紅蓮の王宮召喚士～いきなり召喚の最高峰～

試験

魔力解放

1000年以上前に建てられたこの城は、国を守り続けた要塞であり、この国の象徴である。
かつて創造の神を召喚したとされるストル一世が建国と同時に建てた城だ。
鉄壁を誇る城の材質はいまだにわかっておらず、破魔石と呼ばれ、これでつくられた武具は国の勇者に送られる。

「じゃあな。」と、ハングさん。

「ご武運を。」

そう言って僕とハングさんはお互いのゲートへと向かった。

白のゲートに向かうと、すでに多くの召喚者志望者達がズラリと並ぶドアにわかれて列をつくっているようだった。
たぶんこの部屋が解放の部屋なのだろう。
解放は専門の魔導士によって行われるらしい。
僕は自分の順番が来るまでしばらく待っていた。


とうとう自分の順番が回ってきた。

「失礼します。」

「どうぞ、そこにおかけください。」

部屋に入ると意外と中は小さく、また薄暗い。
中にいるのはこの女性一人のようだ。
目の前に置かれた机には水晶玉がのっていた。

「これより、魔力、ならびに召喚力の解放をおこないます。」

彼女はそう宣言した。

「力を悪に使わず、正にのみ行使すると誓いますか？」

「誓います。」

と、答える

「では、両手の人差し指をななめに十字させて、そのまま目を閉じてください。」

「まずは魔力を解放します。」

と、言うと彼女は何かを詠唱をし始めた。
胸の奥から力が湧き上がってくるようだ。

「もう目を開けてもいいですよ。」

と、彼女は言い、水晶玉を見せてくれた。
水晶玉の中には赤い魔法陣が浮かび上がっている。

「あなたの魔力属性は火のようですね。」

と、魔導士さんは言う。
たしか、父も赤い魔法陣だったから受け継いだのかもしれないと、ちょっと嬉しかった。