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第2章【勝負への葛藤】
第18話【汚された勝利】
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「やっぱり、スゴいですね、鈴木さんは」
「そうだね。今回は宗成君らしいファイトだったよ」
俺の言葉に坂田も頷くと観客席を後にして控え室へと向かう。
しかし、鈴木さんのいる控え室は記者が群がっていて入れそうもない。
そんな様子を見て、坂田さんは苦笑する。
「流行り病からの試合で一躍、人気が出たかな?」
「それはスゴいですね?
なら、今回は鈴木さんに会うのは控えた方がいいですかね?」
「そうした方がーー」
「いい加減にして下さい!」
俺達が戻ろうとすると会長さんの怒鳴り声が聞こえた。
なんだ?どうしたんだろう?
俺と坂田さんは顔を見合わせると控え室へと近付く。
「何か問題がありましたか?」
「ああ。すまないね。特ダネかも知れないから、部外者には教えられないよ」
「俺にもですか?」
俺が聞いても教えてくれそうにないので坂田さんが尋ねるとその記者の目の色が変わる。
「これはーー坂田選手じゃないですか!?」
「なにやら、うちのジムにお聞きしたい事があるようですが、今回はどんな御用ですか?」
「いえ、先程、タレコミがあって坂崎選手と鈴木選手の試合が八百長だと言う情報がありまして」
「えっ!?そんな訳ないだろ!?」
その言葉を聞いた俺はその記者の食って掛かろうとすると坂田さんがそれを制して質問を続けた。
「八百長だと言うのは、どこからのタレコミですか?」
「今回、負けた坂崎選手のオーナーさんだよ。なんでも流行り病を理由に劇的な勝利を演出したモノだったとか」
「そうですか・・・」
坂田さんはそれだけ言うと悔しさに顔を歪める俺と共にその場を離れる。
こんなの酷すぎる!なんで鈴木さんが痛くもない腹を探られなきゃならないんだ!
「正樹君。少し待っていてくれるかな?」
「・・・どこへ行くんですか?」
「さっきの記者と一緒に竜也選手に会いに行ってくる」
「ーーっ!なら、俺も!」
「怒りをコントロール出来ていない君を一緒には連れていけない」
「でも!」
俺が叫ぼうとすると坂田さんは俺の肩に手を乗せる。
「許せない気持ちは俺も同じだ。だが、その怒りに任せて、暴れていては始まらない事もある。今回は特にね」
俺はそれに対して反論しようとしたが、坂田さんの手に力が込められ、坂田さんも怒りではらわたが煮えくり返っているのが解る。
それでも落ち着いているのは坂田さんが怒りを制しているからだろう。
確かに大人な坂田さんの方が出向くのは正しい選択だ。
だが、それでも鈴木さんの戦いを侮辱した竜也選手のオーナーとやらが許せない。
「君は宗成君の傍にいて上げた方がいい。
彼もこのやり場のなさに怒りを覚えているだろうからね?」
そう言うと坂田さんは先程の記者と話をすると数人の人を連れて、竜也選手の控え室へと向かう。
残りの記者は未だに鈴木さんの活躍が八百長であったと思っているのだろうか?
だとしたら、許せない!
俺は記者の群れに飛び掛かろうとする。
「・・・わかりました。そこまで信じられないのなら、私からも言いましょう。
私の選手はそのような姑息な手は使いません。それは先の東山野選手の時もそうだった筈です。
彼は自分らしく戦い、自らの手で勝利をモノにしました。
あなた方がデマに踊らせられてようが、それが真実です」
俺は記者を殴ろうとした手を止め、まっすぐに記者達を見渡す会長さんの言葉に拳を下ろす。
そうだ。俺が暴れたら、それこそ、鈴木さんの戦いに泥を塗るようなモノだ。
俺は怒りの矛を納めて俯く。
「おい!大変だ!」
そんなやり取りをしていると先程の記者が戻ってくる。
「山崎選手がさっきの八百長発言を撤回したぞ!」
その言葉に俺も含めた記者達が顔を向ける。
記者達はその言葉を聞いて我先にと鈴木さんのいる控え室から出ていく。
謝罪の一つもないのかと腹が立ったが、すぐに鈴木さんの事が心配になって控え室の中を覗くと鈴木さんが怒りを込めて壁を殴っているところを見てしまう。
「落ち着きなさい、宗成君。君はよく堪えた。そして、よく戦った。それで良いじゃないか・・・」
「それでも悔しいです。勝ったのは自分です。
その勝利に泥を塗られてしまった。許せませんよ」
「解っているとも。明日、正式に向こうのオーナーに謝罪させるさ。
これはボクシングで戦う選手に対する冒涜なんだからね」
「・・・会長」
そんな鈴木さんの背中を会長さんは優しく叩くと俺に視線を向けた。
「彼も来た事だし、今夜はもう帰りなさい。あとは我々の仕事だ」
会長さんがそう言うと鈴木さんも俺に気付いて振り返る。
こうして、俺と鈴木さんは二人して家路へと向かう。
道中、佐藤さんも途中までついてきたが、何も言う事をせず、途中で帰る。
その際、「宗成君の事を頼む」と言われたが、こういうのって佐藤さんの仕事じゃないか?
そう思いつつ、俺と鈴木さんは気まずい雰囲気の中、家に帰る。
「そうだね。今回は宗成君らしいファイトだったよ」
俺の言葉に坂田も頷くと観客席を後にして控え室へと向かう。
しかし、鈴木さんのいる控え室は記者が群がっていて入れそうもない。
そんな様子を見て、坂田さんは苦笑する。
「流行り病からの試合で一躍、人気が出たかな?」
「それはスゴいですね?
なら、今回は鈴木さんに会うのは控えた方がいいですかね?」
「そうした方がーー」
「いい加減にして下さい!」
俺達が戻ろうとすると会長さんの怒鳴り声が聞こえた。
なんだ?どうしたんだろう?
俺と坂田さんは顔を見合わせると控え室へと近付く。
「何か問題がありましたか?」
「ああ。すまないね。特ダネかも知れないから、部外者には教えられないよ」
「俺にもですか?」
俺が聞いても教えてくれそうにないので坂田さんが尋ねるとその記者の目の色が変わる。
「これはーー坂田選手じゃないですか!?」
「なにやら、うちのジムにお聞きしたい事があるようですが、今回はどんな御用ですか?」
「いえ、先程、タレコミがあって坂崎選手と鈴木選手の試合が八百長だと言う情報がありまして」
「えっ!?そんな訳ないだろ!?」
その言葉を聞いた俺はその記者の食って掛かろうとすると坂田さんがそれを制して質問を続けた。
「八百長だと言うのは、どこからのタレコミですか?」
「今回、負けた坂崎選手のオーナーさんだよ。なんでも流行り病を理由に劇的な勝利を演出したモノだったとか」
「そうですか・・・」
坂田さんはそれだけ言うと悔しさに顔を歪める俺と共にその場を離れる。
こんなの酷すぎる!なんで鈴木さんが痛くもない腹を探られなきゃならないんだ!
「正樹君。少し待っていてくれるかな?」
「・・・どこへ行くんですか?」
「さっきの記者と一緒に竜也選手に会いに行ってくる」
「ーーっ!なら、俺も!」
「怒りをコントロール出来ていない君を一緒には連れていけない」
「でも!」
俺が叫ぼうとすると坂田さんは俺の肩に手を乗せる。
「許せない気持ちは俺も同じだ。だが、その怒りに任せて、暴れていては始まらない事もある。今回は特にね」
俺はそれに対して反論しようとしたが、坂田さんの手に力が込められ、坂田さんも怒りではらわたが煮えくり返っているのが解る。
それでも落ち着いているのは坂田さんが怒りを制しているからだろう。
確かに大人な坂田さんの方が出向くのは正しい選択だ。
だが、それでも鈴木さんの戦いを侮辱した竜也選手のオーナーとやらが許せない。
「君は宗成君の傍にいて上げた方がいい。
彼もこのやり場のなさに怒りを覚えているだろうからね?」
そう言うと坂田さんは先程の記者と話をすると数人の人を連れて、竜也選手の控え室へと向かう。
残りの記者は未だに鈴木さんの活躍が八百長であったと思っているのだろうか?
だとしたら、許せない!
俺は記者の群れに飛び掛かろうとする。
「・・・わかりました。そこまで信じられないのなら、私からも言いましょう。
私の選手はそのような姑息な手は使いません。それは先の東山野選手の時もそうだった筈です。
彼は自分らしく戦い、自らの手で勝利をモノにしました。
あなた方がデマに踊らせられてようが、それが真実です」
俺は記者を殴ろうとした手を止め、まっすぐに記者達を見渡す会長さんの言葉に拳を下ろす。
そうだ。俺が暴れたら、それこそ、鈴木さんの戦いに泥を塗るようなモノだ。
俺は怒りの矛を納めて俯く。
「おい!大変だ!」
そんなやり取りをしていると先程の記者が戻ってくる。
「山崎選手がさっきの八百長発言を撤回したぞ!」
その言葉に俺も含めた記者達が顔を向ける。
記者達はその言葉を聞いて我先にと鈴木さんのいる控え室から出ていく。
謝罪の一つもないのかと腹が立ったが、すぐに鈴木さんの事が心配になって控え室の中を覗くと鈴木さんが怒りを込めて壁を殴っているところを見てしまう。
「落ち着きなさい、宗成君。君はよく堪えた。そして、よく戦った。それで良いじゃないか・・・」
「それでも悔しいです。勝ったのは自分です。
その勝利に泥を塗られてしまった。許せませんよ」
「解っているとも。明日、正式に向こうのオーナーに謝罪させるさ。
これはボクシングで戦う選手に対する冒涜なんだからね」
「・・・会長」
そんな鈴木さんの背中を会長さんは優しく叩くと俺に視線を向けた。
「彼も来た事だし、今夜はもう帰りなさい。あとは我々の仕事だ」
会長さんがそう言うと鈴木さんも俺に気付いて振り返る。
こうして、俺と鈴木さんは二人して家路へと向かう。
道中、佐藤さんも途中までついてきたが、何も言う事をせず、途中で帰る。
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