もふってちーと!!

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もふって新人生!

◆もふって救出!

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 翌日、朝一番に目を覚ました舞は少しだけ重い瞼を伸びをして誤魔化す。

 今日が、魔獣の救出の日、国としても、個人としても運命の日だ。

「……起きるの早すぎちゃったかな…」

 まだ昇りきっていない陽を目を細めて眺める。

 先日からずっと考えていた作戦も遂に大詰めとなり、今日余程の失敗が無ければ、間違いなく成功する作戦だ。

 その事を頭の片隅に置いて、約束の時間まで余裕があるのでゆっくりと朝食を用意しはじめた。

 キッチンから聞こえる包丁をリズムよくまな板に叩きつける音で目を覚ましたのは、千明だった。

「……おはよー…今日は朝早いねー………」

 寝ぼけ眼を擦りながらこちらへと歩いてきて、すっと横に立ったかと思えば、すぐに朝食の準備を手伝い始めた。

 暫くの間沈黙が続き、朝食の準備も終わりを迎えた頃口を開いたのは千明だった。

「…今日なんでしょ?」

「へ?」

 いきなり訳の分からないことを言われた舞は気の抜けた返事をしてしまう。

「魔獣の件だよ」

「!!」

 千明には一切作戦の事は明かしていなかったが、どこからか情報が入っていたようだ。

「……怪我とかしてきちゃ、ダメだからね」

「わかってる。出来るだけ安全に素早く終わらせるから」

「……うん」

 相手は仮にも密売人。もしもの時の為に護衛や暗殺者を雇っていたとしても何ら不思議ではない。だからこそ、千明は舞を心配していた。

「そんなに心配しなくたって大丈夫。僕には心強い味方がいるからね!」

「…そっか!だったら、魔獣の密売の悪事を裁いてこなかったらご飯抜きだからね!」

「えー?ご飯抜きはやだー!!」

「嫌ならしっかりと裁いてきなさい!」

「ふふっ、はーい!!」

 そんな千明を気遣って場を和ませる舞。それによってさっきまでの千明の神妙な面持ちはすぐに、明るい笑顔へと変わっていった。

 大声で喋ってしまったせいか、扉が開いて奥から涼華が出てくる。

「……ふたりともはやいねー……おはよぅー……」

「ん、おはよう」

「おはよう涼華」

 ぐしぐし、と目を擦り意識を覚醒させる。

「…お姉ちゃん。今日はお願いね」

「もちろん。僕が失敗するわけないでしょ?」

「ドジッ娘の癖に……」

「なっ……僕はドジ踏んだことなんてないよ!」

 涼華も、舞の事が心配で仕方がなく、先程から指を交差させたり、目線を泳がせたりと落ち着きがない。

「…そんなに心配しないで。僕が絶対に成功させるから」

 そう言うと、涼華は無言で舞に体を預けた。そんな涼華の頭を優しく撫でる。

 三人共完全に目が覚めたところで、シリアスな雰囲気を打ち切って朝食をテーブルに並べる。

「……よし、全部運んだよー」

「ありがとう。じゃあ、食べようか」

「うん」

『戴きます』

 テーブルに整然と並べられた朝食を貪る。今日のメニューはご飯に焼き魚などと一般的な和食だ。もちろん、食材の調達は自分達でした。

 黙々と食べ進め、気付けば朝食は終わっていた。

『ごちそうさまでした』

 三人揃って食材に感謝の言葉を述べ、舞はすぐに今日の準備を始める。

 部屋の中から必要なものを探し出して鞄の中に突っ込んでいく。

「っと…他に必要なものはないかな……?」

 荷物の最終確認をして、何も抜けが無いことを確認し、部屋を出て玄関で靴を履く。

「よし、じゃあ、未来のために行ってきます!」

 玄関で待ち構えていた二人は、それぞれ舞にエールを送る。

「頑張ってね!御夕飯作って待ってるから!」

「舞、成功を祈る!」

 涼華には「うん。待ってて!」と返事をして、千明には敬礼で返す。

 そうして、舞は家を出て、街道にでる。

 民衆の雑踏が街中を埋め尽くし、それに被せるような大きな声で露店主達が叫ぶ。

 舞は1番街を抜けて2番街へと入っていく。

e:Sイース武器店は………っと、ここかな?」

 目の前には【e:Sイース武器店】とデカデカと書いてある看板がたっていた。

 ちらっと横を見ると細い路地が見える。奥はあまり光が差していないようで暗くてよく見えない。

 舞はその路地へと入っていく。すると突然奥から声が響いてきた。

「…よく来た。時間通りだな。…よろしい。早速金の方を」

「……こちらに」

 舞はダイルから借り受けた現金を副部長に渡す。そのとき、舞の後ろから怒号が聞こえてきた。

「居たぞ!!!アイツだ!アイツが密売人だ!!!!」

 そう叫んだのはこの街の警備服をきた男性だった。

 それを皮切りに次から次へと警備員が流れ込んでくる。

「なっ……これは!?」

「ごめんなさい、副園長。ですが、密売はいけない事です。これを気に更生してください」

「きさまっ………!裏切ったのか!」

「……ええ」

 ありったけの憎悪を含めた視線を向けられた舞はその場に居られなくなってしまい、路地から出て行った。

「捕まえろぉ!!」

 警備員の声が響き渡ったと思えば次の瞬間には「確保ぉ!」と言う声が聞こえた。

 それを背中に感じながら、路地を出た舞を待っていたのはダイルだった。

「……案外あっさりしていたな」

「うん……なんか、本当に終わったのかなって感じ」

 そう、安堵した息を吐きながら舞は言った。

 すると、そこに兵士達が駆けつけてきて舞たちを呼んだ。

「主犯格はコイツで間違いないんですね?」

「はい。証拠ならここに……」

「……確かに。自治に御協力頂き有難う御座いました」

 犯人の確認だけを求められ、確認をした舞はそのままダイルと別れて、家への帰路を辿った。
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