異世界に召喚されたが『聖王』じゃなくて『性王』(風俗王)だったので、下品だと追放された。仕方がないのでチート風俗魔法で風俗国家を再建します

横島イクオ

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悪徳奴隷商人の性癖をつかんでゆすります

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「それで、この子の詳細について聞きたい」

「はい。彼女はごらんのとおりフリージアの近郊、東方の森にすむ猫人族〝フウマ〟属の族長の娘でございます」

 族長の娘、か。やはり特別奴隷商人が連れてくる奴隷は、高貴な身分の者ということか。

「猫人族はその皆、小柄でしなやかな運動能力を誇ります。反面、力は弱く、重い武器を扱うことはできません。そのため、古来より暗殺技術を身につけ、アサシンとして活躍するものが多く、フウマ族も一族全員が暗殺業で生計を立てておりました」

 ふむ。非力だが運動能力が高いのなら、確かに暗殺業はうってつけだ。おそらく目も耳も人より良いのだろう。

「しかし・・・」

 スレイは「ニヤリ」と唇をゆがませ下卑た笑いを浮かべながら、鎖を「くいっ」と引っ張り、猫人の少女を前に数歩、歩かせる。

「コホコホ!」

 少女が少し苦しそうに咳き込み、首にはめられている鈴が、「カラカラ」と音を立てる。

「族長である彼女の母親がゼレス王国を裏切ったため、王国の討伐軍によって里は壊滅。族長の娘である彼女も、奴隷におとされてしまったのです。

 またゼレス王国か。俺を処刑しようとしただけでなく、そんなこともしているのか。少女はスレイの言葉に反論はせず、苦々しそうに唇をかみしめている。

「彼女は二度とアサシンとして行動できないように、外せない首輪がはめこまれています」

 そういうと、スレイは再び少女の鎖を「くいっ」と引っ張る。首がしまった少女は再び「コホコホ!」と苦しそうに咳き込む。

 同時に首輪が「カラカラ」と音を立てる。

「ご覧の通り首輪には鈴が備え付けてありまして、動けば位置がわかります。これで寝首をかかれる心配は減りますが、アサシンとしては使い物になりません」

 わざわざ首輪の鈴の説明をするために、少女の鎖を引っ張る必要などない。ただ少女を苦しめ、屈辱を与えるためだけの行為。俺は、胸の奥に「イらっ」とした熱い炎が燃え広がるのを感じていた。こんな男に、一時とはいえレイナは囚われていたのか。

「もう一つ問題がありまして、性奴隷としての使い道がない事です」

「どういうことだ?」

「族長の娘である彼女は、次期族長と認める男以外には決して体を開きません。故に、性奴隷としては使い物にならないと考えてよいでしょう。もちろん、衣服を与えずに裸にして鑑賞するなり、手足を拘束したうえで、力づくで・・・」

「──暗殺技能も夜伽も必要ない。俺が欲しいのは護衛用のアサシンとしての技術と、能力だけだ」

 スレイの言葉に腹がたったので、俺は言葉を強引に遮る。そしてスレイではなく、彼女と向き合い、直接問いただす」

「君は戦えるのか?」

「私は重い武器はもてません。正面からの戦いには向いておりません」

 少女が初めて口を開く。凛として強く、美しい声だった。媚びるわけでも自身の能力を誇張するわけでもないその言葉は、信頼できるものだった。

「前からくる敵は俺の魔法でどうとでもなる。怖いのは奇襲や暗殺だ。最悪、敵を先に発見してくれるだけでいい。目はいいんだろ?」

「猫人ですから、もちろんです」

「夜目も効くな?」

「昼よりも見やすいくらいです」

「耳もいいのか?」

「人族よりは、ずっと良いです」

 少女の答えは、満足のいくものだった。

「俺の側で護衛と哨戒任務に従事してもらうことになる、大丈夫そうか?」

 俺の言葉に少女はその美しく済んだ瞳を大きく見開き「はい」と答えてくれた。

「気まぐれな猫人族はすぐに人を裏切ると申します。暗殺を命じるならともかく、護衛につけるなど、普通では考えられませんが?」

 スレイの言葉に、少女は再び口惜しそうに口元を歪めながら下を向く

「仮に猫人がそうでも、彼女がそうとは限らない。俺はこの娘を信じる」

 俺の言葉に、少女は「ハッ」と顔をあげ、俺の顔を見つめた。

 セイオウのスキルの〝玄人の目〟で士気や忠誠心を確認してもよかったが、そんなことをせずとも彼女を信じてよい気がした。

「物好きなことですな。少々お高くなりますが、金額はこちらとなります」

 スレイが提示した数字は、事前に聞いていた相場よりずっと高価だった。おそらく目の前で少女をイジめ、俺の購入意欲をかき立たせる作戦だったのだろう。乗ってもいいが、こいつの言う通りにするのは癪だった。

 とりえあず〝性癖スキャン〟でこいつの性癖を確認する。

(・・・ふ~ん、こういう性癖ね。まあSとMは両方もてるというしな)

 俺はスレイの性癖を確認すると、スレイだけに聞こえる小声で「気の強い女性が、お好みの様だな」と告げる。

「──どうして、それを!?」

 スレイの顔色が変わる。こいつの性癖は〝M男〟、気の強い女性に攻めさせていると睨んだが、真実らしい。

「セイオウである俺の情報網を、なめないでもらいたい。お前の(性癖の)事は、なんでも知っている」

「!?」

 顔面が蒼白になるスレイ。誰でも自身の秘密を知られれば、こういう顔をするのだろうか。あるいは自分の妻や愛人が俺に内通しているとでも、考えたのか。

 面白いので、もっとイジメてやろう。ミアを侮辱した罰だ。

「スレイは、アブドルという商人は知っているか?」

「大商人アブドル様のことですか? 商人ならば知らぬものはおりません」

「俺はアブドルと懇意にしている」

「あ、アブドル様と!?」

 何しろイリスをネトリ、ネトラレる関係だ。懇意と言ってよいだろう。

「ブラックシルクを無料で譲ってもらった話も、聞いているだろう?」

 イリスにフェラを教え、精力増強剤を後で支払うという交換ではあったが、無料は無料だ。金は払っていない。

「・・・あの噂は本当だったのですか?」

「本当だ。スレイ、君とは長い商いをしたい。勉強してくれれば、アブドルにとてもよくしてくれたと伝えよう」

 俺はニヤリと唇によこしまな笑みを浮かべながら、「ぼったくったら、お前の裏がしていることを、アブドルに言いつけるぞ」とスレイに耳打ちする。

「そ、それだけは!! あのお方の機嫌を損ねれば、一生商売ができなくなります!!」

 スレイの顔は真っ青で、冷や汗でいっぱいだ。よほど、アブドルの機嫌を損ねるのが怖いのだろう。

 もちろんスレイが裏で何をしているのかは、(性癖を除けば)俺は知らない。ただのハッタリだ。それでも最高の秘密である彼の房事すら俺に知られているのだ、何もかも俺に知られていると彼が解釈しても、無理からぬことだった。

「勉強させていただきます。セイオウ様とは、長い付き合いをしたいですから!!」

 スレイは裏返った声で、すぐに新しい価格を掲示してくれた。価格は四分の一、適正と聞いていた価格よりもさらに安い。

「ありがとう、アブドルにもよくしてくれたと伝えておくよ」

「よ、よろしくお願いいたします!!」

 頭を深く下げ、その場を逃げるように去るスレイ。しかし、マッチョ宝石技師といいスレイと言い、アブドルの名を聞くだけで皆態度を豹変させる。アブドルは、とんでもない大物なのかもしれない。
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