紅蓮の王宮召喚士～いきなり召喚の最高峰～

試験

召喚力解放

「次は召喚力の解放を行います。今度は十字を縦にして下さい。」

と言われ、目を閉じようとしたが、

「今回は目を閉じなくても大丈夫ですよ。」

と、言われてしまった。
最後まで話を聞いておけば良かったと後悔した。

再び彼女が詠唱を始めた。
すると、水晶玉の中にたくさんの魔方陣が浮かび上がってきた。
赤、青、緑、白、黒、紫、黄、金、銀…
そのほかにもカラフルなものや絵の具が混ざったようなものなど、たくさんの魔方陣が水晶玉の中を埋め尽くしていた。
この中から自分の色が決まるのだろうかと考えながら魔導士さんの詠唱が終わるのを待っていた。


しばらく待つと詠唱が終わり魔導士さんは目を開けた。
水晶玉の中に変化はない。

「え、なにこれ…」

魔導士さんは絶句していた。
なにかおかしいんですか？と聞くと、

「普通はこの中に一人ひとつ、一色の魔方陣が一つ浮かんで終わりなんだけど･･･」

確かにそう言われて見ればこの中は異様かもしれない。
複数の魔方陣を扱う召喚士など聞いたことがない。
彼女はまた話始めた。

「ひとつの魔方陣からひとつの召喚獣と決まってるんだけど、これは･･･」

そのとき、彼女の話をさえぎるように水晶玉が発光し、


砕け散った。


二人でしばらく唖然としていたが、

「解放はしっかりしたはずだから、ちゃんと召喚はできるはずですよ。」

そう言って彼女は指輪と一枚の紙を渡してくれた。

「これは召喚士のリング。これを持っていることでこの国の召喚士として認められます。これからどうなるかは私もわかりませんが良き召喚士としてこの国を支えてください！」


そういって魔導士さんは僕を送り出してくれた。


そして、今日僕は召喚士になった。

もらった紙は試験の番号で１００と書いてあった。

だいぶ遅くなってしまったがもうすぐ受験者の召集時間だと気づいた。
急がなくては遅れてしまう。
僕は召集所へ急いだ。