と口喧嘩をするつもりなどないのだ。
「もう大丈夫よ。黒のショール持ってきてるから」
リアはそう言うとメイクルームに向かった。そして地味子になって出てきた。ガロにニコリと笑ってヨモの紅茶屋に向かう。
「ヨモ、こんにちは」
「え?あ、いっらしゃいませ。一度お店に来られましたか?ごめんなさい。覚えてなくて…」
「私よ。わ・た・し、リアよ。黒のショールを首に巻いているの」
「え?え?本当にリア?なんだかまた違う雰囲気ね。でも地味は地味ね」
「本来はこの使い方が正解なのよ。私が最初に頭に巻いちゃったから」
「なるほど…でもなんでいきなり?」
「昨日色々あってカツラと黒のショールを外して訪問する必要があって、そしてそのまま冒険者ギルドに行ったら絡まれちゃったの。慌ててメイクルームで黒のショールを巻いてきたの」
「リアは相変わらずね…」
「…そうなの」
「そういえば、昨日何かあったの?」
「何かって?」
リアはドキリとする。
「お店に来るお客様から聞いたんだけど、シンがケガをして運ばれたって。何か知っているかなって」
「ん…ちょっと知っているけど今はまだ話せないかな?もうちょっと落ち着くまで待ってくれる?」
「え?…分かったわ」
ヨモはシンの事が心配なのだろう。リアの反応が薄い事に違和感を覚えている。それからはなんとなく話が終わりヨモも接客に戻ってしまった。
ガロは優しくリアに問いかけた。
リアは部屋に戻るがなにか落ち着かない。休むと言っても何をしていいか分からない。そうだと思い立ち、昨日の薬草を売りに行こうと冒険者ギルドに向かう事にした。せっかく冒険者になったのだ取引がしてみたい。
冒険者ギルドで依頼内容を確認してカウンターまで持っていった。
「や、薬草の依頼ですか?キレイに摘まれていますね。査定しましょう。し、少々お待ちください」
対応してくれた若い男性職員が挙動不審だ。それになんだか周りからチラチラヒソヒソとされている気がする。昨日のシンとの出来事がもう広まっているのだろうか。ひどい火傷だと言っていた。
「お待たせしました。キリン草が5束で、銀貨3枚と、ハワイ草が5束で、銀貨5枚です。1本ロロピアーナ花が1本、銀貨3枚ですので、全部で金貨1枚と銀貨1枚になります」
1束は10本になる。
「よろしいでしょうか」
「それでお願い致します」
ヴァイで受取りをする。
「いやぁ丁寧に摘まれていましたからマイナス要素がありませんでした。なにも知らない新人は葉や根がボロボロだったりします。折角銀貨1枚の価値があるものでも大銅貨6枚に減っていしまったりするので、とても勿体ないんですよ。ロロピアーナ花は内服のポーションに欠かせないもので大変貴重です。今では管理されている花なのですがどうされたのですか?」
「そうなんですか?薬草を探していたら真ん中にポツンと咲いていたから摘んできました。なんか本で見た事あるなって思ったの。まさかこんな値が付くなんて…」
職員と何気ない会話をして、初冒険者としての利益を喜んだ。
「君、冒険者なの?」
「え?」
帰ろうとしていたリアに武装は立派な金髪の冒険者が話しかけて来た。
「ひとり?ねぇ君、俺たちのCクラスパーティー「ゴールドシップ」に入らない?」
「え?いえ、私は長く冒険者をするつもりはなくて…」
逃げようとするリアに数人の男が周りを囲い出した。
「え?え?」
「ピンクの髪なんてすごく珍しいね。染めている訳ではないよね?」
リアの髪を勝手に触っている。
ピンク!?あっそのまま出て来たから変装をしていない。黒のショールも巻いてない。ああバカバカ、せめて首に巻いていれば。
「おい、その辺にしとけよ。可愛い子を見るといつも強引に誘っているな」
渋い声のヒーローのお出ましかと思ったがガロだった。
「ガロ、またおまえらか!メルの時もコアの時もシンの時も、いつもおまえらは俺らのスカウトを邪魔をする。いい加減にしろ!」
「純粋なスカウトなら邪魔はしない。お前らには苦情が出ているんだ。冒険者の先輩として規制を教えるのも先輩としての役目なんだ。それにその子はすでに、オレンジサンダーのメンバーだ。手を出したりしたらマオの炎が飛んでくるぞ」
「なっっ!!くっそーー!」
覚えてやがれー!と言わんばかりの顔で男たちは去っていった。
「またありがとうございます」
「今日は部屋でゆっくりするように言わなかったか」
ガロは先ほどと違い冷たい表情でリアを見ている。
「え?…私はこれから先あなた方の言う通りに行動をしないといけないの?」
リアはムッとして答える。
「はぁあんたもシンよりだな、気が強い」
「気の弱い女なんかこの世にいないわよ。いるんなら連れてきてほしいわね」
「たくさんいるだろう。現に私の婚約者は大人しくて従順だ」
「っぷ、それは演技よ。大人しく従順に見せているだけ。まぁ男性は騙されていたいからそれでいいのかもしれないけど、私はそんな面倒な演技をするのは御免なの」
「…」
ガロは演技などではない、と言う言葉を飲み込む。女と口喧嘩をするつもりなどないのだ。
「もう大丈夫よ。黒のショール持ってきてるから」
リアはそう言うとメイクルームに向かった。そして地味子になって出てきた。ガロにニコリと笑ってヨモの紅茶屋に向かう。
「ヨモ、こんにちは」
「え?あ、いっらしゃいませ。一度お店に来られましたか?ごめんなさい。覚えてなくて…」
「私よ。わ・た・し、リアよ。黒のショールを首に巻いているの」
「え?え?本当にリア?なんだかまた違う雰囲気ね。でも地味は地味ね」
「本来はこの使い方が正解なのよ。私が最初に頭に巻いちゃったから」
「なるほど…でもなんでいきなり?」
「昨日色々あってカツラと黒のショールを外して訪問する必要があって、そしてそのまま冒険者ギルドに行ったら絡まれちゃったの。慌ててメイクルームで黒のショールを巻いてきたの」
「リアは相変わらずね…」
「…そうなの」
「そういえば、昨日何かあったの?」
「何かって?」
リアはドキリとする。
「お店に来るお客様から聞いたんだけど、シンがケガをして運ばれたって。何か知っているかなって」
「ん…ちょっと知っているけど今はまだ話せないかな?もうちょっと落ち着くまで待ってくれる?」
「え?…分かったわ」
ヨモはシンの事が心配なのだろう。リアの反応が薄い事に違和感を覚えている。それからはなんとなく話が終わりヨモも接客に戻ってしまった。
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