駄目な教師と優等生 妄想箱

透けてるブランディシュカ

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01 「学校生活」オリ設定 オリ世界観 ステラ×ツヴァイ

真面目な生徒

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 私は手紙をかく。
 遠くにいる友人に向けて。

 中身は何ともないものだけど、大半は愚痴。
 とある人に対するものがしめている。

 ーー

 担任の教師が不真面目です。
 ああいえばこういう。
 こういえばああいう。

 文句ばっかりでだらしがない。
 後片づけはしないし、言い訳ばっかり。

 その人は、人間の駄目な見本のような人だ。

 だけど、どうしてだか、不思議な事に私はその人が気になって仕方がないんです。


 ーー



 私は騎士を養成するが学校に通っている。

「また、書類が溜まっているじゃないですか」
「あー、溜まってるな。でもお前が半分やっといてくれるんだろ?」

 尋ねて行った職員室で、その人の、ツヴァイ先生のデスクに大量の書類が積み上げられているのを見て、私はため息を付いた。

「もう、教師なんですからしっかりしてください。大人なんですから」
「めんどくせぇ」
「言った傍から、そして注意した傍から文句を言わない!」

 聞く耳持たないと言った様子の先生の代わりに私は、てきぱきと机の上を片付けていく。

「もう、本当に駄目なんだから、駄目人間なんだから、しょうもない人だわ」
「おい、人を駄目の巣窟みたいに連呼すんじゃねぇ、いくらほんとの事でも気分悪いだろうが」
「ほんとの事なんですから、大人しく反省してください。そしてちゃんと書類仕事して」
「ちょくちょく敬語とるな」

 数分かけて、机の上の整理をして、最低限の書類を片付ける。
 手伝えるのは、生徒である私が見ていい物だけだ。
 それ以外がひじょうに心配だった。

「あー? 終わったか。よく出来ましたよく出来ました。あー、よしよし」

 先生は終わったのを見計らって、私の頭を乱暴に撫でて、適当にほめる。

 私は「子供みたいな事しないでくさい」そう言って、口を尖らせた。

 不満を口に出して言いながら、私は先生の服の裾を引っ張って「ほら」と職員室から引っ張り出して保健室に向かう。

 だが生憎と向かった先には、「あれ、いない」担当の先生はいなかったようだ。

「何だ? こんな所で大人のご褒美でもほしかったのか、優等生は。非優等生だな」
「そんな事じゃあありません。いつもよりだるそうだったので、体調が悪いんでしょう? 少し横になっててください」

 私は強引に先生をひっぱって、ベッドに寝かしつけた。

「ち、バレてたか」
「どれだけ貴方の世話をしてきたと思ってるんですか。あんな下手な演技すぐばれますよ。いつもはもうちょっと声に張りがあるし、もうちょっとだけ投げやりじゃないし、あともうちょっとだけちゃんと仕事してますから」
「よくて見てんだな」
「先生が私達生徒を、よく見てくれているのと同じ事をしただけです」
「そうか、俺はお前だからよく見てるんだがな」
「え?」
「真面目なくせに、保健室で野郎と二人っきりになる事になんの抵抗もない危なっかしい生徒だしな」

 分からなかった私は、「何か問題でもあるんですか?」そう尋ねれば、先生は意地の悪そうな笑みを浮かべて、私の髪の毛を引っ張った。

「きゃ!」

 抵抗できないままに引っ張られた私の額に、身を起こした先生の口づけが。

「なっ!」

 顔が熱くなった。

「こういうこった、今度からは用心するんだな、優等生」
「先生の馬鹿っ!」

 からかわれたと思って、私は保健室を飛び出していく。

 そういう事を簡単に人にするのはどうだと思う。
 かといって、ちゃんとしてくれればいいのかどうかとなると、それも困るが。

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