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〇134 婚約破棄された人間は幸福になり、婚約破棄した人間は不幸になった 三行しばり
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+婚約破棄された令嬢
「婚約破棄されたけど、この心は晴ればれしているわ」
「だって私はもうあのろくでなしと、結婚せずに済むのだから」
「皆は惨めな女だというけど、実際はぜんぜんそうじゃないの」
-婚約破棄した領主
俺はいけ好かない女に婚約破棄を言い渡した。
すっきりした気分だ。
もっと早くこうしていれば良かったな。
+婚約破棄された令嬢
「あの人と一緒にいるときは胸が詰まるような感覚ばかりだった」
「俺のやり方を否定するなとか、俺の行動にいちゃもんつけるなとか言ってくるんだもの」
「あなたは責任ある領主で、あなたが間違えたら領民は死んでしまうのに?」
-婚約破棄した領主
元婚約者は、いつも俺を下に見てきていたからな。
自分のほうが有能だと領民にアピールしたかったに違いない。
そして、俺の仕事を奪って、自分が領主になり、家をのっとろうとしていたんだ。
+婚約破棄された令嬢
「隣の領地の領主様が声をかけてくださっている」
「ちょうど人のためになる仕事を探していたの」
「なんていい機会かしら」
-婚約破棄した領主
くそっ、なんでみんな俺をそんな目で見つめてくるんだ。
俺は一番いい方法をちゃんと選んでやっているはずだ。
なんで俺の隣をみて、首を振ったり、ため息をついたりするんだよ。
+婚約破棄された令嬢
「初めて会った気がしないと思っていたけど、あの方とは子供のころにあっていたのね」
「結婚しようだなんて、遊びで彼が言ってたのを思い出したわ」
「どうして忘れていたのかしら、懐かしい思い出ね」
-婚約破棄した領主
あなたはすごい人だわって綺麗な女から誉められた。
元婚約者とは比べものにはならない良い女と出会えたみたいだ。
やっぱり分かるやつには、俺のすごさが分かるんだろうな。
+婚約破棄された令嬢
「まさかとは思ったけど、彼も幼いころの事を覚えていたなんて」
「それで今でも慕っているだなんて……」
「前の婚約者と一緒にいる時には感じなかった胸のドキドキを感じてしまうわ」
-婚約破棄した領主
最近出会ったあいつは、いつも俺の事をねぎらってくれるし、褒めてくれる。
だから、家の中をいつでも自由に歩けるように鍵をわたしていたんだが……。
ある日その鍵と、家の貴重品と共に、あいつがいなくなってしまった。
+婚約破棄された令嬢
「彼は私に大人しくしていろとか、何もするななんて言わない」
「私がいるべきなのは彼の隣に違いないわ」
「次に彼と会った時は求婚を受けよう」
-婚約破棄した領主
領民達がはげしく怒っているぞ、何があったんだ!?
あの女が俺の名前をつかって豪遊?
俺は許可なんて出してない、信じてくれ!
+婚約破棄された令嬢
「今、本当に幸せだわ」
「私は私らしく生きられているし、人のためになる事をしている」
「結婚をした彼も、そんな私を受け入れてくれているんだから」
-婚約破棄した領主
どうしてこんな事になってしまったんだ!
領地は滅茶苦茶だし、領民は話を聞いてくれない。
俺は何も悪くないのに、いつまで逃げ続ければいいんだ!
とある地方のとある領地。
成り上がりの貴族が統治していたそこは、繁栄が約束された土地だと言われていた。
とある金色の竜が古の時代に人に助けられた結果、それ以降は竜が見守る土地であったためだ。
しかし、その土地はある時を境に、一気に荒れ果ててしまう。
金の竜をかたどった像が、とある人物に盗まれたせいだ。
土地を回復させるには、領主が竜の為に竜騎士部隊を結成し、竜の巣へ行き儀式をしなければならなかったが、その手順書も紛失していた。
手順なき儀式は生贄がつきもの。
領主は責務から逃げ続けたが、荒れる領地の中、怒りに狂う民達の手によって、竜への生贄としてささげられる事になった。
「婚約破棄されたけど、この心は晴ればれしているわ」
「だって私はもうあのろくでなしと、結婚せずに済むのだから」
「皆は惨めな女だというけど、実際はぜんぜんそうじゃないの」
-婚約破棄した領主
俺はいけ好かない女に婚約破棄を言い渡した。
すっきりした気分だ。
もっと早くこうしていれば良かったな。
+婚約破棄された令嬢
「あの人と一緒にいるときは胸が詰まるような感覚ばかりだった」
「俺のやり方を否定するなとか、俺の行動にいちゃもんつけるなとか言ってくるんだもの」
「あなたは責任ある領主で、あなたが間違えたら領民は死んでしまうのに?」
-婚約破棄した領主
元婚約者は、いつも俺を下に見てきていたからな。
自分のほうが有能だと領民にアピールしたかったに違いない。
そして、俺の仕事を奪って、自分が領主になり、家をのっとろうとしていたんだ。
+婚約破棄された令嬢
「隣の領地の領主様が声をかけてくださっている」
「ちょうど人のためになる仕事を探していたの」
「なんていい機会かしら」
-婚約破棄した領主
くそっ、なんでみんな俺をそんな目で見つめてくるんだ。
俺は一番いい方法をちゃんと選んでやっているはずだ。
なんで俺の隣をみて、首を振ったり、ため息をついたりするんだよ。
+婚約破棄された令嬢
「初めて会った気がしないと思っていたけど、あの方とは子供のころにあっていたのね」
「結婚しようだなんて、遊びで彼が言ってたのを思い出したわ」
「どうして忘れていたのかしら、懐かしい思い出ね」
-婚約破棄した領主
あなたはすごい人だわって綺麗な女から誉められた。
元婚約者とは比べものにはならない良い女と出会えたみたいだ。
やっぱり分かるやつには、俺のすごさが分かるんだろうな。
+婚約破棄された令嬢
「まさかとは思ったけど、彼も幼いころの事を覚えていたなんて」
「それで今でも慕っているだなんて……」
「前の婚約者と一緒にいる時には感じなかった胸のドキドキを感じてしまうわ」
-婚約破棄した領主
最近出会ったあいつは、いつも俺の事をねぎらってくれるし、褒めてくれる。
だから、家の中をいつでも自由に歩けるように鍵をわたしていたんだが……。
ある日その鍵と、家の貴重品と共に、あいつがいなくなってしまった。
+婚約破棄された令嬢
「彼は私に大人しくしていろとか、何もするななんて言わない」
「私がいるべきなのは彼の隣に違いないわ」
「次に彼と会った時は求婚を受けよう」
-婚約破棄した領主
領民達がはげしく怒っているぞ、何があったんだ!?
あの女が俺の名前をつかって豪遊?
俺は許可なんて出してない、信じてくれ!
+婚約破棄された令嬢
「今、本当に幸せだわ」
「私は私らしく生きられているし、人のためになる事をしている」
「結婚をした彼も、そんな私を受け入れてくれているんだから」
-婚約破棄した領主
どうしてこんな事になってしまったんだ!
領地は滅茶苦茶だし、領民は話を聞いてくれない。
俺は何も悪くないのに、いつまで逃げ続ければいいんだ!
とある地方のとある領地。
成り上がりの貴族が統治していたそこは、繁栄が約束された土地だと言われていた。
とある金色の竜が古の時代に人に助けられた結果、それ以降は竜が見守る土地であったためだ。
しかし、その土地はある時を境に、一気に荒れ果ててしまう。
金の竜をかたどった像が、とある人物に盗まれたせいだ。
土地を回復させるには、領主が竜の為に竜騎士部隊を結成し、竜の巣へ行き儀式をしなければならなかったが、その手順書も紛失していた。
手順なき儀式は生贄がつきもの。
領主は責務から逃げ続けたが、荒れる領地の中、怒りに狂う民達の手によって、竜への生贄としてささげられる事になった。
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