異世界に召喚されたが『聖王』じゃなくて『性王』(風俗王)だったので、下品だと追放された。仕方がないのでチート風俗魔法で風俗国家を再建します

横島イクオ

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第48話 マイヤ事務官とスケコマシと指輪

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 娼館を出ると、どっと疲れが噴き出すと同時に、俺はある種の良心の呵責を感じていた。

 必要だったとはいえ、生意気な小娘にすぎないライカにやり過ぎてしまったのではないか? 俺がやったのは、悪質なホ〇トやヤ〇ザと同じ行為ではないか?

 先ほどまでは全く感じることのなかった良心の呵責。それは〝サイコパス〟のスキルの効き目が切れたことを意味していた。

 俺は必死に『ほかに方法はない』『ここは異世界』『ライカも喜んでいた』『ルシアも評価してくれていた』と自分に言い聞かせ、良心の呵責を抑え込む。

 それにしても俺にあんな才能があったとは、自分でもびっくりした。イリスの時と同じで、この歳で自分の知られざる内面を知ってしまった気がする。

(イリスと同じ・・・ん? 待てよ!?)

 俺は自身のステータスを確認する。

 レベルは3上がっていた。むしろルシアとライカ相手にあれだけエロいことをしたのだが、レベルは3しか上がらなかったというべきか。どうも、レベルアップには相性がかなり重要らしかった。やはり、俺にとってはレイナがメタルスライムの様だ。

 問題はスキルの方だ。

──スキル〝スケコマシ〟を獲得しました──

 やはり変なスキルを獲得してしまっていた。しかしスケコマシなど、ほとんど死語に近い言葉だ、数年ぶりに聞いた気がする。

 〝スケコマシ〟
 スケをコマスことによって、女性の好感度が上がる

 スキルの説明は、そのまんまだった。ちなみに〝スケ〟は女性の事で、〝コマス〟はまあ、モノにするという意味で、コシラヘマスの略だそうだ。

 後、サイコパスのスキルレベルが2に上がっている。

〝サイコパス(レベル2)〟
 良心の呵責を感じにくくなる。レベル1より、より残酷になれる。

(残酷さがアップしたのか)

 当然、優しさは7下がっている。現在35、このままだと、0になったり、マイナスになったりするのだろうか。その場合、どんな悪影響がでるのか読めない。

 幸いサイコパスのスキルはオンオフできるので、普段はオフにしておくことにする。

(・・・いや、この国の人々は、むしろサイコパスの俺を求めているのか?)

 彼女たちが求めているのは、強い男のはずだ。例えサイコパスでも、間違っていても、強い男が求められているのではないか? それこそヒ〇ラーをドイツの女性たちが熱狂的に支持したように。

 急にエリス姫の顔を思い浮かべた。

 こういう時はいつも、俺を慰め、的確なアドバイスをくれていた気がする。少なくとも人の上に立つ政治家としては、俺よりも大先輩のはずだ。

(報告に行かなければならないしな)

 既に日は暮れかかっている。今日はレイナの誕生日のため、プレゼントの一つでも買って帰りたかったが、仕事を優先すべきだ。

 社畜である俺は、仕事優先の〝ホウレンソウ〟(報告連絡相談)の精神を叩き込まれていたため、とりあえず王城へと向かった。



「あいにくですがセイオウ様、姫様は隣国の大使と会食中です」

 エリス姫の代わりに俺を出迎えてくれたのは、マイヤ事務官だった。

 姫なのだから、公務があって当然か。むしろ高級下着やボディーソープの宣伝を兼ねての会食かもしれない。俺が依頼した仕事を、忠実にこなしてくれているのだ。

 アドバイスを聞くのはあきらめ、俺はマイア事務官に簡単な報告を済ませる。

「セイオウ様の今日のご活躍は、あちこちで聞いております。素晴らしいです」

「アブドルの方はどうだった?」

 俺はマイヤ事務官に尋ねる。彼女は大量のボディーソープを持ってアブドルの元を訪問していたのだ。

「とても丁寧な対応をしていただきました。『マイヤ事務官を使いによこされるとは、セイオウ殿も一日で随分と出世なされましたな、結構な事です』と申しておられました」

 ふむ。若干の皮肉を感じるが、俺の権威をあげるという一応の目的は達成できたらしい。

「『お礼に差し上げたいものがあるので、いつでもお越しください』、ともおっしゃっていました」

「わかった。時間を見つけて訪問しよう、という内容の使いを出しておいてくれ」

「了解いたしました」

「それはそうと、アブドルは君の目にはどう写った?」

「はい。噂では狡猾で強欲、そして好色な大商人と聞いて警戒しておりましたが、話してみると人の好い好々爺の様でした。正直、拍子抜けしました」 

 なるほど、マイヤ事務官の目にはそう映ったか。まあ、あいつはイリスのネトラレにしか情欲を感じられない変態だからな。ある意味、他の女性にとってはこの世で一番無害な存在だといえる。

「エリス姫からはこちらを預かっております」

 そういうと、マイヤ事務官は部下から宝石箱を受け取ると、俺の前で開ける。

 見事にカットされた鮮やかな夕焼けを思わせる光を放つ石が中に入っていた。それはガーネットの宝石だった。

「これは?」

「本日の活躍の報酬という事です。お納めください」

「こんな物があったのか?」

「姫様が持つ最後の宝石でございます」

「そんな大切なものは、もらえない」

「お納めください。国が豊かになれば、宝石などいくらでも貢物として献上されますから。それに今日は、大切な方の特別な日のはずです」

 レイナの誕生日であることを言っているのか。

 俺は改めてガーネットの宝石を見つめる。確かに、この鮮やかな赤は、レイナにとてもよく似合いそうだった。

「むしろ、あまり高価な宝石ではなくて申し訳ないです。〝何しろ我が国は絶賛衰退中〟ですので」

 エリス姫の口癖を真似るマイヤ事務官。とてもよく似ていたので、俺は思わず笑う。つられてマイヤ事務官も微笑んでくれた。生真面目な彼女が冗談を言うのは、初めてな気がする。

 実績を出しつつあるからだろうか、マイヤ事務官の態度が随分と柔らかく感じる。

 なんとなくだが、このままマイヤ事務官を口説いても、OKがでそうな気さえする。仕事で実績をだせるという事は、こんな楽しい人生を遅れるという事なのだろうか。

「ありがたく受け取ることにする。姫に感謝していたと、伝えてくれ」

「はい。でも『感謝しているのは、わたくしの方です』と、姫がおられれば答えられるでしょう。セイオウ様が来られて一日と少しで、何もかも変わったのですから」

 少なくとも俺の働きを、彼女達は評価してくれている様だった。

「せっかくなので、宝石を指輪にして渡したいな」

「それはよいお考えです。しかしレイナさんの指のサイズがわかりませんね」

 確かに。何しろ初めて会ったのが昨日だからな。

(いや、待てよ・・・)

 俺は性癖スキャンを発動し、レイナのステータスを表示させる。

 今朝得たデータなのでイメージ画はなく、文字が表示されるだけだったが、指の項目があった。目を凝らすと、指のサイズを読み取ることが分かった。

「指のサイズはわかった」

「そんなことまでお分かりになるのですか? さすがセイオウ様」

 マイヤ事務官が驚いている。俺もびっくりだ。

「指輪職人はいるか?」

「王家御用達の指輪技師なら、城下におります。あそこなら、信頼できます」

「行ってくる。指輪、感謝する」

 俺はそれだけを言い残して、足早に王城を後にした。



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