異世界に召喚されたが『聖王』じゃなくて『性王』(風俗王)だったので、下品だと追放された。仕方がないのでチート風俗魔法で風俗国家を再建します

横島イクオ

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第14話 決死のセクシー営業 (イラストあり)

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 この世界には女性用の下着がない。それはこの世界の女性の衣装を見たときから、気づいていた。実際、元の世界でも下着が普及するのは19世紀後半、日本で一般的になるのは昭和になってからだ。

「これは、何ですかな?」

「女性用の下着、衣服の下に着る肌着です
 ぜひ、イリスさんに手に取っていただきたい」

 俺の言葉に、イリスは恐る恐るといった仕草で、下着を手に取る。

「それぞれパンツ(ショーツ)とブラに、ガーターストッキングと呼ばれるものです」

「・・・・・・」

 無言で下着を手に取って何やら考え込んでいるイリス。

「それぞれ女性の胸、腰と脚につける肌着です。二つの丸い部分を胸に、二つの筒の様なのを足に、残りを腰に着用します」

「──きゃ!?」

 どこに着ける下着かを理解したのか、イリスはかわいらしい悲鳴と共に、表情が急に真っ赤に変わる。

「・・・いえ、これは・・・ほとんど裸では?」

「裸に着ける衣装になります」

「特にこれは、ほ、ほとんどヒモにみえますが・・・」

「それはTバックといいまして、お尻の部分になります」

「~~~~~~~~~~~~」

 イリスの顔は真っ赤にして、体を震わせている。かわいそうだが、やむを得ない。

「ふむ、このようなみだらな衣装、いつ身に着けるのですか?」

「普段は衣服の下に身に着けるので、見えることはありません。また、夜伽の際に女性が着用する衣装でもあります」

「なるほど、裸をより引き立てる衣装というわけですか。面白い」

「さすがアブドル様。ご理解が早く、助かります」

 恥じらいで目をくらくらさせているイリスを尻目に、俺とアブドルの二人は話を進める。

「ご存じの通り、フリージア織物の競争力は低下しつつあります。理由は税と輸送コスト。しかしこの下着なら、高い値段で売ることができ、また輸送コストも下がります」

「ふむ。だがこのような布、高く売ることは可能なのですか?」

 アブドルのいう事は理解できる。結局商売とは、大量生産と薄利多売が基本だ。いつか模倣され、安く買いたたかれるだろう。

「可能です。先ほどお買いになった時計と同じものだとお考え下さい」

「ふむ?」

「先ほどアブドル様は、俺の時計を2000万コルで買われました。しかしお話を聞いておられていたのであれば、1000万コルで買うことも可能だったはずです」

「ふむ」

「しかしあえて倍の2000万コルで買われた。違いますか?」

「はは、さすがはセイオウ殿。ワシの意図はお見通しでしたか」

「アブドル様は、あえて2倍の値段を出すことによって、自身の価値を高められた。この時計の価値が倍になれば、それをつけているアブドル様の価値も上がりますから」

「ふむ」

「この下着も、同じものです」

「ほう?」

「ライバル業者が似たような偽物を販売しても、それは偽物。特に上流階級の女たちは、安い偽物よりも、高い本物を身につけたがるでしょう。何故なら本物の女たちは、本物の品を身につけたがるものですから。このような商品は、値崩れしにくいのです」

 いわゆる〝ブランド〟だ。高ければ高いほどいい。 

 実際、欧州圏で最も時価総額の高い企業は、自動車メーカーでも航空機メーカーでもなく、ルイ・ヴィ〇ンだったりする。

「フリージア王国は〝風俗国家〟と呼ばれ、性の先進国家とみなされています。それを利用し、〝ファッションの先進国家〟に進化させるのです」

「ふむう」
 
「そして〝性王〟の俺なら、それを主導できます」

 と、あえて自信たっぷりに続けた。

 全力のスピーチ。普段ならここで終わっただろう。だが〝セイオウ〟としての俺の本領は、むしろこれからだ。

 失敗すればすべてが終わる危険な一手。だが、賭けてみるしかない。

「できれは、この場でイリスさんに着用していただきたい」

「ええっ!?」

 今までフリーズしていたイリスが、驚きの声をあげる。

「実際に着ていただき、アブドル様に見ていただくのが一番ですから」

 あくまで商談風に話を進める。

「・・・ご、ご主人様!?」

 イリスは、懇願するような表情で主人であるアブドルを見つめる。

 普通の男であれば(一応、俺も含む)、自らの女の下着姿を他人に見せようとは思わないだろう。

 だがアブドルの性癖は〝ネトラレ〟。

 普通ではない。

「イリス、この衣装を着用しなさい」

 非情な命令を、自らの愛奴隷に下した。

 唇に浮かぶのは、愉悦の笑み。やはりネトラレの性癖は事実のようだった。

「・・・はい。ご主人様」
 
 奴隷である彼女は、変態の主人の命令に従うしかなかった。


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