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大商人アブドルと精力増強剤と戦争と
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まず薬を届けるために、レイナとミアを連れてアブドルの屋敷に向かった。
〝精力増強剤 (ソフト)〟を届けるだけだったので、使いをだしてもよかったが、用法容量に注意が必要であることを教えたかったため、
まだ午前中だったにも関わらず、アブドルは快く出迎えてくれた。
「第一応接間は改装中でしてな、こちらにお入りください」
いつもとは違う部屋にアブドル自身が案内してくれた。よほど嬉しいらしい。
「これが約束の薬となります」
「ふむ、素晴らしい。効果はいかほどですか?」
「俺が昨晩試しましたが、素晴らしいものでした」
俺は記憶がないのでレイナからの伝聞だが、彼女曰く「すごかった♥」とのことだ。
「おお、セイオウ殿自ら試していただいたのですか!」
俺の隣に座っているアブドルは、嬉しそうな声をあげる。
反面、俺の隣に腰掛けているレイナは恥ずかしそうにしている。まあ、側室メイドであるレイナとの伽で試したという事だからな。
。
「ただ、少々強すぎたくらいでしたので、少な目から試してもらいたいのです」
中年肥満体質のアブドルの場合、下手をすればショック死しかねなかった。
「なるほど、ならば主治医に試させましょう。
イリス、ヴェス医師をここに」
「はい、ご主人様」
しばらくすると、イリスは中年の男を連れてきた。身なりからして上位の召使のようだ。体格はアブドルとほぼ同じ、肥満体質だった。
「お呼びでございますか、旦那様」
「うむ。セイオウ殿の精力増強剤を、お前の身体で試して欲しい」
「畏まりました」
「ついでに新しくなった娼館の体験もしてくるとよい」
アブドルは懐から10万コルを懐から出すと、薬2錠とともにヴェス医師に渡した。
(なるほど、自分の体格に似た男を、医師として雇っているのか)
近代まで医者は自分の身体を薬の実験台にする者が多かったというが、この世界でもそうなのだろう。
「では、直ぐに向かいます、旦那様」
一礼して去っていくヴェス医師。普通の男なら役得だと歓喜してもいい任務だったが、喜びの色は見えない。医師として、場合によっては命に係わる重要な実験だと理解しているのだろう。
(任務に忠実な男だ。さすがはアブドル、イリスといい良い部下を持っている)
この医師が処方するなら、まず安全だろう。アブドルに死んでもらっては困るのだ。
「今夜が楽しみですなあ」
にこにこと上機嫌で、残りの薬を見ているアブドル。ちなみに渡したのは合計8錠ほど。一度に大量に渡すより、交渉の材料として少しづつ渡すつもりだった。
「お茶をお注ぎいたします」
フードをかぶった召使の女が、俺のカップにお茶を注いでくれる。おそらく女奴隷だろうが、声からして随分と若い。〝性王〟である俺が怖いのか、手は少し震えていた。
「あっ!?」
召使の注いでくれたお茶が、俺の衣服にかかる。
イリスは気づいたようだが、薬を眺めているアブドルは気が付いていない様だ。
「うう・・・」
可哀そうな事に、女奴隷はフードの上からでもわかるくらい、全身を震わせていた。
「大丈夫だ、ありがとう」
主人の大切な客人である俺に粗相をしたとなれば、この女奴隷は厳しい処罰を受けるかもしれない。そうならないように、俺は袖を隠して、何もなかったようによそおう。
イリスも何も言わず沈黙している。俺の意図を察してくれたようだ。
「ところで話題は変わりますが、アブドル様の祖国、ダッダース首長国は、戦争はお強いのですか?」
アブドルが上機嫌のうちに、聞いておきたいことだった。
「ふむ。我が国の兵は、少数の正規兵以外は戦争の度に傭兵を雇いますので、強いとは言い難いですのう」
少数の正規軍と、臨時編成の傭兵軍か、通商国家らしい軍編成だった。
「海軍はどうですか?」
「そちらも必要に応じて商船を改造するので、ほどほどかと。ワシの持つ商船団も、武装は護衛の為のものに限っております」
アブドルは商船団までもっているのか、やはりすごい男だ。
「他国を征服して富を奪うべきだという者もおりますが、交易の権益を守れれば十分という意見も強いですな。戦争は大きなビジネスですが、負けるリスクがありますから」
「なるほど」
口調からして、アブドルは後者に属しているに違いない。
「セイオウ殿は近々、戦争でも起こすおつもりですか?」
今度はアブドルが質問してくる。顔は笑っているが、細い目から放たれる眼光は鋭いものだった。
「交易で儲けられれば、それが一番です」
アブドルの質問には答えず、はぐらかす。戦争は国家の大事、最後の手段だ。できれば避けたいし、やるからには確実に勝ちたかった。
「平和に儲けられれば、それが一番ですからな」
嬉しそうに笑うアブドル。俺も同じ意見だった。
「仕事がありますので、これで」
「セイオウ殿、もうお立ちになられるのですか」
「まあ」
席を立とうとすると、少し驚くアブドルとイリス。そういえばここにきて、イリスにエロいことをしなかったのは、初めてだ。イリスが少し残念そうにしているように見えるのは、自意識過剰だろうか?
「客間の改築が済みましたら、使いをだします。ぜひ、遊びにきてください」
「ありがとうございます」
(客間の改築で使いをだす? どういうことだ?)
俺はアブドルの発言を不思議に思いながらも、彼の屋敷を後にした。
〝精力増強剤 (ソフト)〟を届けるだけだったので、使いをだしてもよかったが、用法容量に注意が必要であることを教えたかったため、
まだ午前中だったにも関わらず、アブドルは快く出迎えてくれた。
「第一応接間は改装中でしてな、こちらにお入りください」
いつもとは違う部屋にアブドル自身が案内してくれた。よほど嬉しいらしい。
「これが約束の薬となります」
「ふむ、素晴らしい。効果はいかほどですか?」
「俺が昨晩試しましたが、素晴らしいものでした」
俺は記憶がないのでレイナからの伝聞だが、彼女曰く「すごかった♥」とのことだ。
「おお、セイオウ殿自ら試していただいたのですか!」
俺の隣に座っているアブドルは、嬉しそうな声をあげる。
反面、俺の隣に腰掛けているレイナは恥ずかしそうにしている。まあ、側室メイドであるレイナとの伽で試したという事だからな。
。
「ただ、少々強すぎたくらいでしたので、少な目から試してもらいたいのです」
中年肥満体質のアブドルの場合、下手をすればショック死しかねなかった。
「なるほど、ならば主治医に試させましょう。
イリス、ヴェス医師をここに」
「はい、ご主人様」
しばらくすると、イリスは中年の男を連れてきた。身なりからして上位の召使のようだ。体格はアブドルとほぼ同じ、肥満体質だった。
「お呼びでございますか、旦那様」
「うむ。セイオウ殿の精力増強剤を、お前の身体で試して欲しい」
「畏まりました」
「ついでに新しくなった娼館の体験もしてくるとよい」
アブドルは懐から10万コルを懐から出すと、薬2錠とともにヴェス医師に渡した。
(なるほど、自分の体格に似た男を、医師として雇っているのか)
近代まで医者は自分の身体を薬の実験台にする者が多かったというが、この世界でもそうなのだろう。
「では、直ぐに向かいます、旦那様」
一礼して去っていくヴェス医師。普通の男なら役得だと歓喜してもいい任務だったが、喜びの色は見えない。医師として、場合によっては命に係わる重要な実験だと理解しているのだろう。
(任務に忠実な男だ。さすがはアブドル、イリスといい良い部下を持っている)
この医師が処方するなら、まず安全だろう。アブドルに死んでもらっては困るのだ。
「今夜が楽しみですなあ」
にこにこと上機嫌で、残りの薬を見ているアブドル。ちなみに渡したのは合計8錠ほど。一度に大量に渡すより、交渉の材料として少しづつ渡すつもりだった。
「お茶をお注ぎいたします」
フードをかぶった召使の女が、俺のカップにお茶を注いでくれる。おそらく女奴隷だろうが、声からして随分と若い。〝性王〟である俺が怖いのか、手は少し震えていた。
「あっ!?」
召使の注いでくれたお茶が、俺の衣服にかかる。
イリスは気づいたようだが、薬を眺めているアブドルは気が付いていない様だ。
「うう・・・」
可哀そうな事に、女奴隷はフードの上からでもわかるくらい、全身を震わせていた。
「大丈夫だ、ありがとう」
主人の大切な客人である俺に粗相をしたとなれば、この女奴隷は厳しい処罰を受けるかもしれない。そうならないように、俺は袖を隠して、何もなかったようによそおう。
イリスも何も言わず沈黙している。俺の意図を察してくれたようだ。
「ところで話題は変わりますが、アブドル様の祖国、ダッダース首長国は、戦争はお強いのですか?」
アブドルが上機嫌のうちに、聞いておきたいことだった。
「ふむ。我が国の兵は、少数の正規兵以外は戦争の度に傭兵を雇いますので、強いとは言い難いですのう」
少数の正規軍と、臨時編成の傭兵軍か、通商国家らしい軍編成だった。
「海軍はどうですか?」
「そちらも必要に応じて商船を改造するので、ほどほどかと。ワシの持つ商船団も、武装は護衛の為のものに限っております」
アブドルは商船団までもっているのか、やはりすごい男だ。
「他国を征服して富を奪うべきだという者もおりますが、交易の権益を守れれば十分という意見も強いですな。戦争は大きなビジネスですが、負けるリスクがありますから」
「なるほど」
口調からして、アブドルは後者に属しているに違いない。
「セイオウ殿は近々、戦争でも起こすおつもりですか?」
今度はアブドルが質問してくる。顔は笑っているが、細い目から放たれる眼光は鋭いものだった。
「交易で儲けられれば、それが一番です」
アブドルの質問には答えず、はぐらかす。戦争は国家の大事、最後の手段だ。できれば避けたいし、やるからには確実に勝ちたかった。
「平和に儲けられれば、それが一番ですからな」
嬉しそうに笑うアブドル。俺も同じ意見だった。
「仕事がありますので、これで」
「セイオウ殿、もうお立ちになられるのですか」
「まあ」
席を立とうとすると、少し驚くアブドルとイリス。そういえばここにきて、イリスにエロいことをしなかったのは、初めてだ。イリスが少し残念そうにしているように見えるのは、自意識過剰だろうか?
「客間の改築が済みましたら、使いをだします。ぜひ、遊びにきてください」
「ありがとうございます」
(客間の改築で使いをだす? どういうことだ?)
俺はアブドルの発言を不思議に思いながらも、彼の屋敷を後にした。
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