ザ・現代文学ジャンル（女性向け） 短編まとめ場所

＋04 洗濯の気分

「今日は晴天、雨が降る時間はなし、絶好の洗濯日和でしょう」

　テレビの天気予報士がそんなことを言ってたから。

「じゃあ、たまった洗濯物を干しちゃおう！」

　私は洗濯機の前に立った。





　からからに晴れた日は、よく洗濯したくなる。

　きっとすぐに乾くからっていうのもあるけど。

　青々とした空に、汚れの落ちた洗濯物がなんだか映える気がするから。

　綺麗なもの、真っ白なものを並べると、心があられるような気分になる。

　それに、気持ちのいい光景が目の前にあると前向きになるのよね。





「洗濯終わり、さっそく干しちゃおうっと」

　水気を払うように、しわを伸ばして、洗濯バサミとハンガーのお世話になる。

　いつもと同じ単純作業。

　けれど背景がいいと、どこか違うように感じられた。

　私は、毎日同じ家事、同じ作業ばかりを行う主婦。

　ちょっと飽きがちだけど。

　こういうささいな所で、楽しさを見つけられれば、少しだけ前向きにのぞめるんじゃないかしら。