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人生は短い。
短いようで長く、長いようでやはり短い。
人は生きているが、生きることについて考えはしない。自分が死ぬのは知っているが、それがいつ訪れるかは想像すらしない。
様々な予定やライフプランを立てるが、実際は目の前にある今を生きるしかない。
結局人はこの濁流のような世界にたゆたう藻でしかないのだ。
そんな藻がいくら努力をしようとも嵐が来れば流される。
どれだけ生きたくても死ぬ時は死ぬし、どれだけ死にたくても死ぬ時までは生きる。
人の感情はこの世界に存在するどの粒子よりも弱く、なにものにも干渉できないほどか弱い。
だから先のことは考えないし、過去のことも気にしない。
ただ粛々とやるべき事をやり終えるだけだ。
そう考えるようになったのがいつからか。それを彼は覚えてない。
気付けば常にそう思うようになり、その通り生きてきた。
言われた通りにことを進める。
その為には倫理や感情は必要ない。求められるのは計画を完遂する能力だけだ。
彼の行動がなにを生み出すか。そんなことに興味がない。
興味があるのは流れ。
目の前にある大きな流れに身を委ねること。
指示する者が二つあるなら、より大きなものを選ぶ。
それが彼にとっての自然で、原則だ。
人はそれぞれ理を持っている。大抵それは他人に理解できない。
彼の理を理解できるのは彼だけだ。
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