彼女はただ満たされたい

皐月 ゆり

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元カノは今日も中に招く

第2話

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 インターホンを押すとすぐにゆりが出迎えてくれる。腕を引っ張られて中に入れば、頭を引き寄せられて唇を奪われる。
 付き合っている男とはほとんどこういうことをしないらしい。だから、一週間分の性欲をゆりは俺にぶつけてくる。付き合っていた頃は週に二回はしていたし、毎回満足した様子に見えていた。こんな風に会ってすぐ求められることはほとんどなかったのだが、今は毎週ほぼこうだった。
 唇を入念に舐められ少しでも口を開けば、そこからにゅるりと舌が侵入してくる。
 最初のキスだけ俺は抵抗を試みる。こんな関係は辞めよう。今週はゆりの家に行かない。そんな達成できなかった思いの最後にくるのが受け入れたりしないぞという最後の抵抗だった。
 しかし、身体はいうことを聞かない。入ってきた舌に俺の舌は絡みつきにいってしまうし、下半身はうずく。固めたはずの意思はすぐに溶けさり、早くも俺はゆりを受け入れ、俺自身が抱えている性欲をゆりにぶつけ出す。
 玄関で思う存分舌を絡ませ互いの身体を撫で合う。
 俺のペニスは下着の中で力強く勃起し、我慢できずにゆりの腰を引き寄せては服越しに擦りつけてしまう。
 口を離しゆりを見つめれば、目は潤み頬は上気し、口から熱い吐息を吐いている。俺も荒い息を吐きながら、完全に出来上がてしまったとわずかに後悔する。
 ゆりは無言で玄関からベッドに移動して俺を手招きした。
 俺が来るとわかっていても、ゆりは男の私物をしまったりはしてくれない。その私物を見て、俺がどんなに萎えるかを知っているはずなのに。
「ねぇ、きて」
 甘い声を出すゆりの元へ不自然なくらいゆったりした動きで移動する。
 回れ右をして家を出たいと思うのに、ゆりの声を振り払えずにベッドに腰を下ろす。先程まで盛り上がっていた気持ちは冷めきってしまっていた。
 俺の前にきて、ゆりは服を脱がしにかかった。もはや抵抗はしないが、進んで脱いだりもしない。それでもゆりは気にせず俺を全裸にすると、自分の服も手早く脱いでいく。
 ゆりが俺の首筋に舌を這わす。ゆりの唾液に濡れた肌がスース―する。舌は下っていき、薄い胸を這いまわり乳輪をなぞった。
 俺は乳首が弱い。この愛撫だけで萎えきったはずのペニスは雄々しく起立し、ビクビクと跳ねる。
「んぅ……」
 屈辱的だと思う。女々しいと思う。ゆりの一番にはなれず、見知らぬ男の私物が散らばる部屋で拒むことも受け入れることもできずに、舐められて声を漏らし、勃起している自分が情けない。
「はぁ、んっ……」
 乳首に吸いつかれ、舌で転がされる。
 ゆりは舌を器用に使う。舌先で突きまわしていたかと思えば、包むかのように舌全体で先端を舐める。その強弱のある技で、俺は乳首だけの刺激で肉棒の先を濡らしてしまう。
 ゆりが俺を押し倒す。
 片方の乳首を飴玉のように口の中で転がしながら、肉棒にゆりが触れた。
 根元を優しく握られ、上下に擦り上げられる。これ以上情けない声を上げさせられたくはないと耐えていると、先端を指先でくりくりといじられた。亀頭に先走り汁を塗り広げるように指を動かされ、その濡れた感覚がフェラを連想させた。
「すっごく濡れてるね」
 そういうと肉棒から手を離し、濡れた指先をぺろりと舐める。
 ベッドから降りて床に膝をついたゆりが、肉棒を両手で包みながら口に含んだ。
「あぁっ……んぅっ」
 我慢しようとしても声が漏れ、腰が動き出す。
「もう無理。我慢できない」
 数分でゆりがそういいながら俺にまたがった。
 生のまま陰部を肉棒に擦りつけ、なんの抵抗もなく中まで招き入れる。
 付き合っていた頃はゴムをつけていた。今は絶対妊娠できないからと薬を飲み、俺と生ではめまくっている。
 ゆりの中はうごめき、俺のモノに絡みつく。
 愛液が潤い、熱く締めつけられ、俺のモノに合わせてオーダーメイドされたのではと思う程フィットしている。
 この感覚が忘れられず、ゆりは俺の身体を求めている。俺もこれがあるから断り切れない部分があるのかもしれない。
 ゆりの腰が激しく動く。俺の腰も意思とは関係なく激しく下から突き上げている。
 頭がどんどん真っ白になっていく。
「んぅっ、気持ちいい……。やっぱり、みっちゃんのが、一番……」
 そんな言葉に興奮し、呆気なく俺はゆりの中に白いドロドロを吐き出してしまっていた。
 搾り取られた、そんな感覚に近い。
 ゆりはそれを受け、身体をのけぞらせて天を仰ぐ。
「あっ……あぁっ、あぁっ」
 ほとんど叫び声を出しながら激しく絶頂を迎えて、ゆりは俺の胸で少し休む。
「じゃあ、シャワー浴びてくる」
 スッキリした顔で何事もなかったようにゆりがそういって、俺の上からいなくなる。その背中を寝転んだまま見送った後、天井を見上げて腕を目の上に乗せた。
「一番なら、俺と付き合ってくれよ」
 情けない呟きとため息が漏れた。ついでに涙まで出てきそうになったので、ぎゅっと腕を目に押し当てて零れさせてなるものかとどうにか押し返そうとした。
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