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第2話
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夜中に熱くて目が覚めた。高熱を出している時のように体が熱い。
水でも飲もうと体を起こしてみるが、重いし節々が軋むように痛む。諦めてなんとか眠ろうと寝転がるが、なかなか眠れそうにない。
体の熱さと痛みで、再び眠ることは難しかったが目をつぶってなんとかやり過ごした。
「グッドモーニング!」
姉の大きな声で目を覚ました。夜中に感じていた熱さや痛みはなくなっていて、特に体調が悪い感じはない。
「うわっ」
布団がはぎとられて思わず身を縮めてしまう。
「ねぇ、立って立って! 結果見なきゃ」
まだ起きてぼーっとする頭で、昨夜あまり寝れていないわけで、布団を取り返してアラームがなる時間まで眠りたかったが、こうキンキン叫ばれていては、眠ることはおろか頭が痛くなりそうだった。
立ち上がってみると気のせいか服が大きく感じられ、ずり落ちそうだった。
「おぉー、ふむふむ」
そんな感嘆の声を漏らしながら、全身をペタペタと触れていく姉。
眠さとさっさと終わって欲しいという思いから何もいわなかったが、最後に股の間を掴まれた時には思わず「おい」と声を出した。どすのきいた声を出したつもりだったが、その声は妙に高い。
「大成功ー!!」
そう大声を出して姉は部屋を飛び出していった。
俺は一人邪魔者のいなくなった部屋で、布団に戻ることもできずにつったていた。なんでかって、先程姉に股間を触られた感じがいつもと違い過ぎたからだ。
恐る恐る洗面台に向かい鏡を見ると、俺というよりは姉によく似た女の顔がそこにあった。
「なんじゃこりゃー」
叫んだ声はまさしく女だった。
「それから出かけようとする姉貴を捕まえて色々聞こうとしたのに、詳しくは後でメールするから、とにかく行かなきゃって逃げられた。力負けしたのは久しぶりでショックだったな」
真琴は語り終わるとスマートフォンを俺に差し出した。
『説明できずに飛び出してごめんね。成功したのが嬉しくって。色々まとめなきゃいけないからしばらく帰れないと思う。戻り方だけど、男とセックスして体液をたくさん摂取するか、何もしなくても一か月もすれば元通りになるはず。オナニーとかでも多少は早く戻れるようになるから、せっかくだし、女としての快感味わってみたら?』
メッセージを読み終わり真琴の方を見ると、かわいらしい口が開く。
「無責任だよなぁ。まぁ、これで信じてくれるか?」
真琴がそう聞くので、曖昧に頷きながらスマートフォンを返した。
「まだ疑っているなら、俺しか知らないことを話そうか? 幼稚園の時のおねしょ事件とか、海辺に捨てられてたエロ本を一緒に読んだ時の話しとか。お前あの時……」
「わかった、わかった。信じるよ」
耳が痛いことばかり話そうとする真琴を慌てて止めた。
真琴のお姉さんなら作りかねないことを知っている。しかし、目の前にいるのはまぎれもなく女で、慣れるのには時間がかかりそうだ。
「わかってくれたならよかった。それで相談なんだが……」
急に目の前の真琴がしおらしくなる。
「俺とセックスしてくれ」
本当は男にいわれているとわかりつつも、女子から発せられたその言葉のインパクトとは強いものだった。しかし、姿は女であれ、相手は男で親友の真琴である。
複雑すぎる……。抱けるか抱けないかでいえば、抱けるような気はする。
ただ、真琴からすればそのまんま男に抱かれることになるわけだし、嫌ではないのだろうか。
真琴の顔を見れば、真剣にこちらを見つめていた。その顔がかわいいと思ってしまう。
俺の初恋相手は真琴のお姉さんだった。今じゃ研究一筋であることや、浮世離れしたような言動についてはいけず、好意はただの尊敬に変わった。
容姿も好きだっただけに、目の前の真琴の顔に揺らいでしまう。
お姉さんよりかわいいし。
「別に無理なら無理で、一か月待つから大丈夫だからな。俺もやっぱり男に抱かれるとか複雑だし。たださ、次の週末とか家に来てくんね? この体、思っていた以上に心細いっていうか、久々ゲーム大会でもしようぜ」
俺があまりにも考え込んでいるからか、気を使った真琴が声をかけてきた。
「それぐらい、いいに決まってんだろ。金曜から泊りできてやってもいいぞ」
そういうと真琴は顔を輝かせる。
いってしまってから男とわかっていても、こんな好みの子と一緒に過ごし、理性的でいれるのか不安がよぎった。
しかし、笑顔でありがとうといわれてしまうと、もう引くことはできない。
真琴の家から帰り、夕飯を食って風呂に入り、ベッドに寝転がる。
「真琴とセックスかぁ……」
小さく呟いてみる。
真琴の家でのことを思い返し、本人が望むなら助けると思って受け入れるべきかとは思うが、俺が男に抱かれることを想像すると嫌でしかない。
ああはいっていたが、真琴だって落ち着けばやっぱり嫌なんじゃないのか。
真琴の姿を思い浮かべようとして出てくるのは、女の姿だった。そこから、つい服を脱がした姿を想像するが、上手くはいかない。それでも、下半身のモノが反応してしまう。
想像が上手くできないのは、女性の裸を生で見たことがないからだと思う。俺はまだ童貞だ。
童貞であることも、真琴とセックスをするのにネックではあった。真琴とセックスをすれば、実質、男に童貞をもらわれるようで、なかなかに複雑だ。
それでも、女の体に興味はあるし、セックスはしてみたい。
そんなことを悶々と考えながらも、とにかく心細くなっている親友のそばに居てやろう。それ以上のことは考えないようにして眠りについた。
水でも飲もうと体を起こしてみるが、重いし節々が軋むように痛む。諦めてなんとか眠ろうと寝転がるが、なかなか眠れそうにない。
体の熱さと痛みで、再び眠ることは難しかったが目をつぶってなんとかやり過ごした。
「グッドモーニング!」
姉の大きな声で目を覚ました。夜中に感じていた熱さや痛みはなくなっていて、特に体調が悪い感じはない。
「うわっ」
布団がはぎとられて思わず身を縮めてしまう。
「ねぇ、立って立って! 結果見なきゃ」
まだ起きてぼーっとする頭で、昨夜あまり寝れていないわけで、布団を取り返してアラームがなる時間まで眠りたかったが、こうキンキン叫ばれていては、眠ることはおろか頭が痛くなりそうだった。
立ち上がってみると気のせいか服が大きく感じられ、ずり落ちそうだった。
「おぉー、ふむふむ」
そんな感嘆の声を漏らしながら、全身をペタペタと触れていく姉。
眠さとさっさと終わって欲しいという思いから何もいわなかったが、最後に股の間を掴まれた時には思わず「おい」と声を出した。どすのきいた声を出したつもりだったが、その声は妙に高い。
「大成功ー!!」
そう大声を出して姉は部屋を飛び出していった。
俺は一人邪魔者のいなくなった部屋で、布団に戻ることもできずにつったていた。なんでかって、先程姉に股間を触られた感じがいつもと違い過ぎたからだ。
恐る恐る洗面台に向かい鏡を見ると、俺というよりは姉によく似た女の顔がそこにあった。
「なんじゃこりゃー」
叫んだ声はまさしく女だった。
「それから出かけようとする姉貴を捕まえて色々聞こうとしたのに、詳しくは後でメールするから、とにかく行かなきゃって逃げられた。力負けしたのは久しぶりでショックだったな」
真琴は語り終わるとスマートフォンを俺に差し出した。
『説明できずに飛び出してごめんね。成功したのが嬉しくって。色々まとめなきゃいけないからしばらく帰れないと思う。戻り方だけど、男とセックスして体液をたくさん摂取するか、何もしなくても一か月もすれば元通りになるはず。オナニーとかでも多少は早く戻れるようになるから、せっかくだし、女としての快感味わってみたら?』
メッセージを読み終わり真琴の方を見ると、かわいらしい口が開く。
「無責任だよなぁ。まぁ、これで信じてくれるか?」
真琴がそう聞くので、曖昧に頷きながらスマートフォンを返した。
「まだ疑っているなら、俺しか知らないことを話そうか? 幼稚園の時のおねしょ事件とか、海辺に捨てられてたエロ本を一緒に読んだ時の話しとか。お前あの時……」
「わかった、わかった。信じるよ」
耳が痛いことばかり話そうとする真琴を慌てて止めた。
真琴のお姉さんなら作りかねないことを知っている。しかし、目の前にいるのはまぎれもなく女で、慣れるのには時間がかかりそうだ。
「わかってくれたならよかった。それで相談なんだが……」
急に目の前の真琴がしおらしくなる。
「俺とセックスしてくれ」
本当は男にいわれているとわかりつつも、女子から発せられたその言葉のインパクトとは強いものだった。しかし、姿は女であれ、相手は男で親友の真琴である。
複雑すぎる……。抱けるか抱けないかでいえば、抱けるような気はする。
ただ、真琴からすればそのまんま男に抱かれることになるわけだし、嫌ではないのだろうか。
真琴の顔を見れば、真剣にこちらを見つめていた。その顔がかわいいと思ってしまう。
俺の初恋相手は真琴のお姉さんだった。今じゃ研究一筋であることや、浮世離れしたような言動についてはいけず、好意はただの尊敬に変わった。
容姿も好きだっただけに、目の前の真琴の顔に揺らいでしまう。
お姉さんよりかわいいし。
「別に無理なら無理で、一か月待つから大丈夫だからな。俺もやっぱり男に抱かれるとか複雑だし。たださ、次の週末とか家に来てくんね? この体、思っていた以上に心細いっていうか、久々ゲーム大会でもしようぜ」
俺があまりにも考え込んでいるからか、気を使った真琴が声をかけてきた。
「それぐらい、いいに決まってんだろ。金曜から泊りできてやってもいいぞ」
そういうと真琴は顔を輝かせる。
いってしまってから男とわかっていても、こんな好みの子と一緒に過ごし、理性的でいれるのか不安がよぎった。
しかし、笑顔でありがとうといわれてしまうと、もう引くことはできない。
真琴の家から帰り、夕飯を食って風呂に入り、ベッドに寝転がる。
「真琴とセックスかぁ……」
小さく呟いてみる。
真琴の家でのことを思い返し、本人が望むなら助けると思って受け入れるべきかとは思うが、俺が男に抱かれることを想像すると嫌でしかない。
ああはいっていたが、真琴だって落ち着けばやっぱり嫌なんじゃないのか。
真琴の姿を思い浮かべようとして出てくるのは、女の姿だった。そこから、つい服を脱がした姿を想像するが、上手くはいかない。それでも、下半身のモノが反応してしまう。
想像が上手くできないのは、女性の裸を生で見たことがないからだと思う。俺はまだ童貞だ。
童貞であることも、真琴とセックスをするのにネックではあった。真琴とセックスをすれば、実質、男に童貞をもらわれるようで、なかなかに複雑だ。
それでも、女の体に興味はあるし、セックスはしてみたい。
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