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第3章【勝負の世界】
第26話【多田野正樹対真川政介(2)】
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冷静になった真川選手は改めて俺を見据えるとステップを踏んで此方の先を読んでいるのか、途端に攻撃が当たらなくなる。
こうも当たらないと焦りが出てくる。
いや、こんな時だからこそ、落ち着かなくてはならない。相手は上級者なんだ。
此方の攻撃が当たらなくて当然と思わなくては・・・。
俺は改めて、牽制の為にジャブを放つ。
数発は当たったが、怯む様子は当然ない。
寧ろ、カウンターで攻撃を合わせてくる。
やばい。流石に貰い過ぎたか?
いや、まだ大丈夫の筈だ。
ともかく、会長さんの言う通り、基本だ。
だが、こうも当たらないと萎えてくる。
そんな俺の目を見て、真川さんの目が爛々と輝く。
その目を見て俺は思わず、怯んでしまった。
そして、右ストレートのクリーンヒットを貰ってしまう。
その時、俺はこれまで挫折と復帰の繰り返しを思いだし、改めて闘志を燃やして真川選手を睨む。
それを見て、真川選手が一瞬、驚いた顔をした。
その瞬間を見逃さず、俺は右ストレートを繰り出してクリーンヒットさせる。
そこでゴングが鳴り、俺と真川選手は再度、コーナーへと戻る。
コーナーへと戻ると俺は荒い呼吸を整え、会長さんが置かれた椅子へと座り、水を口に含んで、うがいをして含んだ水を吐き出す。
「前半は相手に翻弄されたが、最後の一発は良かったよ。
あとは君がやれる事をしなさい」
「ーーっ!はい!」
会長さんの言葉に頷くとゴングが鳴るのを待つ。
会長さんの言う通り、あとは出しきるだけだ。
俺は深呼吸して気合いを入れ直し、ゴングと同時に前に出る。
そうだ。前に出るんだ。
今までやって来た事を思い出せ。
俺はその一念を胸にひたすら前に出る。
真川さんも手を出すが、俺の手数の方が上の筈だ。
ここまで来たら、我慢比べだろう。
そうして、時間ギリギリまで俺は真川選手と殴り合い、ゴングが鳴る頃にはヘトヘトになっていた。
俺はコーナーに戻るとロープで身体を支え、レフェリーがジャッジするまで待つ。
やれるだけの事はした。悔いはない。
だが、結果が出ないとやはり、不安になる。
「大丈夫だ。君は十分立派に戦ったよ」
そんな励ましを会長さんから貰い、俺は少し心を落ち着かせた。
そして、結果が発表される事となる。
「ポイント3ー5。勝者・多田野正樹!」
そのジャッジを聞いて、俺は少し間を置いてから視界を涙で歪ませる。
・・・勝った。本当に勝ったんだ。
三国の時と違い、本当に自分の力で勝ち取ったんだ。
そう思ったら嬉しくて涙も出てくる。
「・・・会長」
「ああ。見事だったよ、正樹君」
こうして、俺は初白星を勝ち取り、控え室で鈴木さんに抱き付いて号泣した。
そして、その日は勝利の余韻で眠れなかった。
本当に俺は勝ったんだと思うとこれまで鈴木さん達を追ってきて良かったと思う。
心の底から、そう感じ、眠くなるまで部屋の中でシャドーボクシングを始めた。
こうも当たらないと焦りが出てくる。
いや、こんな時だからこそ、落ち着かなくてはならない。相手は上級者なんだ。
此方の攻撃が当たらなくて当然と思わなくては・・・。
俺は改めて、牽制の為にジャブを放つ。
数発は当たったが、怯む様子は当然ない。
寧ろ、カウンターで攻撃を合わせてくる。
やばい。流石に貰い過ぎたか?
いや、まだ大丈夫の筈だ。
ともかく、会長さんの言う通り、基本だ。
だが、こうも当たらないと萎えてくる。
そんな俺の目を見て、真川さんの目が爛々と輝く。
その目を見て俺は思わず、怯んでしまった。
そして、右ストレートのクリーンヒットを貰ってしまう。
その時、俺はこれまで挫折と復帰の繰り返しを思いだし、改めて闘志を燃やして真川選手を睨む。
それを見て、真川選手が一瞬、驚いた顔をした。
その瞬間を見逃さず、俺は右ストレートを繰り出してクリーンヒットさせる。
そこでゴングが鳴り、俺と真川選手は再度、コーナーへと戻る。
コーナーへと戻ると俺は荒い呼吸を整え、会長さんが置かれた椅子へと座り、水を口に含んで、うがいをして含んだ水を吐き出す。
「前半は相手に翻弄されたが、最後の一発は良かったよ。
あとは君がやれる事をしなさい」
「ーーっ!はい!」
会長さんの言葉に頷くとゴングが鳴るのを待つ。
会長さんの言う通り、あとは出しきるだけだ。
俺は深呼吸して気合いを入れ直し、ゴングと同時に前に出る。
そうだ。前に出るんだ。
今までやって来た事を思い出せ。
俺はその一念を胸にひたすら前に出る。
真川さんも手を出すが、俺の手数の方が上の筈だ。
ここまで来たら、我慢比べだろう。
そうして、時間ギリギリまで俺は真川選手と殴り合い、ゴングが鳴る頃にはヘトヘトになっていた。
俺はコーナーに戻るとロープで身体を支え、レフェリーがジャッジするまで待つ。
やれるだけの事はした。悔いはない。
だが、結果が出ないとやはり、不安になる。
「大丈夫だ。君は十分立派に戦ったよ」
そんな励ましを会長さんから貰い、俺は少し心を落ち着かせた。
そして、結果が発表される事となる。
「ポイント3ー5。勝者・多田野正樹!」
そのジャッジを聞いて、俺は少し間を置いてから視界を涙で歪ませる。
・・・勝った。本当に勝ったんだ。
三国の時と違い、本当に自分の力で勝ち取ったんだ。
そう思ったら嬉しくて涙も出てくる。
「・・・会長」
「ああ。見事だったよ、正樹君」
こうして、俺は初白星を勝ち取り、控え室で鈴木さんに抱き付いて号泣した。
そして、その日は勝利の余韻で眠れなかった。
本当に俺は勝ったんだと思うとこれまで鈴木さん達を追ってきて良かったと思う。
心の底から、そう感じ、眠くなるまで部屋の中でシャドーボクシングを始めた。
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