異世界に召喚されたが『聖王』じゃなくて『性王』(風俗王)だったので、下品だと追放された。仕方がないのでチート風俗魔法で風俗国家を再建します

横島イクオ

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有能くのいちミア

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 娼館から出ると、どっと疲れと罪悪感がやってきた。

 スキル〝サイコパス〟を解除すると、いつもこんな状態になる。とはいえ治し方もわかっている。今日はとりあえず屋敷に帰って、レイナと会いたかった。

「主様、お待ちしておりました」

 娼館の門で出迎えてくれたのは、猫人のミアだった。

「ミアか、迎えに来てくれていたのか?」

「はい。主様の護衛が、私の任務ですから」

 少女の無垢さを残している凛とした雰囲気のミアを見ていると、俺の汚れた心が少し洗われる気がする。レイナが温かいスープなら、ミアは清涼飲料水の様な安心感があった。

 とはいえ見た目が中学生くらいのミアを、娼館の近くに置いておきたくはなかった。俺はミアを連れて、急ぎ足で屋敷へと戻った。


「おかえりなさい、旦那様!」

 屋敷に帰ると、レイナが抱き着くように玄関で迎えてくれた。その笑顔がまぶしくて、癒される。今日もイリスやライカに非情な事をしたが、下がってしまった俺の優しさの値も、きっと回復してくれるに違いない。

「ねえねえ旦那様、ミアちゃんってすごいんだよ。寝室に来てみて」

 レイナに促されるままに、ミアと共に寝室へと向かう。

「なんとミアちゃんは、この寝室に脱出用の抜け穴があったのを、見つけちゃったんです」

「ほう」

 抜け穴を見つけたという事は、作ったという事ではなくて、元からあるモノを発見したという事か。

「ここだよ~、このクローゼットの中の床、外せたんだ。穴の下は滑り台になってて、地下倉庫につながっているんだ」

「ほう」

「地下倉庫には隠し扉があり、そこから地下道で海に出れます。前の所有者が作り、退去するときに隠したもののようです」

 ミアが説明してくれる。

「他にも、工房の余った糸で、侵入者を発見できるトラップを作ったんだ。すごいんだよ~」

 我が事のように喜ぶレイナ。

「ワイヤーと鈴をつなげただけです、大したことではありません」

「いや、よくやってくれたミア。これは俺が期待していた以上の働きだ」

 抜け穴に警報装置、どちらも俺が必要としていたものだった。

「ありがとうございます、主様。あと、お客様が来られたようです」

「わかるのか?」

「コウという鳥を、庭で放し飼いをしました。とても臆病な鳥で、飼い主以外が近づくと騒ぐのです。私の耳なら、コウの鳴き声は屋敷のどこでも聞くことができます」

 そういえば庭に鳥がいたな。しかしこの距離で鳴き声を聞くことができるのか。耳がいいというものではない。

「鳥は犬を飼うよりも安いです。食事も食べ残しを与えれば十分ですし」

「なるほど、いい考えだ」
 
 ミアのアサシンとしてのノウハウは、やはり有益なものだった。



 客人は、武器職人のキリリンと裁縫工房のララだった。二人ともそれぞれ、丈直しした防具と衣装を持ってきてくれたのだ。

「まず、こちらが仕立て直した防具でごわす」

「もうできたのか」

 キリリンが手渡したレイナの胸当てとミアの草帷子は、どちらもサイズぴったりだった。大した腕だ。

「旦那様のも注文しておいたよ」

 俺の鎖帷子もあるらしい。もっとも、こちらは一般的な成人男性のものなので、丈直しは必要なかったらしい。

「見事です。キリリンさんはとても腕の良い職人だと思います」

「かわいい子に褒められると照れるでごわす、ごわす」
 
 何故か赤面するキリリン。こいつは女の子が好きなのか。

「にしても見事な腕だ。新しい武器をオーダーしたりはできるか?」

「そちらが専門なので、もちろんでごわす」

 うむ。親衛隊の武器の改良を頼むか。あの武器は、大きく改良の余地がある様に俺には思えた。

「明日、また向かうよ。大きな仕事を頼むことになると思う」

「楽しみでごわす」

「こっちはミアちゃんのお洋服だよ~お」

「ありがとララちゃん。きっとミアちゃんに似合うと思う」

 ミアの衣装を、レイナが嬉しそうに受け取る。そういえば工房にミアの衣服を買いに行かせていたな。

「ありがとうございます。でも、護衛の私に、綺麗な衣服は不要かと思いますが・・・」

「いいんだよ~、ミアもハウスメイドだし、何よりあたしが着せたいからね。旦那様もきっと喜ぶし」

「そうだな」

 ミアのおかげで屋敷はかなり安全になった。洋服代くらい安いものだ。
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