花火2 夏美物語 (R18 ちよっとだけ性的表現を含みます)

月夜野ルナ

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花火2 夏美物語 (R18 ちょっとだけ性的表現を含みます)

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花火2  夏美物語

私と修は高校に入った時に知り合った。彼は物静かでちょっとインテリ風、でも根はバカw。
いろんな事を話したりしてるうちに妙に相性が良くて一緒にいて気が楽で・・。
それまでどちらも「好き」なんて告白した事も無かったけど、もうすぐバレンタイン。

他の子と同じ日にあげるなんて嫌だったから一歩先にチョコ作ってあげる事にした。

ビターチョコとミルクチョコ、8 : 2 で合わせた物を薄く広げて冷やしてカット。それとは別に
ビターとミルクを7 : 3 にクラッシュナッツを混ぜた物も。それを袋に詰めてリボンをして。
面と向かって渡すのは照れくさいから、走りながら投げるように手渡した。

もちろんメッセージも忘れずに♡

もうそれだけで私の顔から火が出そうw。周りで見てた友達も「ヒューヒュー♡」と囃し立てて。
家に帰ってからもドキドキしてた。

そして次の日。学校に着くなり修は「ホイッ」と包を投げてよこした。{何?} と思い開けてみると
中には小さく切ったキャラメルが20ケ程。早速周りの女子に見つかってごそごそしてみると一個一個
オブラートで丁寧に個包装してあって。

「えっ? 彼、あれからすぐこれ作ったの? 夏美・・愛されてるねぇ♡・・」と一人が言うともう一人が
「ねぇねぇ・・この奥に入ってるこれ・・・ハート型で型抜きしてある・・・」

と、一気に皆が盛り上がる。そんなこんなで私達は学校中の公認になり、どこへ行くにも一緒だった。

そして3年の夏。お祭り後の打ち上げ花火を二人で見に行く事になった。二人とも張り切って浴衣なんか
揃えたりして手も繋いで。

凄い近い所から見る打ち上げ花火の迫力。そして終わった後の儚さ・・。

「来年も一緒に見れたらいいね・・」そんな事を言って。

ところが卒業して私は専門学校、彼は就職して研修三昧。会える日は極端に減った。そんな中、彼は
研修で別の県にひと月以上行くことになりその後はコンクールの準備・・もうLINEも返るのが遅くなって。

そんな時サークル仲間が沈んでる私を元気づけようと飲み会を開いた。けれど・・女子だけかと思ったら
男子も呼んでいて合コンになってしまった。

その中にいた隆一。スラリとした長身に整った顔立ち。身のこなし、言動どれをとってもイケメンだった。
そんな隆一から声をかけられ色々話しをしてるうちに{アレッ? なんだか・・} という感じが湧いた。

そんな彼が私なんかを選ぶ筈も無い・・と思っていたけどちょくちょく連絡が来たり二人で食事に行く
ようになって一気に間は縮まった。

けれどいつも頭の済には修の事があった。私には・・と。

でも何度か隆一と飲みに行った夜、ついに私は彼とラブホテルに行って。その夜も彼はとても優しかった。
そっと私を抱きしめて「好きだ」と言って。ベッドに行ってからも・・

けれど修とはそんな事までした事無かった私はガチガチになっていた。修とはいつも下着の上からちょっと触る
程度。奥手なのか自分を制していたのか・・でも、背伸びをしたい頃の私にはちょっだけ不満だった。

ベッドの中で脚を広げられ彼のが入ってきた時、思わず私は「・・・んっ・・・」と言ってしまった。

「・・え? もしかして初めてだった?・・」 コクンと頷く私。

「・・じゃあ優しく・・痛かったら言ってね・・」と彼はそこでも優しく、ゆっくりと入ってきた。

けれど二度三度と繰り返しただけで止めて、私を抱きしめて

「無理する事ないよ、除々に慣れてけばいいから・・」と言ってくれた。

そんな日を繰り返し彼の家にも遊びに行ったりしていた頃、彼の家は資産家だと判った。ご両親もとても
上品な方達で特に奥様は私を娘のように可愛がってくれた。

その頃には修の事はもう・・・

そうしてまた夏が来て私と彼はあのお祭りの花火に行く事に。久しぶりの花火に修との日が少しだけよぎった。
その帰り道。 私とすれ違ったのは・・修?  なんだか痩せたような・・でも私に気付いたのかしら・・

====================================================================

それから冬にむけて私と隆一は一層親密になった。何度も身体を合わせお互いの事を知り合って・・
そしてある夜、ホテルディナーに行った所で彼からプロポーズを・・・。

私はそれを受けた。

ディナーを終えた私達は彼の手配してくれたスイートで・・身も心も一つになった。

{ もう後戻りはできない・・} そんな言葉が一瞬よぎったけれど・・。

私達は義両親の営むマンションの一室を譲ってもらい暮らし始め次の年には子供もできた。元気な男の子。
義両親もすごく喜んでくれて私も幸せだった。

そして次の年の夏。彼は「また花火を見に行こうか」と言ってくれて子供連れで行く事にした。
その年の花火も盛況で色とりどりの花火が上がった。年々工夫を凝らしているらしく珍しい形の花火もあった。
その花火も終わり相変わらずの大勢の人波に押されながら帰路につく私達。すると・・

私はすぐに気がついた。前から来るのは・・修。けれど、手を繋いでいる・・その人は?
すれ違った時に修が「・・・あっ・・・」と言いながら止まったから私に気づいたのだろう。

その時、私の中の時間が一瞬止まった。

{彼の隣にいる可愛い娘は誰? 彼女? 奥さん? 手を繋いで・・そうよね、もう数年経ってるんだもの・・
彼にだって・・ 私には旦那様が・・優しい義両親も・・可愛い子供まで・・幸せの・・・}

なのに彼とすれ違った後、何故か不意に涙が一筋頬を伝って落ちた。

おしまい。
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