心より先に体を繋ぐ

皐月 ゆり

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ゆりの場合

達成したその後

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 健斗は黙ったまま私の腰を掴むと、一度腰を引いて一気に奥まで挿入する。それが答えの代わりだと思った。
 一気に奥まで突かれ、なんの愛撫もされていなかったのにすぐにイキそうになってしまう。
 挿入だけで力を使い切ったといわんばかりの健斗は、動こうとはしない。それとは反対に私の腰は快楽を求め動き出してしまう。
 好きな人とやっと繋がれたことに喜んでいるのか、膣壁が中で更に熱く硬く脈打っているモノをきつく締め付けているのを感じた。
 前後、上下に腰を振りながら、私は上りつめていく。
 健斗をイかせなきゃ。最高のセックスにしなきゃという思いがあったが、気持ちがよすぎてそれどころではなくなっていた。腰を振る度に健斗に気持ちよくなってもらわなきゃという考えは頭の片隅へと追いやられていく。
「健斗……、気持ちいいよ……」
 荒い息と喘ぎ声しか口から漏らさない健斗が何を考えているのかは分からない。
 それでも、繋がった部分が繋がるべきものだったのだと感じられるくらいにフィットしていて、健斗もそう感じてくれていたらいいのにと願う。
「もうダメ……、イキそう……」
 今までよりも腰を激しく動かし、秘豆を擦りつけるようにすれば、奥から大きな快感が湧き上がってくるようだった。
「出そう……」
 健斗の呟きに膣がきゅっとしまった。その刺激で一気に頂点まで駆けあがる。
「イク、イクイク……あっ……!」
 体がのけぞり、その快楽を受け止めることで精一杯になる。
 膣がうごめき、中のモノがビクンビクンと動きながらゴム越しでも精子を吐き出しているのが分かった。その跳躍はどんどん動きが弱くなっていくものの、それでも、残りのものを吐き出そうと跳ねられれば声が漏れてしまう程で、イった後も繋がっている部分が気持ちいい。
 動きがなくなり、腰を浮かせた。
 ぷるんと出てきたものには愛液がべっとりとまとわりついている。
 まだ硬さの残るモノからゆっくりとゴムを外し、陰毛にまとわりついている愛液をティッシュで丁寧に拭う。
 そうこうしている間に彼の寝息が聞こえだした。

 目が覚めたら隣りに健斗はいなかった。
 失敗しちゃったのかな。今思うととんでもない勝負にでてしまったと、自分の行動を後悔した。
 あの楽しい飲み会もなくなっちゃうのか……。
 ものすごいさみしさを感じたが、してしまったことをどうすることもできない。布団に潜り込み寝てやり過ごすことしかできないだろう。
 それなのに、布団の中で微かに残る健斗の匂いが胸を締め付け、寝かせてはくれない。
「いつまで布団の中にいるの?」
 健斗を思いながら、ぐずぐずと涙を流していると上から声が降ってきた。
 布団から顔を出すとそこには健斗が立っている。
「なんで、まだいるの?」
 涙声でたずねると、健斗が呆れた顔で見下ろしてきた。
「いちゃダメなわけ?」
 私は慌てて首を横に振った。
 その行動に少し頬を緩めると、屈んで私と視線を合わせた。
「お前さぁ、やり方ずるくない? あんなことされたら揺らぐじゃん」
 私はただ健斗を見つめる。
「行かないで、三城ちゃんのとこ」
 そういえば、乱暴に頭を撫でられた。
「一回家に帰って、三城ちゃんには会いに行くよ。ドタキャンとかできないし。それ終わったらまた来るから、これからどうするか話そう?」
 おでこにキスをすると、健斗は荷物を持って玄関に歩き出した。ドアに手をかける前に、それまでに服くらい着とけよといい残して、外に行ってしまった。
 健斗がまた来てくれる。失敗ではなかったかもしれない。
 これから健斗は私だけを見てくれるかも。私の中がどんどん健斗で埋め尽くされていく。
 スマホを手に取ると彼氏に電話をかけた。
 別れましょう。いつもならそういわれるのを待っているのに、今回は自分から口にした。彼は一つ息を吐いて、いいよといった。さよならといいあい、電話は切られた。あっさりと私たちの関係に幕が下りた。
 まだ、健斗と付き合えると決まったわけではないが、他の男と付き合っているなんて考えられない程、今は健斗で一杯だった。
 私は今久しぶりに計算なしで恋をしようとしているのかもしれない。
 そんなことを思いながら、裸のまま浴室に移動した。
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