異世界に召喚されたが『聖王』じゃなくて『性王』(風俗王)だったので、下品だと追放された。仕方がないのでチート風俗魔法で風俗国家を再建します

横島イクオ

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猫人の少女ミア

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 スレイを呼びに行くマイヤ事務官。

「レイナ、君は別室で待機していてくれ。会いたくない相手なのだろう?」

「・・・ううん、旦那様がいるから大丈夫。それに、新しく来るかもしれない人が、どんな人かあたしもみてみたいし」

 レイナは俺にすがるように、俺の肩にピタッと体を押し付けてくる。怖いのは怖いが、気になるらしい。確かに、護衛という形で俺達と常に行動を共にすることになるかもしれないのだ。彼女が興味があるのは当然だろう。

 しばらくして、謁見の間に男が入ってきた。派手な衣装を身にまとい、ニヒルな笑みを浮かべる細身の男。ピエロの様に顔にべったりと化粧をしているので、年齢はよくわからない。

 手元には鎖が握られており、その鎖は遅れて歩く小柄な人物の首元へとつながっている。おそらくは首輪だろう。小柄な人物は頭からフードをかぶっており、顔はよくわからないが、少年の様に思えた。少年の身体のどこからだろうか、「カラカラ」と鈴のなるような音が響く。

「特別奴隷商人のスレイと申します。以後お見知りおきを」

 一礼するスレイ。上品な仕草だが、どこか下卑ている。

「おや、そこにいらっしゃるのは、レイネシ・・・失礼、今はレイナ殿と名乗られておられましたな」

 レイナの姿を見つけたスレイは、やはり下卑た笑みでレイナに話しかける。

「うっ」

 レイナは気まづそうな顔で、俺の背中の後ろに隠れる。気丈なこの娘にしては、珍しい。

「そのメイド服も、とてもお似合いです。意外に人にお仕えするのが向いていたのですなあ」

 褒めているはずなのに、いちいち何か引っかかる男だ。確かに嫌な男だった。

「無駄話はいい、それより、〝人材〟とやらを見せてくれ」

「はい。特別奴隷は、こちらとなります」

 スレイは無駄話をピタッとやめ、少年のフードをとる。

 少年だと思っていたが、少女だった。それもただの少女ではない。シルクの様に長い黒髪に、大きな猫耳が二つ生えている。ファンタジーゲームでよく出てくる、いわゆる猫人だった。

 その首には、無残にも動物の様な首輪がはめられ、鎖でつながれている。

(しかし、何という可愛い少女だ)

 猫耳を抜きにしても、美しい娘だった。小さな顔に、凛とした瞳。無垢だが意志の強そうな唇。真っ白な肌と、相反するように真っ黒でシルクの様に艶やかでストレートの長い髪。背も低く、胸も控えめだが、脚は長く腰の位置は高い。その姿は、日本人男性の心の中に必ずいる正統派美少女の様。粗末なワンピースの様な衣装を着てさえも、なおその美しさは隠せなかった。

(中学の時にあこがれだった娘に似ている)

 俺は思わず目を奪われってしまう。男女交際など許されなかった中学の頃に、密かにあこがれていた子に似ていた。『親や教師の言う通り真面目に勉強を努力すれば、いつかこんな可愛い子と付き合える』、そんな淡い夢をいだいていた。それが幻想だと気づかずに。

 悲しいことに、当時はヤンキーギャルの全盛期であった。そのため正統派清楚系美少女は許さないという女達の強力な同調圧力によって淘汰され、ほとんど失われてしまった。

 男達の理想郷であるはずのアニメの世界でさえ、黒上ロングは〝マイペース〟や〝個性的〟なキャラ設定が定着してしまったほどだ。まあ今は清楚系ビッチとか地雷系とか、変な形で復活しつつあるらしいが。

「猫人とは・・・」

「綺麗」

 この世界でも猫人は珍しいのか、それともこれほどの美少女が珍しいのか、エリス姫も側近たちも、好奇の目で猫人の少女を見つめている。それにしても気の強い娘だ。この状況でも、しっかりと前を見据えている。いや正確に言うと、彼女の凛とした瞳ははっきりと、俺だけを見つめかえしている様に感じられた。

(あの瞳を見ていると、心臓を鷲掴みにされているような気分になる)

 中学時代の古傷が、再び脈打つ様な奇妙な感覚。だが痛みはなく、甘酸っぱい気持ちだけが広がる。

(やばい、この感覚は、レイナと初めて会った時の感覚に近い。また変な事を口走りそうだ。気を付けなくては)

「すっごく可愛い子だね、旦那様」
 
 レイナが俺と少女の間に入って、交互に見比べている。聡い娘だから、俺の異変を何か、感じ取ったのかもしれない。
 
「綺麗な黒髪、旦那様と同じ色だね、いいな~」

 どうやら髪を見ていた様だ。確かにこの国では黒髪は珍しく、俺も自分以外で黒髪を見るのは初めてだ。

「レイナの髪も綺麗だよ」

 確かにレイナの流れる黄金の様な髪もまた、綺麗だった。俺はレイナの髪を褒めることで、密かに猫人の少女に魅入られていた事実から、自分を引き戻そうとする。レイナにだけは、この娘に魅入られていたことは、知られたくなかった。
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